箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺)2018年6月22日

今回のミニ観察会のテーマは「虫えいを探そう(タマバエ編)」です。しかしタマバエとは、分厚い昆虫図鑑でもハチ目の片隅の頁に1~2例ほど、しかも小さな写真しか載っていないような昆虫なのです。そのためにタマバエを訊ねると、ほとんどの人たちは「タマバエ」ってなに? どんな形のむし? というほど知られていない昆虫なので、開始時のミーティングに於いて、ビジター9名とPV11名の参加者でタマバエの生態やタマバエがつくる虫えいなどについての予備知識を学習して、梅雨の晴れ間の自然学習路へ観察に向かいました。

アオキミフクレフシ
P4130105アオキミフクレフシ
この虫えいは、アオキミタマバエがアオキの幼果に産卵して形成します。この時期に残っている果実と思われるものは、未成熟のものが多く、それらはほとんど虫えいといっても過言でないでしょう。

イヌツゲメタマフシ
P6130078イヌツゲメタマフシ
この虫えいは、イヌツゲタマバエがイヌツゲの腋芽に産卵して形成します。VC周辺ではこの時期に成虫が虫えいから羽化しているようです。早朝に虫えいを観察すると、写真のように虫えいに残っている蛹の抜殻を見つけることができるかもしれません。

ウツギメタマフシ
P6050559ウツギメタマフシ
この虫えいは、ウツギメタマバエがニシキウツギの冬芽に産卵して形成した虫えいです。今年は自然学習路を散策すると多く見ることができます。なんだか芽キャベツのように見えませんか?

ハナイカダミフクレフシ
P6150141ハナイカダミフクレフシ
この虫えいは、ハナイカダミタマバエがハナイカダの蕾/花に産卵して形成します。VC周辺では、これからの時期に成虫が虫えいから羽化していきます。この虫えいも写真のように虫えいに蛹の抜殻が残リますが、風に吹かれたり振動で、すぐ落下してしまうので見つけるのが大変かもしれません。

ヒメシャラハミャクコブフシ
P6040525ヒメシャラハミャクコブフシ
この虫えいは、まだ解明されていないタマバエの仲間がヒメシャラの新葉に産卵して虫えいを形成します。虫えい内の幼虫は、成熟すると虫えいから抜け出し、地面で夏から秋、そして冬を越します。タマバエの生態や生命の不思議さを感じて戴けたでしょうか。

キビタキ
DSCN1155キビタキ
野鳥の森周辺を歩くとキビタキのさえずりが聞こえてきます。声の方角に目を凝らし、静かに歩を進めてみてください。きっと枝でさえずるキビタキの姿を見つけることができるでしょう。

ニワトコの果実
P1070273ニワトコの果実
自然学習路を歩いていると、緑の木々の間から赤く実ったニワトコの果実を見つけることができます。緑の中でひときわ輝いて見えるので、梅雨の時期でも散策を楽しむことができるでしょう。

ミヤマイボタの花
P1070314ミヤマイボタの花
ビジターセンター周辺では、ミヤマイボタの花が咲き始めました。そっと観察していると吸蜜するセイヨウミツバチや飛翔するジャコウアゲハも観察できました。

アサギマダラ
P1070326アサギマダラ
さらにミヤマイボタの花にやってくる昆虫を待っていると、アサギマダラも吸蜜するためにやってきました。この時期は花が少ないのでミヤマイボタの花は大もてのようです。

ヤマボウシの花
P1070304ヤマボウシの観察
虫えいの観察が終わりビジターセンターへの帰り道、ヤマボウシの花が参加者の目を楽しませてくれました。皆さん、本日は、お疲れ様でした。

トップ10
1.アオキミフクレフシ(虫えい)
2.イヌツゲメタマフシ(虫えい)
3.ウツギメタマフシ(虫えい)
4.ハナイカダミフクレフシ(虫えい)
5.ヒメシャラハミャクコブフシ(虫えい)
6.イカル
7.キビタキ
8.ニワトコ(果実)
9.ミヤマイボタ(花)
10.ルリタテハ(昆虫;蝶)

PV 小川(治)・谷上

大涌谷コース自然情報

金太郎岩・姥子周辺自然情報 2018年6月16日

日本の南に梅雨前線が停滞し、台風6号が沖縄を直撃し大きな被害が出ている中、雨の中の自然観察を覚悟していましたが、幸いにも雨に降られることはなかったのですが、今にも降りそうな空の下、気温16℃とかなり寒い日でした。それでもスイカズラやヤマオダマキなどの草花や、ヤマボウシやサルナシ、ニシキウツギなどの木々には花がたくさん咲いていました。、さらにはヤマグワ、モミジイチゴ、マメザクラなどには熟した果実がたわわについていて、自然の美味しい味わいも体験しました。

スイカズラ
今がちょうど花の時期です。けっこう沢山出会いました。 枝先の葉腋に2個づつ花を付け、咲き始めは真っ白ですが、だんだんと黄色に変わってゆきます。受粉がおわると色が変わるという説もあるようですが、どうも経時で変色するようです。P1070228スイカズラ

ヤマオダマキ
道の真ん中に堂々と咲いていました。淡い色の上品な花ですね。
高山に行くと紫色のミヤマオダマキがみられます。
P1070194.jpg

サルナシの花
今年は木々の花が豊富です。このサルナシの花も今年はたくさん見られます。
秋に実が付くのが楽しみです。

P1070181.jpg

ヤマボウシの花
今年のヤマボウシはどこでも異常なほどたくさんの花を咲かせています。
もうじき沢山の赤い実が付くことでしょう。
サルナシといいヤマボウシといい今年の秋は木いっぱいに実をつけることでしょう。楽しみですね。
P1070196ヤマボウシ

ヤマグワの実
とにかく甘くておいしい果実・山の恵みです。昔カイコを飼って絹糸を作っていたころは桑の木が身近にたくさんあり、手や口を紫色にしながら桑の実を食べたものですが、最近はほとんど見なくなりました。ヤマグワの実は桑の実に比べるとかなり小粒ですが、桑の実より甘みが強く美味しいようです。
P1070239a.jpg

モミジイチゴの実
金太郎岩周辺にはモミジイチゴが群生していて、いま熟した果実が鈴なりです。
ほんのり甘い大粒の実は野イチゴの中でも美味しい果実です。

P1070174.jpg

マメザクラの実
いわゆる桜の実ですからサクランボですが、マメザクラのサクランボは大変おいしいです。
オオシマザクラにも同じようなサクランボがなり、こちらは渋みと酸味がありますが、ほんのりと甘くて結構おいしい果実です。

P1070197マメザクラ実

今月のトップ 10
1、ヤマオダマキ
2、ヤマボウシ
3、ガマズミ
4、ニシキウツギ
5、ウツギ
6、スイカズラ
7、サルナシ
8、ヤマグワの果実
9、モミジイチゴの果実
10、マメザクラの果実


箱根PV S.Y.





金時山自然情報 2018年6月14日

 今にも雨が降り出しそうな空模様でしたが、実施可否の判断基準より低い降水確率により観察会は実施しました。ヤマボウシが目立ちました。登山道脇にも沢山咲いていましたが、外輪山の白く見える山肌はヤマボウシです。分近点ではシモツケが可憐なピンク色を付けていました。今日は小屋で昼食を取らず、長尾山で取りました。その時、曇り空から太陽が現れると、エゾハルゼミが一斉に鳴き始めました。ホトトギス、ツツドリ、カッコウの声を聞きました。カッコウの声は遠く仙石原から聞こえていました。
 花、鳥、虫を楽しんだ観察会でした。

ヤマボウシ
登山道脇に沢山見られましたが、外輪山の山肌が白く染まる程咲いていました。白く見えるのは花弁ではなく、総苞片です。箱根を代表する樹です。
ヤマボウシ金時180614

シモツケ
分近点周辺で咲いていました。名前の由来は下野(しもつけ)の国(現在の栃木県)で(染料用に)栽培にしたことによる。
シモツケ金時180614

コアジサイ
頂上付近で咲いていました。装飾花を持たないアジサイはこの花だけです。ほのかな香りがします。装飾花がないので香りで虫を引きつけているのかも知れません。
コアジサイ金時180614

ヤマアジサイ
麓で咲いていました。湿気のある所を好むようです。葉は長楕円形~卵状楕円形名前の由来は山に生えるアジサイ。
ヤマアジサイ金時180615

ウツギ
ヤマボウシに負けじとこの花も咲いていました。 別名はウノハナ(卯の花)。名前の由来は、茎を折ると中が中空(空洞)になっていることによる。
ウツギ金時180614

アカショウマ
公時神社の周辺で咲いていました。名の由来は漢方薬になるショウマ(升麻)に似ていて、茎の下部や葉柄の基部が赤いことによる。
アカショウマ金時180614

コナスビ
登山道を外れた所でひっそり黄色い花を付けていました。名前の由来は果実がナスビに似ていることによる。
コナスビ金時180614

ナンキンナナカマド
頂上付近で実を付けていました。果実の色は何とも言えません。これから赤くなります。鳥の好物でヒヨドリ、ムクドリ等がよく食べます。
ナンキンナナナカマド金時180614

マユミ
長尾山周辺で沢山咲いていました。地味な色の花ですが、虫を結構引きつけます。名前の由来は、材質が強くて、ゆがみなく、良くしなえるので、弓の材料に使用されたことによる。和紙、印鑑、櫛の材料にもなっている。
マユミ金時180614

エゾハルゼミ
箱根では山地のブナ林などの落葉広葉樹林に生息しています。長尾山で休んでいると、曇り空から晴れに変わると一斉に鳴き始めました。「ミョーキン・ミョーキン・ケケケケ…」と特徴的な声です。
エゾハルゼミ金時

本日のトップ10
1.ヤマボウシ(花)
2.シモツケ(花)
3.コアジサイ(花)
4.ヤマジサイ(花)
5.アカショウマ(花)
6.ホトトギス(野鳥、囀り)
7.カッコウ(野鳥、囀り)
8.ツツドリ(野鳥、囀り)
9.アオバト(野鳥、囀り)
10.エゾハルゼミ(昆虫、鳴き声)

箱根PV 原田


湯坂路自然情報コース 2018年6月4日

 気持ちの良い晴れた日、8名の参加者と歩いた2日後に梅雨入りしました。5月は降水確率が高いため中止となり久しぶりの湯坂路で花には端境期ではと懸念しましたが、スゲの仲間やイネ科の植物が多く、もっとじっくり観察したいところでした。尾根道ではニガナの花が最盛期で、千条の滝へ下りではコアジサイが見ごろでよい香りがくぼみに漂っていました。姿を見せていたツチアケビは次回の楽しみです。

マユミ  ニシキギ科 ニシキギ属
 木肌は灰褐色をしていて葉は対生し柄があります。昨年の枝の根元の葉腋から集散花序の白緑色の花が付きます。秋の果実の頃も楽しみです。見事な花にしばし撮影タイムになり木によって花にやや違いがありました。
マユミ湯坂路180604

ニシキウツギ  スイカズラ科  タニウツギ属
 落葉低木。葉の先は尖り基部は広いクサビ形で柄があります。花の初めは薄い黄白色で後で紫紅色になります。名前はこの二色の色から付けられたようです。ハコネウツギは箱根では植栽されたものです。
ニシキウツギ湯坂路180604

コゴメウツギ  バラ科  コゴメウツギ属
 落葉低木で茎が細く枝分かれする。葉は互生し柄がある。米粒ほどの小さな花を散房状または円錐状につける。萼片や花は小さく5枚で雄蕊は10本。小米(砕けた小さな米)に見立たててつけられた名前。
コゴメウツギ湯坂路180604

ナガエコナスビ  サクラソウ科 オカトラノオ属
 葉は対生し卵形、花は黄色の多年草。茎や葉には軟毛はある。花柄が長いのでナガエコナスビという。箱根にはナガエコナスビが多い。
ナガエコナスビ湯坂路180604

ニガナ  キク科 ニガナ属
根生葉は不規則に避けていて茎は細い。茎につく葉は披針形で幅が広く茎を抱いています。茎や葉を切ると白い苦い腋が出る。葉は舌状花のみです。葉などをかむと苦いところから付けられた名前です。
ニガナ湯坂路180604

ハンショウズル  キンポウゲ科 センニンソウ属
 木本性のつる植物です。小葉に鋸歯のある1回3出複葉です。花は葉腋から長い花柄を出して下向きに紫褐色に一個つけます。花弁はなく萼片が花弁状に見えます。果実は白い羽状になります。つる性で花の形が半鐘に似ているところから付けられた名前です。
ハンショウヅル湯坂路180604

ナルコユリ  キジカクシ科 ナルコユリ属
 茎は丸く葉は被針形で中心部に白い帯が入っています。葉腋から2~3個垂れ下がって緑白色の筒状の花をつけます。果実は藍黒色に熟します。
ナルコユリ湯坂路180604

コアジサイ  アジサイ科 アジサイ属
 柄のある葉は対生。葉には鋸歯があり葉先は尖っています。装飾花のない両性花を多くつけます。花が白色のものや淡青紫色のものが見られます。アジサイの仲間ではコアジサイのみ芳香があります。
コアジサイ湯坂路180604

ヤマトウバナ  シソ科 トウバナ属
 湯坂路では千条の滝周辺で見られます。咲き始めたばかりででしたが今年も出会えてうれしい花でした。葉には柄があり粗い鋸歯があります。花は上部に付き上弁は2裂し下弁は3裂しています。
ヤマトウバナ湯坂路180604

ヤマボウシ  ミズキ科 サンシュウ属
 アケボノソウの様子を確認した足元に切られたヤマボウシの木がありました。伐られた落葉高木のこの花はまだ生き生きとしてまだこれから盛りを迎えるようですがその日を迎えることはないのかもしれません。花弁はなく白く見えるのは総苞で中心の丸いのが花の集まりです。これからの箱根はヤマボウシの花の盛りとなります。
ヤマボウシ湯坂路180604

今月のトップ 10
1、コアジサイ
2、ハンショウヅル
3、ウマノアシガタ
4、ニガナ
5、ナルコユリ
6、イワギボウシ (葉)
7、ジャコアゲハ (蝶)
8、マユミ
9、ヤマボウシ
10、コゴメウツギ

報告者 : 山本

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2018年6月8日

 関東地方は梅雨に入り、雨の降る日が続いていましたが、今日は中休みでしょうか朝から良い天気で、ビジター30名、PV9名で総勢39名の大所帯でした。ビジターの中に亡くなられた先輩PV教室の生徒さん14名が参加されました。その様なことで、今日は先輩PVの生徒さんの班とその他のビジターの2班に分けて観察会をスタートしました。本日のテーマは「6月初夏の花々」です。白い花が目立ちました。エゴノキ、ヤマボウシ、ハコネウツギ、バイカウツギ等です。その中でエゴノキは今までで見たことが無い沢山の花が咲いていました。ノアザミは紫色の花を誇らしげに咲いていました。黄色い花はウマノアシガタが目立ちました。紫色、黄色のも良いですが、今日は何と言っても白い花でした。

エゴノキ
こんなに沢山の花がVC周辺に咲いたのは今まで見たことがありません。どのような条件がそろえば沢山咲くのでしょうか。
花は白色で、長い柄の先に付き、下向きに咲くます。名前の由来は、果皮がえぐいから。美しい花には似つかわしくない名前です。
エゴノキVC180608

ヤマボウシ
白い花に見えますが、花びらに見えるのは総苞片で花ではありません。花は中央にある丸い部分で、多数が頭状に集っています。名前の由来は丸い花を法師(僧兵)の頭に、総苞片をその頭巾に見立てたことによります。
ヤマボウシVC180608

ハコネウツギ
ハコネと名前が付いているが箱根には自生している株は無いと言われている。海岸に多い。よく似ているニシキウツギは山地に多い。違いは花の根元の形が違っています。ニシキウツギは細く、ハコネウツギは太いです。
ハコネウツギVC180608

ノアザミ
白百合台園地付近でウマノアシガタと混ざって沢山咲いていました。黄色い花のウマノアシガタが紫色に咲いているノアザミを引き立て一段と綺麗に見えました。アザミの仲間で春(~初夏)に花を付けるのはこのノアザミだけです。総苞は丸くて、粘ります。
ノアザミVC180608

ヒコサンヒメシャラ
環境省の裏に咲いていました。 箱根にはよく似たヒメシャラ、ナツツバキが自生しますが、花の大きさがそれぞれ違います。花の大きさを2,4,6と言われているが、実際はもう少しそれぞれ大きいようです。
ヒコサンヒメシャラVC180608

サルナシ
「猿が好んで食べる梨っぽい果実」をつけるためにこの名が付いたとか。だが、その果実はは梨というよりむしろ、キウイフルーツのミニチュアで人気があります。可憐な白いも注目してほしいものです。
サルナシVC180608

ウマナノアシガタ
ノアザミが沢山咲いていた白百合台園地周辺で負けじと咲いていました。花びらは黄色くてテカテカしていて、花の形がカップの様なのでバターカップと呼ばれています。名前の由来は花の輪郭が馬わらじに似ていることによるが、葉が似ていると言う説もあります。
ウマノアシガタVC180608

ムクドリ
環境省の建屋の排気口に巣を作って子育てをしていました。1分程度間隔で親が餌を運んでいる姿が見られました。子育て中につき、そっとしておいて下さい。プレッシャーを与えると巣を放棄することがあります。
ムクドリVC180608

ジャコウアゲハの卵
オオバウマノスズクサの葉の裏にジャコウアゲハの卵がありました。幼虫になるとこの毒の葉を食べて毒を体内に蓄積します。天敵の鳥などに食べられないために化学防衛していると言われています。
ジャコウアゲハの卵VC180608

イチモンジチョウ
雨が続いた後の天気の良い日はチョウがよく飛びます。コミスジ、ダイミョウセセリなどがいましたが、イチモンジチョウは久しぶりでした。幼虫はニシキウツギ、スイカズラを食べます。箱根ではウウギ類の花の蜜を吸う姿がよく見られます。
イチモンジチョウVC180608

本日のトップ10
1.エゴノキ(花)
2.ヤマボウシ(花)
3.ハコネウツギ(花)
4.ノアザミ(花)
5.ヒコサンヒメシャラ(花)
6.サルナシ(花)
7.ムクドリ(野鳥、子育て)
8.ジャコウアゲハの卵(オオバウマノスズクサに産卵)
9.イチモンジチョウ(昆虫)
10.モリアオガエルの卵塊(両生類)

箱根PV 原田

FC2Ad