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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

金時山自然情報 2020年1月9日

 今年初めての金時山です。例年ですと霜柱や氷柱があるのですが、全くなく、春のような陽気です。そのためか花が咲いていました。タチツボスミレとキジムシロです。この時期に下界より寒さが厳しい金時山で咲いているとは何だか変です。植物は変ですが、空気は澄んでいいるようです。金時山の頂上からは富士山、南アルプが眺望できました。富士山、北岳、間ノ岳も見えて日本で標高の高い山のワンツースリーです。

富士山
乙女峠から見た富士山です。金時山では雲がかかっていませんでしたが、午後になると雲が出やすいのかも知れません。
富士山金時200109

南アルプス
金時山の頂上からです。左側で雪を被った尖った形の山が北岳でその左が間ノ岳です。右側で少し雪を被っり尖った形の山が甲斐駒岳です。
北岳金時200109

タチツボスミレ   スミレ科
この時期に咲いていました。最近暖かいためでしょうか。何だか変です。
タチツボスミレ金時200109

アカナバナヒメイワカガミ      イワウメ科
葉は秋には暗赤紫色に紅葉するようです。この時期に未だ紅葉していました。名前の由来は岩場に多く自生し、葉が鏡のように光沢があることを見立てたこととか。
イワカガミ金時200109

ツルリンドウ     リンドウ科
寒い冬でも葉が凍らないです。ロゼット葉で光合成を行い、しょ糖などの炭水化物が作られ、そのしょ糖を葉に蓄積し、更に茎にも運び蓄えることで凍結温度を下げてるようです。
ツルリンドウ1金時200109

リンドウ   リンドウ科
咲き終わって茶色く変色して枯れています。地下は生きているので、冬を越すようです。
リンドウ金時200109

ニシキウツギ     スイカズラ科
実は小さなバナナのように見えます。緑色から褐色に熟して枯れています。ウソ、ベニマシコ等の鳥の冬の食べ物になっています。
ニシキウツギ金時200109

ブナの冬芽      ブナ科
披針形で、先は鋭くとがっています。本年枝と2年枝の境にはっきりした輪状の芽鱗痕があるようです。この写真では分かりますか。
ブナ金時200109

オトコヨウゾメの冬芽  スイカズラ科
冬芽が枝先に1個と2個ついている場合があります。 1個の場合は頂芽で2個の場合は仮頂芽だそうです。
オトコヨウゾメ金時200109

イノシシの土耕跡
乙女峠の登山口にあるお地蔵さんの周りで耕していました。イノシシさん、お地蔵さんが泣いてますよ。輪廻六道を知ってますか。今度は地獄に落ちますよ。
イノシシ金時200109

本日のトップ10
①コカンスゲ            葉
②ミヤマカンスゲ         葉
③ノイバラ             葉
④ツルリンドウ          葉
⑤アカバナヒメイワカガミ    葉
⑥タチツボスミレ         花
⑦キジムシロ           花
⑧コボタンヅル          葉
⑨ウソ               野鳥、地鳴き
⑩イノシシの土耕跡

箱根PV 原田育生

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2020年1月10日

令和2年最初のミニ観察会、ビジターさん7名に参加いただき、パークボランティア10名、合計17名で開催しました。気温4℃快晴、少し寒いですがとても気持ちのよい観察会日和です。
本日のテーマは「冬芽」です。冬芽は春に再び芽吹き活動を開始するため、厳しい冬を乗り切る「命のカプセル」です。ビジターセンター周辺で見られるいろいろな冬芽を見つけましょう。

サンショウバラ バラ科
サンショウバラ5 VC200110
サンショウバラは両側の大きな扁平のトゲが目立ちます。子供が手を広げているようにも見えませんか。

オオバノキハダ ミカン科
オオバノキハダ VC200110
オオバノキハダの冬芽は半球形なのでとても見つけやすいです。葉痕と真ん中の側芽はピエロの顔に見えます。

リョウブ リョウブ科
リョウブ VC200110
リョウブは冬芽と果実の殻の両方をつけていました。芽鱗が剥がれかけた冬芽は陣笠のようにも見えます。陣笠は落ちやすく裸芽になっている冬芽も沢山ありました。

ゴンズイ ミツバウツギ科
ゴンズイ VC200110
ゴンズイの冬芽は、枝先に2個の太い水滴形の仮頂芽がついています。途中の枝に1個の側芽がついている冬芽もあります。赤く黒い枝はとても目立っていました。

ガクアジサイ アジサイ科
ガクアジサイ VC200110
アジサイの頂芽は裸芽で幼い葉がむき出し葉脈が見えます。葉痕はヒツジ顔にも見えます。途中の枝には側芽が付いていて薄い芽鱗があります。冬芽は冠を被った王様か法王のように見えませんか。

ミズキ ミズキ科
ミズキ1 VC200110
ミズキの冬芽は、長卵形または楕円形で、芽鱗は5~6枚です。冬芽は鮮やかな赤で光沢があります。
ミズキは、地方によっては正月行事の飾りに使ったり、枝にお餅をつけて、どんど焼きの時にお餅を焼く風習があるそうです。

ミズキの幹からの枝は放射状に広がり、横枝はシカの角状に分岐します。
ミズキ22VC200110

オオバヤシャブシ カバノキ科
オオバヤシャブシ VC200110
子供の広場では、オオバヤシャブシが沢山の雄花序、雌花序を付けています。枝の先から葉芽、雌花序または葉芽、雄花序の順に並びます。前年の果穂も茶色く木質化して残っています。

クロモジ クスノキ科
クロモジ VC200110
クロモジの冬芽もビジターセンター周辺のあちらこちらで見ることができました。

本日のトップ10
1.  サンショウバラ  冬芽
2.  オオバノキハダ  冬芽
3.  オオバヤシャブシ  冬芽
4.  リョウブ  冬芽
5.  ゴンズイ  冬芽
6.  ガクアジサイ  冬芽
7.  トチノキ  冬芽
8.  ミズキ  冬芽
9.  アセビ  花
10. ジョウビタキ  野鳥

箱根PV  高橋




【仙石原】2020年01月11日(土)

 パークボランティア5人での観察です。

 曇り空の中、新年初めての生情報が実施できました。

 もうハハコグサやタチツボスミレが咲いていました。

 温湯(ぬくゆ)の水温は18度、外気温は4度でした。





▼ツルリンドウ
ツルリンドウ





▼タチツボスミレ
タチツボスミレ





▼コブシ
コブシ





▼アカミヤドリギ
アカミヤドリギ



<参考>
本日の観察ベスト 10

1 ツルマサキ / 実
2 アカミヤドリギ / 実
3 コブシ / つぼみ
4 タチツボスミレ / 花
5 ツルリンドウ / 実
6 ミツマタ / つぼみ
7 キジ / すがた
8 ウソ / すがた
9 ウスタビガ / 繭(抜け殻)
10 - / -



箱根PV 仙石原担当 T.K


 

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年12月27日

天気予報は晴れの予定でしたが曇り空のやや肌寒い冬の箱根です。ビジターさん5名(内初めて参加の方3名)、パークボランティア9名、環境省職員1名、合計15名のミニ観察会を開催しました。本日のテーマは「冬の葉っぱの作戦」です。
冬の箱根は多くの木が葉を落としています。その中で冬でも緑色の葉をつけている常緑樹が目立ちます。葉を落として越冬する落葉樹とは違い、葉をつけたまま冬を越す常緑樹には違う作戦があります。緑の葉っぱの作戦を観察します。

ヤブツバキ ツバキ科 ツバキ属
ヤブツバキ1 VC191227
ヤブツバキ等常緑樹の葉の多くは、厚めで光沢があります。これは蝋などのような物質でできた厚いクチクラ層によるものです。クチクラ層は植物体内部からの水分の蒸発を防いだり、葉の内部を保護する等の役割があります。髪の毛の表面を覆っている薄い細胞の層を指すキューティクルは、クチクラ(ラテン語)の英語読みです。

アセビ ツツジ科 アセビ属
アセビ1 VC191227
アセビの葉は、細い倒卵形の明るい緑色で、厚めで光沢があります。葉は枝先に集まって放射状につきます。幹はねじれながら曲がりくねって、全部の葉に日があたるようになっています。

アセビは、こんもりとした樹形です。もう来年の紅い蕾がついていました。
アセビ2 VC191227

キヅタ ウコギ科 キヅタ属
キヅタ1 VC191227
キヅタは常緑つる性植物で、気根を出して樹木や岩をよじ登ります。葉は濃緑色で光沢があります。

これはキヅタの果実のように見えますが、キヅタツボミフクレフシという虫えい(虫こぶ)です。中にはタマバエの幼虫が入っています。自然の不思議な生態と生命力を感じます。
キヅタツボフクレフシ VC191227

シキミ シキミ科 シキミ属
シキミ VC191227
葉の形はアセビに似ています。葉を破ってみると芳香がします。葉の中に油点があり、その中から香り成分が出てきます。シキミはビジターセンター周辺で見られる最強の有毒植物です。株全体が有毒で、特に果実は猛毒です。

ヒノキ ヒノキ科 ヒノキ属
ヒノキ VC191227
ヒノキも常緑樹です。積雪多く環境が厳しい高緯度の地方に多く、競争相手が少ないのでより日光が当たりやすく丈夫な葉の形になっているとも考えられています。葉は鱗片葉で、葉裏の白い模様の部分は気孔の集まりでY字形に見えます。

アオキ ミズキ科 アオキ属
アオキ VC191227
ヒヨドリが食べたのでしょうか、果実に食痕が多くありました。この他、茎にはシカの食痕も数多くありました。

本日のトップ10
1.  アセビ  葉、蕾
2.  ヤブツバキ  葉
3.  シキミ  葉、蕾
4.  イヌツゲ  葉
5.  ヒノキ  葉、果実、蕾
6.  アオキ  葉、果実
7.  キヅタ  葉、果実
8.  アカガシ  葉
9.  ツグミ  野鳥
10. キヅタツボミフクレフシ 虫えい(虫こぶ) 

箱根PV  高橋

金時山自然情報 2019年12月12日

今日は12月12日、1212で金時山の標高と同じです。標高は以前1213Mでしたが、国土地理院の見直しにより、1212Mになりました。例年12月13日に金時山祭りが頂上で行われています。標高が変わっても今まで通りに12月12日ではなく12月13日に行われているようです。登り初めの時はよい天気でしたが、しばらくして風が強くて曇ってきました。下山されている方に聞くと「富士山は見えなかった」とのこと。予報ではよい天気なのに、残念に思いながら頂上に着くと何と富士山がよく見えました。雪を抱いた初冬の富士山は空の青さと雪の白さの微妙なコントラストを醸し出していました。

初冬の富士山
金時山から乙女峠の稜線から見えた富士山です。
富士山金時191212

オトメアオイ     (ウマノスズクサ科)
乙女峠からの下りで見ました。それもそのはず、発見地は乙女峠です。地際で柿のへたのような花が咲きます。
オトメアオイ金時191212

メギ       (メギ科)
乙女峠で見ました。洗眼薬にしたところからメギ(目木)。刺が多いので別名、コトリトマラズ。鳥は好んでは食べないが、他に食べ物がない時期はツグミ、ヒヨドリ、ムクドリなどが実を食べる。好んで食べないのは、枝に棘があり美味しくないからでしょうか。
メギ1金時191212

クサボタン    (キンポウゲ科)
分岐点で見ました。種の綿毛は、初めは輝く糸のような毛をつけているが、だんだん鳥の羽のようになり最後はフワフワの綿毛のようになる様です。風によって遠くに種を運んでもらう工夫でしょうか。
クサボタン金時191212

ツルウメモドキ     (ニシキギ科)
乙女峠で見ました。鳥が食べたのでしょうか、実はわずかに付いていました。橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出した状態は黄色とのコントラストが美しいです。
ツルウメモドキ金時191212

ツルシキミ    (ミカン科)
悪しき実の意味のアがとれて「シキミ」という名が付いた様です。実は赤色で美味しそうだが有毒で食べると激しい痙攣を起こします。シカは有毒と知っているようで食べない様です。
ツルシキミ金時191212

アセビ    (ツツジ科)
金時山から乙女峠の鞍部で見ました。小豆色の新芽は何ともいえない良い色です。馬が食べると苦しむようで、馬酔木の名があります。有毒植物であるが、その葉を煎じ殺虫剤に用いた様です。
アセビ金時191212

ブナ     (ブナ科)
金時山から乙女峠までの稜線に沢山あります。枝に付いた茶色の丸まった枯れ葉は厳冬になれば落ちるのでしょうか。
ブナ金時191212

リョウブ (リョウブ科)
金時山から乙女峠までの稜線に沢山あります。樹皮に成長するごとに禿げるようです。この斑模様はシカの子の斑に似ています。
リョウブ金時191212

ヒメノキシノブ    (ウラボシ科)
木に沢山付着した姿は人間の髭のように見えます。全体に細長い単葉で、一般のシダの葉とは大きく異なり、ソーラス(胞子嚢群)は葉裏の上半分につきます。名の由来は、古い民家などの軒下にも、繁殖するという意味から、ノキシノブで小さいのでヒメノキシノブ。樹の上や岩の上にも着生(ちゃくせい)します。
ヒメノキシノブ金時191212

本日のトップ10
①初冬の富士山
②オトメアオイ
③メギ
④クサボタン
⑤ツルウメモドキ
⑥ツルシキミ
⑦アセビ
⑧ヤドリギ
⑨ミサゴ(野鳥)
⑩コゲラ(野鳥)

箱根PV  原田育生