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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年2月22日

例年なら2月は雪が降り、薄化粧の中での観察会なのですが、今年は雪もなく、途中から暑いぐらいの日差しとなりました。ビジターさん6名、パークボランティア15名、合計21名のミニ観察会でした。
本日のテーマは「VC周辺のアトリ科鳥たち」です。アトリ科の鳥は、冬鳥が多く、そろそろ旅立ちの時を迎えようとしています。

花の広場にイノシシの糞がありました。糞の表面には実の殻らしきものが付いており、中には土や根っこなどが混じっていました。
イノシシ糞 VC190222

オニシバリ ジンチョウゲ科 ジンチョウゲ属
箱根に春を告げる花、オニシバリの雄花が開花していました。ほぼ平年並みの開花時期です。すぐ側にある雌花はまだ蕾でした。
オニシバリ VC190222

フキ キク科 フキ属
こちらも春を告げるフキ(フキノトウ)が顔を出していました。花茎を包んでいた葉(苞)が開き始めています。春はそこまで来ています。
フキノトウ VC190222

イカル アトリ科
芦ノ湖キャンプ村にはイカルが群れで来ていました。大きな黄色いくちばしが目立ちます。この季節は周りの木の枝が落ちて良く見えます。
イカル6 VC190222

ツグミもイカルと一緒並んで留まっていました。
イカルとツグミ VC190222

ツグミ ツグミ科
芦ノ湖キャンプ村にはツグミが土に降りてきて何かをついばんでいます。
ツグミ VC190222

キャンプ村の木の枝に大きな鳥の巣があります。カラスの巣と思われますが、外観でははっきり断定できません。
カラスの巣 VC190222

白百合台にはヤドリギの実がまだ残っていました。甘くて粘り気のあるこの実はレンジャク類の大好物です。
ヤドリギ VC190222

キヅタの実のように見えますが、これはキヅタツボミフクレフシという虫えい(虫こぶ)です。中にはタマバエの幼虫が入っています。自然の不思議な生態と生命力を感じます。
キヅタツボフクレフシ VC190222

本日観察できたアトリ科の鳥はイカルだけでしたが、その他、ムクドリ、シロハラ、カシラダカ、シジュウカラなど多くの鳥の姿が観察できました。

本日のトップ10
1.  イカル
2.  ツグミ
3.  キンクロハジロ
4.  ムクドリ
5.  オニシバリ 花
6.  ヒイラギナンテン  花
7.  ヤドリギ  実
8.  フキ 蕾(フキノトウ)
9.  キヅタツボミフクレフシ  虫えい
10. アオキミフクレフシ  虫えい

箱根PV 高橋

金時山自然情報 2019年2月14日

 落葉広葉樹はすっかり葉を落とし、公時神社から見る金時山は全体がよく見えます。その中で常緑広葉樹のイヌツゲ、アセビは今が盛りと誇らしげに見えました。公時神社周辺ではアオキ、カンスゲ、ミヤマカンスゲ、クマザサが目立ちました。アオキ、クマザサはシカが食べた痕がはっきり分かります。最近はアオキの食痕が増え、またクマザサも食べている様です。クマザサは地上からシカが食べられる高さの葉までが食べ尽くされ、境目は線を引いたように見えました。
 登りはじめは雪がぱらつく程度でしたが頂上に近くになると激しく降ってきました。頂上でカヤクグリが出て来て、寒さで凍える我々を癒やしてくれました。フレンドリーで我々に近づいてきました。どうも餌をねだっているようです。小屋の残飯、登山者が落とした食べ物で餌のない冬場をしのいでいるのかも知れません。

新しくなった標識
標識が新しくなっていました。柱が地面と接する部分には銅が巻いてありました。また、金時山にはトイレがあることが表示されていました。
標識金時190214ブ

分岐点で見えた大涌谷方面
曇りでガスがかかって芦ノ湖が見えませんでした。
芦ノ湖方面金時190214ブ

薄く積雪した登山道
登りはじめは時々粉雪が舞っていましたが、頂上では雪が激しく降ってきました。
雪の登山道金時190214ブ

イヌツゲ
落葉樹は葉を落としているので常緑樹のイヌツゲは目立ちます。
イヌツゲ金時190214ブ

イワカガミの葉
葉は地面にはって、寒さから身を守っているように見えます。
イワカガミ金時190214ブ

キッコウハグマの葉
落ち葉の布団で寒さをしのいでいるように見えます。
キッコウハグマ金時190214ブ

シロヤシオ
冬芽もありましたが、果実も残っていました。
シロヤシオ金時190214ブ

カヤクグリ
頂上で出会いました。人に対しての警戒感がなくフレンドリーで近づいて来ました。小屋の残飯、登山者が落とした食べ物を食べているのでしょうか。
カヤクグリ金時190214ブ

シカの食痕
アオキをよく食べますが、ササも食べます。地上からシカが食べられる高さの葉が食べ尽くされていました。境目は線を引いたように見えるのでディアラインと言います。
ディアライン金時190214ブ

本日のトップ10
1.薄く積雪した登山道
2. ツルシキミ
3. ヤドリギ
4. ミツマタ
5. シロヤシオ
6. イヌツゲ
7. キッコウハグマ
8. カヤクグリ
9. エナガ
10. シカの食痕

箱根PV 原田



【仙石原】2019年02月09日(土)→中止

 2019年02月09日(土)の仙石原コースの自然情報観察は、降雪予報により、事前中止となりました。

 なお、次回は、通常の第2土曜日ではなく、2019年03月10日(日)の実施です。

 
<関連情報>
 ・仙石原コースの記事一覧
 ・仙石原コースのご案内(箱根ビジターセンターのWebサイトに別ウィンドウでリンクします)


箱根PV 仙石原担当 M.S

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年2月8日

暖冬とはいえ、まだまだ寒い2月の箱根です。ビジターさん7名、パークボランティア12名、合計19名のミニ観察会です。本日のテーマは「箱根のクマ(ツキノワグマ)」です。観察会の前に30分ほど、箱根でも生息が確認された、ツキノワグマについて学びました。

2017年6月に1頭のツキノワグマの姿が自動撮影カメラに映り、生息が確認されました。
ツキノワグマは、神奈川県レッドデータブック(2006)では「絶滅危惧種」とされています。なぜツキノワグマは箱根に戻ってきたのか、今後ツキノワグマをはじめ野生動物と共存していくために私達にできることは何か、一緒に考えていきたいと思います。

箱根のクマについて勉強した後は、春の兆しを見つけながら、動物たちのサインも探しながら観察会に出かけました。
最初に「箱根のクマ」といえばビジターセンターから見える冠ケ岳です。振り返っているクマに見えますか。
箱根のクマ VC190208

この季節、ビジターセンター玄関前のガマズミの実がまだ残っています。この実を食べに、ツグミ、シロハラ、ジョウビタキなどがやってきます。
ガマズミ VC190208

子どもの広場近くのカマツカの木にウスタビガの繭がぶら下がっていました。ウスタビガは、晩秋に羽化しますので、この繭には蛹の抜け殻が入っています。
ウスタビガの繭 VC190208

野鳥の森観察小屋からキツツキの仲間が掘った穴が見えました。まだ掘ったばかりです。アカゲラの仕事でしょうか。
キツツキの穴 VC190208

野鳥小屋の池にはヤマアカガエルの卵塊が2個ありました。昨日までなかったので、今朝産卵をしたようです。ヤマアカガエルは寒いうちに冬眠から起きて卵を産みます。ライバルがいない春一番に卵を産んでまた冬眠に戻ります。
ヤマアカガエル卵塊 (1)

ここにはシカの角研ぎ跡がありました。オスの角は毎年生え替ります。角を研いでメスにアピールします。
シカの角研ぎ跡 VC190208

この付近は下草がすっかりなくなり、またアオキも食べられてほとんど先がなくなっていました。シカの糞もたくさん見つかりました。
シカの食痕(アオキ)
シカの食痕 VC190208

シカの糞
シカの糞 VC190208

タマアジサイのドライフラワーです。茎が節から折れてすべて下を向いています。果実を振ると細かい種子がたくさん出て来ます。
タマアジサイ VC190208

アオキの実が美しくついています。よく見ると、ここでもシカに食べられた痕があります。
アオキ VC190208

動物達のサインを中心に、野生動物達と箱根の豊かな自然の共存を考える機会となる観察会でした。

本日のトップ10
1.  ヤマアカガエルの卵塊
2.  シカの食痕
3.  動物の糞 (シカ、キツネ、テン)
4.  コゲラ  鳴き声、姿
5.  タマアジサイ  ドライフラワー
6.  アオキ  実
7.  アセビ  蕾
8.  シジュウカラ さえずり
9.  オニシバリ  蕾
10. ウスタビガの繭

箱根PV  高橋

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年1月25日

ビジターセンターから見える冠ケ岳の斜面がうっすらと白くなっていました。観察会開始時には雪もチラついてきて寒い一日です。ビジターさん6名、パークボランティア12名に、VC職員2名、環境省事務所1名が参加され、合計21名のミニ観察会です。

本日のテーマは「植物の自己防衛 そのⅠ 刺・毒」です。植物は一度根を下ろしたらそこから動くことはできません。植物は、その子孫を残すために、動物(消費者)に食べられないよう必死に抵抗(自己防衛)します。その一例として刺(物理的防衛)をもつ植物と、毒(化学的防衛)を持つ植物を取り上げました。

タラノキ ウコギ科 タラノキ属
タラノキは、刺があちらこちらにランダムに出ます。植物の刺は、一般的には動物からの攻撃から身を守る役割を持っていると考えられています。コウモリ以外の哺乳類がいないニューカレドニアでは、刺をもつ植物が極めて少ないという事例が、その状況証拠とも言えます。
タラノキ1 VC190125

イヌザンショウ ミカン科 サンショウ属
イヌザンショウの刺は若い枝では互生状につくといわれていますが、成長して太くなると刺のまわりがふくらんで丸いイボ状の突起になります。刺のないイボ状突起もあります。イヌザンショウはあまり大きくならず、直径10cm程度の成木ではイボ状突起の真ん中にまだ刺が残っていて、食べられるのを防いでいるように見えます。カラスザンショウと比べてみてください。
イヌザンショウ VC190125

カラスザンショウ ミカン科 サンショウ属
カラスザンショウの刺は幼木の時から不規則につきます。成長につれてイヌザンショウと同様に刺のまわりがイボ状突起になりますが、大木になり、観察した木のように直径50cmにもなるとイボ状突起は横長になります。刺も次第にイボ状突起に飲み込まれて行きます。この状態の刺ではもはや食べられるのを防ぐ役には立ちそうもありません。背が高くて見えませんが、枝の先端あたりの刺は機能していると思われます。
カラスザンショウ1 VC190125

メギ メギ科 メギ属
メギは、別名コトリトマラズ(小鳥とまらず)、ヨロイドオシ(鎧を通す)と言われ、各節から自己防衛のための長い鋭い刺が出ています。枝には長枝と短枝があり、長枝から3本ずつ刺が出ますが、そのうち1本は葉が変化して刺に変化したものです。残り2本は托葉が変化したものですが、そのうちに落ちてしまいます。短枝には花が咲いて実が付きます。
メギ VC190125

サルトリイバラ サルトリイバラ科 サルトリイバラ属
サルトリイバラは、サルをも捕らえてしまうほどの強固な刺で身を守ります。さらに刺には周囲のものに寄りかかって茎を支え、自立することなく高く伸びて、効率よく日光の当たる場所にまで到達するという機能もあります。赤い実は美味しく見えますが、哺乳類の大部分は赤い色を識別できません。唯一赤い色を識別出来るのはサルの仲間(人間を含む)といわれています。
サルトリイバラ VC190125

オニシバリ ジンチョウゲ科 ジンチョウゲ属
2月に開花して、箱根に春を告げるオニシバリですが、株全体に毒があります。夏にはよく目立つ真赤な果実を付けます。別名ナツボウズ、夏になると葉を落とし、秋になってから新芽が出て来ます。背の低い木なので、他の樹木の葉が落ちて光が当たるようになったら、葉を付けて光合成をする。冬を利用して生きています。これも子孫を残すための一つの自己防衛です。
オニシバリ VC190125

アセビ ツツジ科 アセビ属
箱根山中に多く自生し、春には白やピンクの小さい壺型の花をいっぱいつけるアセビにも株全体に毒があります。アセビの周りに他の植物はあまり生えてません。これはアレロパシー (他感作用)といって、他の植物に対して強力な成長阻害作用を持つ物質を分泌して、他植物の発芽や成長を抑えているからです。これも化学的防衛のひとつです。
アセビ VC190125

シキミ シキミ科 シキミ属
ビジターセンター周辺で今観られる最強の有毒植物がシキミです。株全体が有毒で、特に果実は猛毒です。
ビジターセンター周辺で見かける最強の有毒植物はヤマトリカブトです。ドクウツギ、ドクゼリ、トリカブト類は3大毒植物と言われています。
シキミ VC190125

本日のトップ10
1.  タラノキ  刺
2.  メギ  刺
3.  サルトリイバラ  刺
4.  シキミ  果実
5.  カラスザンショウ  刺
6.  アセビ  つぼみ、花
7.  アトリ  野鳥
8.  イカル  野鳥
9.  ウソ  野鳥
10. カシラダカ  野鳥

箱根PV 高橋

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