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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺)2018年10月26日

気温13℃薄曇りで少々肌寒い中、ビジター11名、パークボランティア13名でミニ観察会をスタートしました。観察テーマは、昨年12月に実施した「タネの不思議Ⅰ」の続編「タネの不思議Ⅱ」です。今日は動物や人にくっつき、ヒッチハイクする「ひっつきむし」といわれる付着散布の種子や花の広場で見られる植物の果実や種子の不思議さを観察しました。

チカラシバ(イネ科)の小穂
チカラシバの小穂
チカラシバの小穂を観察しました。小穂の柄の部分には、細かい逆さトゲが多数あり、総苞毛(総苞片が変化した長い剛毛)にも微細なトゲがあり、付着散布の仕掛けが観察できました。

チカラシバの小穂-2
ためしにチカラシバの花序にセーターを触れてみました。小穂はセーターにひっつき、後もどりすることなく縫い目に潜りこみ、外れなくなりました。本当に「ひっつきむし」になってしまいました。

オオバコ(オオバコ科)の果実
オオバコの種子
今度はオオバコの果実を観察しました。オオバコの果実は熟すと中央部で横に割れる蓋果で、上半部は円錐状でややとがり、この部分が踏まれたり刺激を受けたりすると蓋のように外れ、中から6~8個の種子がこぼれます。

オオバコの種子-2
種子の付着散布の仕組みは、種子が多糖類のコートをまとい、濡れるとゼリー状に膨潤して、靴やタイヤにくっつき、あちこちに運ばれていきます。本当にそうなるのか種子を水で濡らしてみました。やはりゼリー状の物質で種子が覆われてくっつき、はがれないことがわかりました。

センニンソウ(キンポウゲ科)の果実
センニンソウの果実
センニンソウの種子は風散布です。くるくる渦巻く羽飾りを頭に戴いた果実はそう果で、ふわりと風に乗って散布されます。この羽毛状の毛は、雌しべの花柱に由来したもので、そう果が熟して乾くと空気を含んでふわふわになります。

オオバノキハダ(ミカン科)の果実
オオバノキハダの果実
オオバノキハダの果実は1㎝ほどの球形の核果で、熟すと黒色になります。ミカン科特有の強い芳香があり、ヒヨドリ、ツグミ、イカル、アカハラなどの野鳥により被食散布されます。鳥類の被食は、発芽または種子の後熟を抑制する果肉を取り除き,発芽しやすくする働きがあると言われています。

ノブドウ(ブドウ科)の果実
ノブドウの果実-1
ノブドウの種子も被食散布されます。しかし色とりどりの果実は、どれが熟しているのかわかりづらいので調べてみることにしました。ある文献では、「果肉や種子の状態から、濃い青や紫の果実は未熟で白い実が熟果であるようだ。」とも記載されていました。

ノブドウの果実
ノブドウの果実には、ノブドウミタマバエが寄生して、虫えいを形成するため、大きく膨らんだ果実のような虫えいが見られます。しかし、この株ではそのような果実がほとんどありませんでした。念のために、白い果実を確認してみると、やはり果実も種子も正常に成長しているようでした。時期が関係しているのでしょうか。

テントウムシ(テントウムシ科)の蛹
テントウムシの蛹
カマツカの果実の観察中に、葉の上で休息するナナホシテントウと思われる蛹を複数個見つけました。ナナホシテントウであれば年2化性であるため、これらの蛹は第二世代の成虫となり、寒い冬を休眠せずに越冬するはずです。

エゴシギゾウムシ(ゾウムシ科)の脱出孔
種子食昆虫エゴヒゲナガゾウムシ(ウシヅラヒゲナガゾウムシ)の脱出孔
エゴノキの果実の観察中に、直径1㎜位の孔が空いた種子を見つけました。孔が空いた種子の中を調べると、中にいた生物はすでに脱出していたので、この孔はエゴシギゾウムシの脱出孔であると判断しました。エゴシギゾウムシの成虫は、エゴの種子に産卵し、幼虫はその中身を食べて成長します。

トップ10
1.オオバコ(果実)
2.オオバノキハダ(果実)
3.カマツカ(果実)
4.センニンソウ(果実)
5.チカラシバ(小穂)
6.ノブドウ(果実)
7.カケス(野鳥)
8.テントウムシ(蛹)
9.エゴシギゾウムシの脱出孔
10.アオダイショウの脱皮殻

箱根PV 小川(治)・谷上



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