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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺)2018年9月28日

秋晴れで観察会日和、ビジター8名、パークボランティア13名でミニ観察会をスタートしました。観察テーマは、「秋の木の実の観察」です。種子あるいは果実には、広く散布するために様々な構造や仕組みがありますが、今回は主に動物に食べられて散布される種子を持つ果実を観察しました。

ミツバアケビ(アケビ科)
ミツバアケビの紫色の果実
秋に熟し始めた果実は、紫色の果皮が縦に裂けて果肉が見えてきます。種子は甘い滑らかな果肉に包まれており、果肉は動物たちのご馳走になり、種子はその動物たちに途中まで運んでもらいます。

ミツバアケビの種子
ミツバアケビの種子(エライオソーム)
途中まで運ばれた種子は、その後にどのようになるのか、果肉を取り除いた種子を観察しました。黒い種子の右上側の白い部分がエライオソームといい、アリの幼虫の餌になるためアリが運んでいきます。残った種子は巣の周辺に捨てられそこから発芽します。

クサギ(クマツヅラ科)
クサギの花と果実
秋になると厚みがある萼が赤い星形に開き、濃藍色の果実がブローチのように輝くようになります。クサギは赤と藍の二色効果で野鳥の目を引いて、種子を運んでもらいます。

エゴノキ(エゴノキ科)
エゴノキの果実
秋になると果皮は乾いてすっぽり脱げ、硬い種子がむき出しになりヤマガラを誘います。ヤマガラは種子を食べる一方、運んで土に埋めて蓄えますが、食べ残した種子が発芽します。

エゴノキの果実の効果
エゴサポニンの実験
若い果実の果皮はエゴサポニンを含むので、昔の農山村では石鹸の代用としたそうです。石鹸のように泡立つのか試してみました。小瓶に水と傷をつけた果実を3つ入れ振り混ぜると! 本当に泡立ちました。エゴサポニンには界面活性作用があることがわかりました。

サルナシ(マタタビ科)
サルナシ
果実は、哺乳類の発達した嗅覚を刺激する芳香を持ち、果実摂食による種子散布を狙っています。果実はキウイに似て美味ですが、果肉中のタンパク質分解酵素が食べる量を制限させ、種子の分散に役立っているそうです。

ミズキ(ミズキ科)
ミズキの果実
ミズキは、赤い珊瑚のような目立つ枝と黒く熟した果実で多くの野鳥たちを誘います。幹から階段状に出て水平に広がる枝の先に上向きにつく無数の果実は、野鳥たちには、きっとご馳走がならんだテーブルのように見えるのでしょう。

アキアカネ(トンボ科)
シオカラトンボ(雌)
ミズキの果実の観察が終わり一息つくと、ミズキの枝にまだ赤く色づかない未成熟のアキアカネの雌がやってきました。久しぶりの晴天の秋空の中で昆虫たちに出会うと、なんとはなくホットした気分になります。

キンケハラナガツチバチ(ツチバチ科)
キンケハラナガツチバチ
全身に黄色い毛が生えて、腹部が長いツチバチなのでキンケハラナガツチバチといいます。タイアザミに雄の姿を見つけました。口吻が短いのか頭状花序に頭部を押し付け、懸命に食事をしている姿が面白く、時間が経つのを忘れそうでした。

コアカソミトゲフシ(虫えい)
コアカソミトゲフシ
アカソの仲間にタマバエが形成した虫えいを見つけました。この虫えいは9月上旬には成熟し、虫えい内にはタマバエの3齢幼虫が存在します。これから虫えいは茎から離れ、地面に落下をして冬を迎えます。

トップ10
1.エゴノキ(果実)
2.クサギ(果実/花)
3.ミズキ(果実)
4.ミツバアケビ(果実)
5.ヤマボウシ(果実)
6.キントキヒゴタイ(花)
7.ホトトギス(花)
8.カケス(野鳥)
9.アキアカネ(昆虫)
10.コアカソミトゲフシ(虫えい)

箱根PV 小川(治)


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