FC2ブログ

箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ビジターセンター周辺自然情報 2021年5月28日

昨日から降り続いた激しい雨も朝には止み、気温19℃、絶好の観察日和です。ビジターセンター周辺は初夏の花に変わりつつあります。本日はパークボランティア6名が参加して、自然学習路~野鳥の森~白百合台園地を歩き、咲き始めた花や、出始めた昆虫などを観察しました。

ホオノキ モクレン科 モクレン属
ホオノキ雄性期2日目 VC20210528
ホオノキ開花2日目

ホオノキが咲きはじめました。ホオノキは1つの花に雄しべと雌しべがある両性花で、自らの花粉によって受精しないような工夫をしています。
開花1日目には、雌しべが熟し反りかえり花粉を受け入れます。その様子は花弁が大きく開いていないので下からは見ることができませんでした。開花2日目には、めしべが閉じ、雄しべが開き花粉を放出します。3日目には雄しべが散り始めます。花の命は短く数日で茶色く変色してしまいます。

ホオノキ雄性期3日目 VC20210528
ホオノキ開花3日目

シロジュウシホシテントウ テントウムシ科
シロジュウシホシテントウVC20210528
シロジュウシホシテントウがどこからか現れました。黄褐色地に白色の紋があります。大きさは5mm前後でしょうか。可愛らしい姿に見入ってしまいます。

エゴツルクビオトシブミ オトシブミ科
エゴツルクビオトシブミ VC20210528
自然学習路のエゴノキの葉では、エゴツルクビオトシブミが作った揺籃が数多く観察できます。エゴノキの葉に静かに近づいて目を凝らすと、揺籃作成中のエゴツルクビオトシブミを見つけることができます。

ニシキウツギ スイカズラ科 タニウツギ属
ニシキウツギ VC20210528
ビジターセンター周辺の多くの場所でニシキウツギが咲き始めました。花の初めは、薄い黄白色で、やがて紫紅色になります。ニシキウツギもビジターセンター周辺の初夏を彩る花の一つです。

マメザクラ バラ科 サクラ属
マメザクラ果実 VC20210528
マメザクラの果実が食べ頃になり、光り輝いていました。花が小さい割には果実は大きく、黒紫色に熟します。鳥たちのご馳走になるでしょう。

サンショウバラ バラ科 バラ属
サンショウバラとアオハムシダマシ VC20210528
この季節、箱根で最も見たい花のひとつがサンショウバラです。あいにく昨日の暴風雨で、かなり花が落ちていました。サンショウバラの花には、アオハムシダマシやハナバチの仲間がひっきりなしにやってきます。今日も、残った大きな花にアオハムシダマシが来て蜜を吸っていました。アオハムシダマシは青、緑、赤、紫などに輝く虫で、国内で最も美しい甲虫のひとつと言われています。

オオバウマノスズクサ ウマノスズクサ科 ウマノスズクサ属
ジャコウアゲハの卵 VC20210528
ジャコウアゲハがオオバウマノスズクサの葉裏に卵を産み付けていました。卵は孵化して幼虫になり、幼虫は成長する過程でこの毒の葉を食べて、毒を体内に蓄積します。天敵の鳥などに食べられないために化学防衛していると言われています。

ハンショウヅル キンポウゲ科 センニンソウ属
ハンショウヅル VC20210528
ハンショウヅルが満開になっていました。花は葉腋から長い花柄を出して下向きに紫褐色に一個つけます。花弁はなく、萼片が花弁状に見えます。名前は、下向きに咲く花の形を半鐘にたとえたことに由来しています。時々半鐘の中に潜ったハナバチの仲間の姿を見かけることがあります。

ツマキチョウ シロチョウ科
ツマキチョウ♀VC20210528
ツマキチョウが食草のイヌガラシに飛来し、花のすぐ下のところに腹の先をつけて、卵を産み付けていました。ツマキチョウはこの時期毎年のように観察しますが、産卵を見たのは初めてです。年1回、3月~5月に成虫が出現する「スプリング・エフェメラル (春のはかない命)」の蝶の一つです。

タンポポハフクレフシ 虫えい
タンポポハフクレフシ (1) VC20210528
タンポポの葉に、紫色で少し膨らんだような丸い模様ができていました。これはタマバエの1種により、タンポポの葉に形成された虫えいで、タンポポハフクレフシといいます。

葉裏を拡大鏡でよく見ると、幼虫室の底部は半透明の薄い表皮でできているため、その中にいる幼虫が透けて見えます。成熟した3齢幼虫は、まもなく葉裏の幼虫室の底部に脱出孔を開け、脱出して地面に潜ります。
タンポポハフクレフシ (2) VC20210528

ニガナ キク科 ニガナ属
ニガナ VC20210528
ビジターセンター周辺には、コウゾリナ、ニガナ、イワニガナなどの、たくさんの黄色い花が咲いています。日本の野生種の花のうち、黄色い花は約30%を占めるそうです。黄色は昆虫から見れば目立つ色です。そのため、受粉を昆虫に依存する植物は、昆虫が来てくれる確率の高い黄色の花を咲かせるよう進化してきたと考えられます。

本日のトップ10
1.  ホオノキ  開花
2.  サンショウバラ  開花
3.  ハンショウヅル  満開
4.  ノアザミ  満開
5.  コウゾリナ  満開
6.  ニガナ  満開
7.  ツマキチョウ  イヌガラシに飛来、産卵
8.  ジャコウアゲハ オオバウマノスズクサに飛来、葉に卵を産み付け
9.  タンポポハフクレフシ  虫えい
10. ホトトギス 囀り

箱根PV  高橋


スポンサーサイト



ビジターセンター周辺自然情報 2021年5月14日

気温19℃、朝から晴れて絶好の観察日和です。本日はパークボランティア8名が参加して、オオルリやキビタキなどの夏鳥を探しながら、自然学習路~野鳥の森~白百合台園地を歩きました。

ヤブデマリ ガマズミ科 ガマズミ属
ヤブデマリ VC20210514
初夏の花が咲き始めました。ビジターセンター周辺の初夏を代表する花は、ヤブデマリです。ヤブデマリの咲き誇る姿には毎年感動します。ヤブデマリとサンショウバラの二つの花を見ると、箱根が春から初夏に変わっていくのを感じます。

サラサドウダン ツツジ科 ドウダンツツジ属
サラサドウダン VC20210514
サラサドウダンも満開です。ビジターセンター周辺のあちらこちらでたくさん見られます。鐘状の花には赤いすじが入り、琉球更紗を連想させるために、その名がついたと言われています。

ゴマギ ガマズミ科 ガマズミ属
ゴマギ VC20210514
自然学習路では、ゴマギが円錐状に多数の花を付け、良く目立ちます。花はガマズミと似ていますが、葉をこするとゴマの香りがするのですぐに見分けがつきます。

ナナカマド バラ科 ナナカマド属
キンモンガとナナカマド VC20210514
ナナカマドも見頃を迎えています。枝先に多数の白い花を付けて咲いています。キンモンガが飛来して花の蜜を吸汁していました。

オオルリ ヒタキ科
ヒノキの頂上で囀るオオルリ VC20210514
自然学習路から見渡せるヒノキのてっぺんで、「日本三大鳴鳥」の一つであるオオルリが囀っていました。頭から背中にかけて鮮やかなルリ色をした美しい鳥です。しばらくの間、美しい姿を見ながら、鳴き声に聞き入っていました。

ヤマガラ シジュウカラ科
ヒノキの頂上で鳴くヤマガラ VC20210514
ヤマガラの幼鳥もヒノキのてっぺんで盛んに囀っていました。

オオバウマノスズクサ ウマノスズクサ科 ウマノスズクサ属
オオバウマノスズクサ VC20210514
今年もオオバウマノスズクサが、サクソホーンのような形の花を咲かせていました。葉は大型の三角状で、基部がハート形にへこみます。花の萼筒は強く湾曲し、内部に侵入した昆虫が外に出にくいような構造になっています。

シカの食痕・枝折り
シカの食痕・枝折り VC20210514
自然学習路では、シカが噛んで折ったと思われる枝が所々にありました。折れた枝にはシカが噛んだ食痕が残っています。なぜシカがこのように枝を折るのかは不明です。

ヒゲナガオトシブミ オトシブミ科
ヒゲナガオトシブミ4 VC20210514
アブラチャンの葉の上でヒゲナガオトシブミが動いていました。人の気配に驚いたのか、雌を探しているのか。ヒゲナガオトシブミの特徴は、体色が赤褐色で、触角の各節が膨らみ先端がとがっていることです。

シジュウカラ シジュウカラ科
餌をくわえ巣に戻るシジュウカラ VC20210514
シジュウカラが子育て中なのか、忙しく飛び回っていました。

イワニガナ キク科 ノニガナ属
イワニガナ VC20210514
高原ホテルへの道路わき林間のイワニガナが満開です。イワニガナは別名ジシバリ、その名の由来のように「地面を縛る」、走出枝が地面を這って一面に伸びて咲いていました。

ノアザミ
ノアザミ VC20210514
白百合台園地ではノアザミが咲き始めました。アザミの仲間で春から初夏に花を付けるのはこのノアザミだけです。花から延び出ている雄しべを刺激してみてください。花粉がでてくるはずです。

本日のトップ10
1.  サラサドウダン  満開
2.  ヤブデマリ  満開
3.  イワニガナ  満開
4.  オオバウマノスズクサ  開花
5.  ゴマギ  満開
6.  オオルリ  ヒノキのてっぺんで囀り
7.  ヤマガラ(幼鳥)  ヒノキのてっぺんで囀り
8.  シジュウカラ  子育て中
9.  ルリハムシ  ヤマハンノキの葉の上
10. ヒゲナガオトシブミ  アブラチャンの葉の上

箱根PV  高橋



【仙石原】2021年5月8日(土)

晴れたすがすがしい日に楽しい生情報が行えました。

大涌谷の噴煙が少なく気になりました。

コース途中の温湯(ぬくゆ)の水温は21度でした(気温22度)。



▼大涌谷の噴煙
05_大涌谷の噴煙



▼ゴマギ
01_ゴマギ



▼クロモジ
02_クロモジ



▼ニガイチゴ
03_ニガイチゴ



▼ニョイスミレ
04_ニョイスミレ



▼ホウチャクソウ
06_ホウチャクソウ



▼キジ
07_キジ





<参考>
本日の観察ベスト 10

1 ニョイスミレ/花
2 ゴマギ/花
3 クロモジ/つぼみ
4 アケビ/花
5 ニガイチゴ/花
6 ホウチャクソウ/花
7 キジ/姿
8 ハナイカダ/花
9 ヘビイチゴ/花
10 クサボケ/花

箱根PV 仙石原担当 K.T

 

2021年5月3日湯坂路自然情報

連休中の湯坂路自然情報です。お天気に恵まれ気持ちのいい一日となりました。2週間前に咲き誇っていたスミレたちも、タチツボスミレの仲間とニョイスミレを残すだけとなりました。木々の間からは鳥たちがきれいな声でさえずっていました。刈り取られたススキが芽を伸ばし山の緑が濃くなり、また少し季節が進んだことを感じました。緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置など、外出制限が叫ばれている中ではありましたが、湯坂路は多くのハイカーでにぎわっていました。

ヤマグワ クワ科クワ属
ヤマグワ
湯坂路入口へ行く1号線沿いの道に咲いていました。雌雄異株で写真の花は雄花です。4個の雄蕊が目立ちます。実は6月ころ赤色~黒紫色に熟し食べられます。葉の形の変化が大きく、切れ込みのないものもあります。

ナツグミ グミ科グミ属
ナツグミ
湯坂路入口の左手にある大きな木に満開の花を咲かせていました。葉裏に銀色の鱗状毛が密生します。淡黄色の花弁に見えるのは萼筒で、花柄などにも銀色の鱗状毛が密生します。

ミツバツチグリ バラ科キジムシロ属
ミツバツチグリと虫
鷹ノ巣山への明るい草原の各所でみられました。黄色に目立つ花でたくさんの虫がやってきていました。キジムシロの葉は5~9個の小葉をもつ奇数羽状複葉に対し、ミツバツチグリの葉は3枚の小葉からなることで区別できます。

ニガイチゴ バラ科キイチゴ属
ニガイチゴ
鷹ノ巣山への登り道に咲いていました。茎は白いロウ質の粉が付き、細いとげがたくさんあります。キイチゴ属の花弁は普通5枚です。ニガイチゴの花は上向に咲き、他のキイチゴ属の花に比べて花弁が細いです。

ウマノアシガタ キンポウゲ科キンポウゲ属
ウマノアシガタ
日当たりのいい道沿いにチラホラ咲き始めていました。フクジュソウ、ヒキノカサ、キツネノボタンなど、他のキンポウゲ属の花と同様花弁には光沢があります。

ニョイスミレ スミレ科スミレ属
ニョイスミレ
鷹ノ巣山の登り下りの道に咲いていました。ほかのスミレの花が終わっていく中、株立ちして大きな群落をつくって咲いていました。一番最後まで残って咲いているスミレです。小さい白い花で、唇弁の紫色のすじが目立ちます。

ハナイカダ ハナイカダ科ハナイカダ属
ハナイカダ
千条の滝への下り道に咲いていました。葉の上に花を咲かせている様子を、花を筏に見立ててこの名がつきました。葉をよく見ると、花の咲いているところから葉の基部までの主脈が太いです。雌雄異株です。

ウワバミソウ イラクサ科ウワバミソウ属
ウワバミソウ
千条の滝付近で白い花が咲き始めていました。山間部の湿った崖などに生え、葉はゆがんだ長楕円形です。「ミズナ」「ミズ」などと言われ、草の部分はもちろん、秋にはむかごも山菜として食べられます。箱根付近で見られるものは草丈25センチくらいですが、東北地方では50センチくらいの大きさになるものもあります。雌雄異株です。


ケブカトゲアシヒゲボソゾウムシ ゾウムシ科
リンゴコフキゾウムシ(別名ケブカトゲアシヒゲボソゾウムシ)
鷹ノ巣山の登り下りの道でたくさん出合いました。光沢のある翅は独特の緑色できれいです。小さいのに飛んでいても目立ちます。リンゴコフキゾウムシからこんな長い名前に改名されました。まるでその様子を解説しているような名前です。

ナラ枯れ
昨年ナラ枯れをおこした木が切られ、ビニールで覆われているのを数か所で見ました。箱根でもナラ枯れの被害は深刻です。今年は少しでも収まるといいです。

本日のトップテン
1 キビタキ(虫をフライングキャッチ)
2 ニョイスミレ(花)
3 ケブカトゲアシヒゲボソゾウムシ(葉の上に静止)
4 ホソバテンナンショウ(花)
5 ナツグミ(花)
6 ヒガラ(各所でさえずり)
7 ウマノアシガタ(花)
8 ニガイチゴ(花)
9 ハナイカダ(花)
10イタドリハムシ(葉の上に静止)

 箱根PV篠崎