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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年8月23日

当日の天気は生憎の雨にもかかわらずビジター3名、PV5名と合計8名でした。傘をさしながらの観察でした。見頃を迎えた植物を中心に名前の由来を学習しました。ツリガネニンジン、マツカゼソウ、ワレモコウ、オミナエシなど、秋を感じさせる花が見頃を迎えていました。天気の影響か、昆虫類はあまり見られず、野鳥類も声のみの観察で姿は見ることは出来ませんでした。少人数でしたが、和気藹々とした観察会になりました。

ツリガネニンジン   キキョウ科
雨空の暗い中で雫が花に付き幻想的です。名前の由来は、花がお寺の「釣鐘」に似て、地下の根が高麗人参の根に似ているのことによる。
ツリガネニンジン(1)VC190823

マツカゼソウ   ミカン科
箱根に増えているシカは食べないようです。名前の由来は秋風に吹かれる草姿に、ある趣が感じられるということから。
マツカゼソウVC190823

コオニユリ  ユリ科
アゲハチョウの仲間が蜜を求めて飛来する。蜜を吸うときに前に突き出た雄しべが翅に触れて花粉が運ばれ、他の花の雌しべに付着します。名前の由来は花が橙赤色で赤鬼の顔に似て、オニユリより小型による。
コオニユリ(1)VC190823

タマアジサイ  アジサイ科
コガネムシ、カミキリムシなどの飛翔が下手で体が重たい甲虫が花粉を求めて止まる。名前の由来は開花前の花序が総苞に包まれて球状をしているのから。
タマアジサイVC190823

ツリフネソウ   ツリフネソウ科
トラマルハナバチが蜜を求めて花に潜り込んでいました。この時に背中に花粉が付き運ばれます。名前の由来は花がぶら下がっている姿が花器の「釣舟」に似ていることによる。
ツリフネソウVC190823

オミナエシ  オミナエシ科
名前の由来はオミナエシの黄色い花を粟飯に、オトコエシの白い花を白飯の説がある。植物の名前に男尊女卑が現れている。これは名前をつけた当時の学者は男性だったためと思われる。
オミナエシVC190823

ワレモコウ バラ科
名前の由来は諸説あり。「吾木香」と書き、この植物の根や茎に香りがあることによる説。「吾亦紅」と書き、茶褐色であまり目立たない存在だけれど、自分も紅色だと控えめながら主張しているからという説。「割木瓜」と書き、宮中の御簾(みす)の「帽額(もこう)」に織り込む家紋に使われる木瓜紋もしくは、木瓜に似た花のつぼみが十字に割れることによる説。
ワレモコウVC190823

サワヒヨドリ キク科
名前の由来は湿った草原に生えるからサワが付いてサワヒヨドリ。ヒヨドリは鳥の鵯が鳴く頃に咲くからと言う説。しかし、ヒヨドリはいつも鳴いている、秋頃は群れをなして渡るのでこの時期との説もあるが時期は合わない。鵯花ではなく火取花と言う説、乾かした花がらは火織しの材料になるから。
サワヒヨドリVC190823

トンボソウ  ラン科
今年は箱根でトンボソウをよく見かけます。VC周辺でも咲いていました。名前の由来は花の様子がトンボに似ていることから。
トンボソウVC190823

ツチアケビ  ラン科
今年はランの当たり年でしょうか、箱根で沢山見かけます。VC周辺でも見かけました。葉緑素を持たない腐生植物でナラタケ菌
と共生する。名前の由来は土から生えてアケビのような実をつけるから。ソーセージの様に見ます。
ツチアケビVC190823

本日のトップ10
①ツリガネニンジン    花
②マツカゼソウ      花
③コオニユリ        花
④タマアジサイ      花
⑤ツリフネソウ       花
⑥トラマルハナバチ   昆虫
⑦オミナエシ        花
⑧ワレモコウ       花
⑨サワヒヨドリ       花
⑩カケス          野鳥、鳴き声

箱根PV 原田育生
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湯坂路自然情報コース 2019年8月5日

箱根といえども朝から照りつける日差しが眩しい。日陰を探したいところですが尾根道には木陰がありません。尾根道から千条の滝へ下る道は風の通りがなく蒸し暑い日になりましたが、水分補給を心がけながら歩きました。思いのほか出会う花が多く、昆虫類も多く観察できました。

アリノトウグサ  (アリノトウグサ科 アリノトウグサ属)
茎は4稜形で赤褐色を帯びています。茎の下部で枝分かれをして地面を這っています。小さな花を蟻に見たて、茎に沢山つく様子を蟻の塔に見立てたようです。
アリノトウグサ湯坂路190805

コバギボウシ  (キジカクシ属 ギボウシ属)
 湯坂路ではコバギボウシとオオバギボウシが観察できます。オオバギボウシよりやや湿り気のある所に生えています。葉は狭楕円形で基部は茎に流れるように見られます。花は濃紫色を帯びています。
コバギボウシ湯坂路190805

オオバギボウシ  (キジカクシ科 ギボウシ属)
 草地に見られました。コバギボウシに比べると大型です。葉は卵円形で基部は心形。花冠の内側に紫色の筋がないので花が白く見えます。トウギボウシとも言います。
オオバギボウシ湯坂路190805

オカトラノオ  (サクラソウ科 オカトラノオ属)
 葉は互生。茎の上部に白い総状花序につけ、花序の上部が垂れ下がる。花は片方につきます。湯坂路にはオカトラノオとヌマトラノオの雑種の雑種のイヌヌマトラノオも見られます。
オカトラノオ湯坂路190805

ヌマトラノオ (サクラソウ科 オカトラノオ属)
 湿地に見られるサワトラノオが湯坂路の一部に観察できます。 花序は直立して咲きます。花穂はオカトラノオに比べて細いです。
ヌマトラノオ湯坂路190805

ハナハマセンブリ (リンドウ科 シマセンブリ属)
 地中海沿岸原産の帰化植物です。湯坂路では初めて見る植物です。1年生または2年生草本です。茎は4稜で中空のようですが、しっかり観察できませんでした。
ハナハマセンブリ湯坂路190805

ヒメノガリヤス  (イネ科ノガリヤス属)
 尾根道に群生しています。丁度、円錐花序に小穂をつけます。葉をよく見るとウラハグサと同じで葉裏が表側に、葉表が裏側になっています。
ヒメノガリヤス湯坂路190805

ヒメヤブラン  (キジカクシ科 ヤブラン属)
 旧分類ではユリ科でしたが新しくキジカクシ科になりました。ヤブラン属では小型の多年草。葉より短い花茎出して穂状に花序をつけ小さな花をまばらに上向きにつけます。今回この花を沢山見れました。
ヒメヤブラン湯坂路190805

ウバユリ   (ユリ科 ウバユリ属)
 茎が長く伸び花が咲くころには葉が枯れて、ないところから歯(葉)にない姥になぞらえてつけられた名前です。茎の上部に3~6個の花を横向きにつけます。今回は沢山の花が観察できました。
ウバユリ湯坂路190805

コミスジ  (タテハチョウ科)
 色々な昆虫がシシウドの花に集まっていました。コミスジも観察できました。飛び方に特徴があり見分けやすい蝶です。幼虫はマメ科が食草のようです。
コミスジ湯坂路190805

シオデ  (シオデ科 シオデ属)
 昨年観察した場所の草むらに咲き始めたばかりの花を見つけました。茎は枝分かれして巻きひげがあり他に絡まって伸びています。葉腋から散形花序に雌雄異株の花を付けます。
シオデ湯坂路190805

オオカモメヅル  (キョウチクトウ科 オオカモメヅル属)
 蔓性の多年草。小さな目立たないこの花を仲間が見つけてくれました。樹林下に見られる花です。葉は無毛のようです。
オオカモメヅル湯坂路190805

ナガエオオカモメヅル  (キョウチクトウ科オオカモメヅル属)
 今回、木の葉にも出会えました。葉柄よりも長い花茎からオオカモメヅルと区別できます。やや薄暗く目立たない場所に見かけました。
ナガエカモメヅル湯坂路190805

タテヤマギク  ( キク科 シオン属)
 芦ノ湖西岸にある立山にちなんでつけられたと言われています。多年草。茎は細く白い舌状花はまばらについています。
タテヤマギク湯坂路190805

ヤマジオウ  (シソ科 オドリコソウ属)
 なかなかよい花時期に出会えない花の一つですが何とか出会えました。よく猪に荒らされる場所ですが無事に咲いていました。
ヤマジオウ湯坂路190805

《本日のトップ10》
①オオカモメヅル
②ジャコウアゲハ幼虫
③タテヤマギク
④ウバユリ
⑤シシウド
⑥ヒメヤブラン
⑦ツチアケビ
⑧シロバナイナモリソウ
⑨イヌヌマトラノオ
⑩ヤマジオウ

箱根PV 山本

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年8月9日

連日猛暑が続いています。朝は霧が立ち込めて涼しかったのですが、ミニ観察会の始まるころにはまた暑い日差しに戻っていました。ビジターさん10名(うち初めて参加のかた4名)、パークボランティア9名、合計19名のミニ観察会です。
本日のテーマは「いろいろな木の実(草の実)夏編」です。秋の花はまだこれからですが、多くの木々やつる性植物が沢山の実をつけています。

ヤブデマリ ガマズミ科
ヤブデマリ VC190809
ヤブデマリの赤い実が美しいです。短枝の葉腋に揃って花序を出すので、花や実は一列に並びます。

アブラチャン クスノキ科
アブラチャン1VC190809
アブラチャンも実を付けています。触ってみましたがまだ油っぽくありません。9月~10月頃には緑黄褐色に熟します。

サンショウ ミカン科
サンショウ VC190809
サンショウは青い実をつけています。このような未熟の実は佃煮に使われ、9月以降に完熟した赤い果皮は乾燥させて粉山椒に使われます。

イヌザンショウ ミカン科
イヌザンショウ1 VC190809
イヌザンショウの実は葉の先に付きます。葉の中に実が付くサンショウと比べて実が上に出ているので見分けられます。サンショウに比べて小葉が細長く鋸歯が細かいです。

コバギボウシ クサスギカズラ科
コバギボウシ VC190809
ビジターセンター園地のあちらこちらでコバギボウシが咲き始めています。花弁の内側に濃紫色の脈があるのが特徴です。

アキノタムラソウ シソ科
アキノタムラソウ VC190809
アキノタムラソウもあちらこちらで出始めました。

ツルニガクサ シソ科
ツルニガクサ VC190809
子供の広場近くではシソ科のツルニガクサが咲いていました。名前はツルニガクサですが、地上につるは見えず、地下に細長い走出枝を出します。

トンボソウ ラン科
トンボソウ VC190809
トンボソウがひっそりと咲いていました。気をつけて探さないと見落としてしまいそうです。花をトンボに見立ててつけられた名前のようです。花は5mmほどで小さく可憐です。葉は下部に2枚つけています。

シオカラトンボ
シオカラトンボ VC190809
花の広場でシオカラトンボのメスを見つけました。メスや未成熟のオスは、黄褐色の体に小な黒い斑紋が散在するので「ムギワラトンボ」とも呼ばれます。

今日はとても暑い観察会でした。日陰を見つけながら移動して観察しました。本日初めて参加されたビジターさんが、「箱根は観光地だけでなくこのような自然がいっぱいの所があるんですね、パワーをもらいました」と感想をおっしゃっていたのが嬉しかったです。

本日のトップ10
1.  ヤブデマリ  果実
2.  ゴマギ  果実
3.  アブラチャン  果実
4.  キブシ  果実
5.  トンボソウ  花
6.  コバギボウシ  花
7.  アキノタムラソウ  花
8.  ホオジロ  野鳥
9.  ゴマダラカミキリ  昆虫
10. シオカラトンボ  昆虫

箱根PV 高橋


【仙石原】2019年08月10日(土)

 パークボランティア8人での観察です。もともと10名参加の予定でしたが、ビジターセンターのクラフト等の夏活動の担当が少なかったため、2名がそちらへの参加となりました。

 コバギボウシがコースの初めから終わりまで、途切れることなく、よく観察できました。期待していたキツネノカミソリは、観察できませんでした。

 展望案内板(大涌谷を観察できる箇所)の近くにオオハンゴンソウとみられる植物が1株あったため、ビジターセンターに連絡しています。

 温湯(ぬくゆ)の水温は21度、外気温は29度でした。


▼ヤマユリ
P1340527.jpg



▼コバギボウシ
P1340581.jpg



▼カワラナデシコ
P1340545.jpg



▼シシウド
P1340554.jpg



▼ツリガネニンジン
P1340557(2).jpg



▼ソウシシヨウニンジン
P1340570.jpg



▼オオハンゴンソウとみられるもの
P1340560.jpg



▼オオハンゴンソウとみられる葉の部分です
P1340562.jpg



<参考>
本日の観察ベスト 10

1 コバギボウシ / 花
2 ヤマユリ / 花
3 シシウド / 花
4 ツチアケビ / 実
5 ミズヒキ / 花
6 ツリガネニンジン / 花
7 マツカゼソウ / 花
8 ウツボグサ / 花
9 コウゾリナ / 花
10 ソウシシヨウニンジン / 実


箱根PV 仙石原担当 M.S

 

【芦ノ湖西岸】 2019年 8月 7日

 ビジター2名を加え芦ノ湖西岸としては多い6名での自然情報収集となりました。スタート時の気温24℃(8:30)と少し涼しいです。箱根町港を出発してしばらくすると上方からヤマユリの花が私達を見守っていました。他の所では終わりかけですが、ここでは未だ満開で嬉しくなりました。
ヤマユリ(ユリ科ユリ属)
ヤマユリb

オカトラノオ、ヌマトラノオ、チダケサシの咲く草はらを過ぎるとビジターさんがキカラスウリの花を見つけてくれました。普通カラスウリの花は夜だけ咲きますが、この花は明るくなっても開いたままでした。
キカラスウリ(ウリ科カラスウリ属)
キカラスウリb

ノリウツギ(写真手前 ユキノシタ科アジサイ属)、リョウブ(同奥 リョウブ科リョウブ属)の花も満開です。
ノリウツギとリョウブb

渦巻きの付いたクモの網がありました。その時はウズグモだと思いましたが、後で写真を見るとギンナガゴミグモでした。なぜ渦巻きを付けるのか? いろいろ言われていますが定説はありません。
ギンナガゴミグモ(コガネグモ科)
ギンナガゴミグモb

白浜近くの細流では2頭のオニヤンマが縄張り争い。その細流でビジターさんがそのオニヤンマのヤゴ(幼虫)を見つけてくれました。オニヤンマは何年もかけて成虫になります。このヤゴも来年あたりは空を自由に飛んでいるのかな?
オニヤンマ幼虫(オニヤンマ科)
オニヤンマ幼虫b

コースを歩いていてアサギマダラの成虫を5頭見かけました。終わり近くの小杉の鼻を超えたところで、ついに見つけました。まるで緑の宝石!! 
アサギマダラ蛹(タテハチョウ科アサギマダラ亜科)
アサギマダラ蛹b

コースの所どころでは昆虫少年にはたまらないミヤマクワガタの姿も見られました。
ミヤマクワガタ(クワガタ科)
ミヤマクワガタb

クサアジサイも例年の場所で咲いていて一安心。コース全般にダイコンソウが咲いていて、まるでダイコンソウロードでした。ヤマホトトギスも咲き始め、秋を感じさせました。

トップ10
1.アサギマダラ 蛹と成虫
2.クサアジサイ 花盛り
3.オニヤンマ 幼虫と成虫
4.ヤマユリ 花盛り
5.ダイコンソウ 花盛り
6.ミヤマクワガタ  昆虫
7.キカラスウリ  のこり花
8.ヤマアカガエル 幼体
9.ギンナガゴミグモ  網
10.ヤマホトトギス 咲き始め

報告者 箱根PV 鈴木教正