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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年1月25日

ビジターセンターから見える冠ケ岳の斜面がうっすらと白くなっていました。観察会開始時には雪もチラついてきて寒い一日です。ビジターさん6名、パークボランティア12名に、VC職員2名、環境省事務所1名が参加され、合計21名のミニ観察会です。

本日のテーマは「植物の自己防衛 そのⅠ 刺・毒」です。植物は一度根を下ろしたらそこから動くことはできません。植物は、その子孫を残すために、動物(消費者)に食べられないよう必死に抵抗(自己防衛)します。その一例として刺(物理的防衛)をもつ植物と、毒(化学的防衛)を持つ植物を取り上げました。

タラノキ ウコギ科 タラノキ属
タラノキは、刺があちらこちらにランダムに出ます。植物の刺は、一般的には動物からの攻撃から身を守る役割を持っていると考えられています。コウモリ以外の哺乳類がいないニューカレドニアでは、刺をもつ植物が極めて少ないという事例が、その状況証拠とも言えます。
タラノキ1 VC190125

イヌザンショウ ミカン科 サンショウ属
イヌザンショウの刺は若い枝では互生状につくといわれていますが、成長して太くなると刺のまわりがふくらんで丸いイボ状の突起になります。刺のないイボ状突起もあります。イヌザンショウはあまり大きくならず、直径10cm程度の成木ではイボ状突起の真ん中にまだ刺が残っていて、食べられるのを防いでいるように見えます。カラスザンショウと比べてみてください。
イヌザンショウ VC190125

カラスザンショウ ミカン科 サンショウ属
カラスザンショウの刺は幼木の時から不規則につきます。成長につれてイヌザンショウと同様に刺のまわりがイボ状突起になりますが、大木になり、観察した木のように直径50cmにもなるとイボ状突起は横長になります。刺も次第にイボ状突起に飲み込まれて行きます。この状態の刺ではもはや食べられるのを防ぐ役には立ちそうもありません。背が高くて見えませんが、枝の先端あたりの刺は機能していると思われます。
カラスザンショウ1 VC190125

メギ メギ科 メギ属
メギは、別名コトリトマラズ(小鳥とまらず)、ヨロイドオシ(鎧を通す)と言われ、各節から自己防衛のための長い鋭い刺が出ています。枝には長枝と短枝があり、長枝から3本ずつ刺が出ますが、そのうち1本は葉が変化して刺に変化したものです。残り2本は托葉が変化したものですが、そのうちに落ちてしまいます。短枝には花が咲いて実が付きます。
メギ VC190125

サルトリイバラ サルトリイバラ科 サルトリイバラ属
サルトリイバラは、サルをも捕らえてしまうほどの強固な刺で身を守ります。さらに刺には周囲のものに寄りかかって茎を支え、自立することなく高く伸びて、効率よく日光の当たる場所にまで到達するという機能もあります。赤い実は美味しく見えますが、哺乳類の大部分は赤い色を識別できません。唯一赤い色を識別出来るのはサルの仲間(人間を含む)といわれています。
サルトリイバラ VC190125

オニシバリ ジンチョウゲ科 ジンチョウゲ属
2月に開花して、箱根に春を告げるオニシバリですが、株全体に毒があります。夏にはよく目立つ真赤な果実を付けます。別名ナツボウズ、夏になると葉を落とし、秋になってから新芽が出て来ます。背の低い木なので、他の樹木の葉が落ちて光が当たるようになったら、葉を付けて光合成をする。冬を利用して生きています。これも子孫を残すための一つの自己防衛です。
オニシバリ VC190125

アセビ ツツジ科 アセビ属
箱根山中に多く自生し、春には白やピンクの小さい壺型の花をいっぱいつけるアセビにも株全体に毒があります。アセビの周りに他の植物はあまり生えてません。これはアレロパシー (他感作用)といって、他の植物に対して強力な成長阻害作用を持つ物質を分泌して、他植物の発芽や成長を抑えているからです。これも化学的防衛のひとつです。
アセビ VC190125

シキミ シキミ科 シキミ属
ビジターセンター周辺で今観られる最強の有毒植物がシキミです。株全体が有毒で、特に果実は猛毒です。
ビジターセンター周辺で見かける最強の有毒植物はヤマトリカブトです。ドクウツギ、ドクゼリ、トリカブト類は3大毒植物と言われています。
シキミ VC190125

本日のトップ10
1.  タラノキ  刺
2.  メギ  刺
3.  サルトリイバラ  刺
4.  シキミ  果実
5.  カラスザンショウ  刺
6.  アセビ  つぼみ、花
7.  アトリ  野鳥
8.  イカル  野鳥
9.  ウソ  野鳥
10. カシラダカ  野鳥

箱根PV 高橋

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ミニ観察会(ビジターセンター周辺)2019年1月11日

2019年初回のミニ観察会。今日のテーマは、芦ノ湖へ飛来するガン・カモ類の実態把握である。温暖化の影響か気温3℃。風も弱く陽射しが暖かい。ビジター9名・パークボランティア14名にVC職員1名が加わり、桃源台から芦ノ湖キャンプ場、そして湖尻水門までの湖岸を巡りガン・カモ類の状態を観察する。

湖岸からの観察風景
観察風景
芦ノ湖で観察できるガン・カモ類のなかでもマガモ、コガモ、カルガモなどの水面採餌性のカモの減少が著しいとの調査例もあり、本日の状況が気になるところである。

ヒドリガモ(カモ目カモ科)
ヒドリガモ
海岸、内湾、湖沼、河川などに冬鳥として飛来して、水辺近くの草地でよく青草を食べる。水面に浮かぶ植物を水面採餌する。この日に観察できた水面採餌性のカモは、唯一ヒドリガモ(雄1羽・雌3羽)だけで、昨年度の観察会と比較するとあまりの少なさに一抹の寂しさを感じた。

キンクロハジロ(カモ目カモ科)
キンクロハジロ-1
内湾、港、湖沼、池、河川などに冬鳥として飛来して、日中は休息し、夜間に行動することが多い。貝やカニ、水草などを潜水採餌する。この日は、潜水採餌性のカモの数も少なく、キンクロハジロは2羽確認できたが、休息している様子はなく、沖に向かってまっしぐらに泳いで行った。

ホシハジロ(カモ目カモ科)
ホシハジロ
内湾、港、湖沼、池、河川などに冬鳥として飛来して、群れで行動することが多く淡水域にもよく入る。動物質、植物質のどちらもよく食べる。貝やカニ、水草などを潜水採餌する。双眼鏡で湖を見渡して、やっと2羽が確認できた。昨年度の観察では、キンクロハジロと混群となって水面で休息する姿も見られたが、潜水採餌性のカモの減少も気になるところである。

カイツブリ(カイツブリ目カイツブリ科)
カイツブリ
湖沼や流れの緩い河川にすみ、北日本では冬に暖地へ移動する。魚類や水生昆虫などを潜水採餌する。1羽のカイツブリが、湖岸からやっと目視で確認できる距離で、愛嬌のある姿を波に漂わせていた。人の話声や足音で気配を感じたのか、沖に向かって逃げて行った。

カンムリカイツブリ(カイツブリ目カイツブリ科)
カンムリカイツブリ-1
一部を除き、広い湖沼や河口、湾などに冬鳥として飛来する。魚類や水生昆虫、両生類、水草なども潜水採餌する。1羽のカンムリカイツブリを湖岸から双眼鏡で判別できる距離で見つけることができた。食事の最中だったのか頻繁に潜水を繰り返していたが、やはり沖に向かって去っていった。

オオバン(ツル目クイナ科)
オオバン
湖沼や湿原、水田などに生息してよく泳ぐ。水草や根、昆虫類の幼虫などを潜水採餌する。昭和60年に発行された「箱根の鳥」では、殆んど稀にしか見られなかったと記されているが、本日の観察では一番に数多く、湖面を見渡すと10羽程度が観察できた。

オオバンと遊覧船
オオバンと遊覧船-1
人間の気配で湖岸から沖へと去っていく水鳥の中で、唯一、湖岸近くで泳ぐ3羽オオバンの姿に愛着を感じながら湖面を見渡すと、はるか沖に2隻の遊覧船が湖面を進んでくる。人間の気配で沖に去って行った水鳥たちは、今度はどこに向かって逃げていくのか。芦ノ湖へ飛来するガン・カモ類の実態と大きな課題を知ることができたような気がする観察会であった。

ミサゴ(タカ目ミサゴ科)
ミサゴ
芦ノ湖でのガン・カモ類の観察状況は上記のとおりであったが、上空では、芦ノ湖の魚影をさがしてミサゴが旋回していた。このミサゴは、海岸や大きな湖沼、河川にすみ、急降下して魚を足でつかむという。わずかな時間であったが参加者全員が、ミサゴの飛翔に釘付けになり、真っ青な空を仰いでいた。

トップ10
1.ヒドリガモ(水辺の野鳥)
2.キンクロハジロ(水辺の野鳥)
3.ホシハジロ(水辺の野鳥)
4.カンムリカイツブリ(水辺の野鳥)
5.ミサゴ(水辺の野鳥)
6.エナガ(山野の野鳥)
7.シメ(山野の野鳥)
8.アオキ(果実)
9.ガマズミ(果実)
10.ウスタビガの繭(昆虫)

箱根PV 小川(治)・谷上

【仙石原】2019年01月12日(土)→雨天中止

 2019年01月12日(土)の仙石原コースの自然情報観察は、雨天中止となりました。


<関連情報>
 ・仙石原コースの記事一覧
 ・仙石原コースのご案内(箱根ビジターセンターのWebサイトに別ウィンドウでリンクします)


箱根PV 仙石原担当 M.S

1月9日 芦ノ湖西岸

9時頃箱根町港出発、13時35分キャンプ村着。
出会ったハイカーはなし。

季節柄水鳥だけかと思いましたが、カワラヒワやウソ、トビも見られました。

花はオニシバリとアセビ

オニシバリ西岸201900109


ツルシキミの赤い実は相変わらずコース全般にありました。
ツルシキミ西岸201910109
asebiseigann


寒い1日でした。

箱根PV段

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