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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

湯坂路自然情報コース 2019年12月2日(月)

今年度最後の湯坂路でした。雨の予報が出ており、せめて曇り程度を願っていましたが大雨になりそうな気配を感じわずかに歩いたのみにて終了しました。箱根では12種のバラ科キイチゴ属が記録されていますが湯坂路ではこれまでに8種を観察していました。そこで今回はこの仲間を探して歩き6種を観察しました。

バライチゴ  (バラ科 キイチゴ属)
茎には細い鉤型の棘があり、葉は羽状複葉で小葉の葉先は鋭くとがっています。葉の縁には細かい鋸歯があります。今回は花が見られませんでしたが枝先に4cmほどの大きな白い花を上向きにつけます。よく似たクサイチゴには茎に軟毛があります。
バライチゴ湯坂路191202

ニガイチゴ  (バラ科 キイチゴ属)
枝は粉白色を帯び細い棘が沢山見られます。葉は卵形であさく3裂していますが切れ込がないこともあります。葉の裏面は粉白色です。花は白く上向きに咲きます。
ニガイチゴ湯坂路191202

クマイチゴ  (バラ科 キイチゴ属))
茎が名前は熊が好んで食べるところから付けられと言われています。茎に太めの棘があります。葉は広い卵形で3~5浅裂し先は尖り、縁に鋭い鋸歯がある。花は枝先に数個付きます。
クマイチゴ湯坂路191202

エビガライチゴ  (バラ科 キイチゴ属)
 茎が蔓状になり、紫赤色の腺毛が密生しています。夏に総状花序の淡紅紫色の花を付けますが湯坂路ではまだ花の咲いたのを見ていません。
エビガライチゴ湯坂路191202

シダ  (前葉体と子葉)
 やや湿った土手に色々な段階のシダが見られます。時間をかけて観察したいものです。ウラジロになりそうなシダも見られました。
シダ前葉体湯坂路191202

ヒメノキシノブ  (ウラボシ科 ノキシノブ属)
イロハモミジの幹に着生していました。雨の中で緑が美しく生き生きして見えました。幹のくぼみには水が流れていました。
ヒメノキシノブ湯坂路191202

イロハモミジに太いチエ-ンが食い込んで痛々しく見えました。何年も歩いた湯坂路ですがこの姿に気が付いたのは全員、初めてでショックを受けました。チエ―ンは何年前の外し忘れたのでしょうか?
イロハモミジ湯坂路191202

《本日のトップ10》
①バライチゴ (葉)
②ニガイチゴ (葉)
③クマイチゴ (葉)
④モミジイチゴ (葉)
⑤エビガライチゴ (葉)
⑥クサイチゴ (葉)
⑦ツルリンドウ (果実)
⑧トウゲシバ (胞子膿)
⑨ノガリヤス (果実)
⑩シダの前葉体
                   箱根PV 山本
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湯坂路自然情報コース 2019年11月4日

大型台風が通過し、まだ道路の整備が進んでいないようなので集合場所を精進が池の駐車場へと変更しました。一号線の道路脇にはまだ流れてきた土砂などがありました。寒く無く熱くない良い観察日です。ゆっくりと鷹ノ巣山までの予定で歩きました。夏に草刈りされた影響で秋草が少なく夏以降に芽を出したシシウドなどが小型でも花を咲かせていました。

アリノトウグサ     (アリノトウグサ科アリノトウグサ属)
花を付けていた茎には花も実もなく茎だけでした。一番早くに紅葉するアリノトウグサですが早くも美しい紅葉でした。
アリノトウグサ湯坂路191104

ゼンマイ        (ゼンマイ科ゼンマイ属)
歩き始めて間もなくゼンマイの群落が見られました。こんなに沢山あったのかと気がつきました。
ゼンマイ湯坂路191104

テンナンショウの仲間  (サトイモ科テンナンショウ属)
雄から雌に転換し実を付けていました。上部の実が落ち黒いところの白い跡を目にすることはありませんでしたが、今回ははっきり見ることが出来ました。
テンナンショウの仲間湯坂路191104


トウゲシバ     (ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属)
樹林下にトウゲシバを見つけて近づくと新鮮な胞子に気が付きました。常緑の多年草です。胞子が熟すと横に裂けて黄色の胞子が出るようですから次回は横に裂けた状態を見てみたいものです。
トウゲシバ湯坂路191104

マツカゼソウ      (ミカン科マツカゼソウ属)
多年草でも冬には枯れてしまいます。この時期まだ花が美しく残っていました。葉をもむとミカン科特有の匂いがあります。
マユカゼソウ湯坂路191104

ヤマラッキョウ    (ネギ科ネギ属)
芒に埋もれるように咲いていましたが昨年よりより減ったようです。花茎の先に多数の紅紫色の花を球状の散形花序となります。
雄蕊は花被片よりも長く突き出ており葯は紫色。
ヤマラッキョウ湯坂路191104

天使のハンカチーフ  (蜘蛛の巣)
昨夜の雨で蜘蛛の巣に水滴が輝いていました。地面にそって水平に張られた巣に水滴がついている様子を「天使のノハンカチーフ」と仲間に教えていただきました。
天使のハンカチーフ湯坂路191104

サルトリイバラ    (シオデ科シオデ属)
蔓性の落葉低木です。茎は節ごとに折れ曲がり長いひげ出して近くのものに絡まる。果実は赤く熟していた。
サルトトリイバラ湯坂路191104

ナガコガネグモ   (蜘蛛の仲間)
腹部に黄色と黒の模様がある大型のクモで前回教えていただいた蜘蛛のようでした。
ナガコガネグモ湯坂路191104

ゲンノショウコ   (フウロウソウ科フウロウソウ属)
一輪の残り花がありました。乾燥して煮だして下痢止めの薬に利用され効果がすぐに出たところから「現の証拠」と言われたようです。別名のミコシグサはこの果実の形から付けられました。
ゲンノショウコ湯坂路191104


リュウノウギク    (キク科キク属)
今が盛りとリュウノウギクが咲いていました。葉の裏面は白い毛があり、頭花は茎の先に付き舌状花は白く中心部の筒状花は黄色。この花が咲くと秋の終わりを告げられたようです。
リュウノウギギク湯坂路191104

《本日のトップ10》
①リュウノウギク
②センブリ
③ツルリンドウ
④ヤマラッキョウ
⑤リンドウ
⑥ノコンギク
⑦ヤマトリカブト
⑧ホソバテンナンショウの果実
⑨フユノハナワラビ
⑩ナガコガネグモ

箱根PV  山本

湯坂路自然情報コース 2019年10月7日

 午後からは雨の予報でしたが無事に降られずに歩くことが出来ました。湯坂路ではススキの穂が出そろい秋色です。すっかり草刈りされて期待していた花を見つけることが出来ませんでしたが、キンミズヒキ、ヒメキンミズヒキ、ハコネキンミズヒキの違いを見分けたり、イヌトウバナ、ヒメジソ、イヌコウジュなども観察しました。チョウや昆虫なども教えていただくことが出来ました。

シロヨメナ  (キク科 シオン属)
葉は細長く先がとがって、3本の主脈がはっきりしている。花は散房状につき舌状花は白色。防火帯の奥に遠くからでも白い群落が見られました。
シロヨメナ湯坂路191007

ヤマトリカブト  (キンポウゲ科 トリカブト属)
茎は曲がり葉が互生に付き掌状に3~5深裂している。花柄に曲がった毛があり、青紫色の兜状の萼片を含む萼が5枚でその中に中に2枚の花弁がある。名前は山に生え花の形が雅楽に用いられる烏帽子に似ているところから付けられた。日本固有種。
ヤマトリカブト湯坂路191007

サラシナショウマ   (キンポウゲ科 サラシナショウマ属)
山地に生える多年草。根生葉は3回3出複葉。花は白色で短い柄があり穂状に咲く。花弁は細く短く雄しべは糸状。湯坂路のコースではこの仲間のイヌショウマが見られますが花に柄がない。
サラシナショウマ湯坂路191007

アキノキリンソウ  (キク科 アキノキリンソウ属)
多年草。葉は互生して柄には翼があります。花は黄色で総状または散房状の花序を出し多数の頭花を付ける。頭花は小さいのですが舌状花と筒状花です。草刈りから免れて咲いていました。
アキノキリンソウ湯坂路191007

キントキヒゴタイ  (キク科 トウヒレン属)
湯坂路ではキントキヒゴタイ、キクアザミ、ミヤコアザミが観察できましが例年は沢山見られるキントキヒゴタイも少なく、今年は探してようやく数本見つけました。金時山にちなみつけられた名前の多年草。総苞は鐘形で総苞片は反り返る。
キントキヒゴタイ191007

アズマヤマアザミ  (キク科  アザミ属)
タイアザミは沢山見られましたがアズマヤマアザミは少なかったです。林縁に見られる多年草。柄のない頭花は葉腋に3~5個がまとまって付いています。総苞片は反り返らない。
アズマヤマアザミ191007

イヌトウバナ   (シソ科  トウバナ属)
林縁などの生える多年草。今回は花盛りでした。イヌコウジュやヒメジソなど同じ仲間をゆっくり観察しました。茎は対生し葉は30~50cmほどです。花は茎の上部や葉腋に付けます。萼に開出した長毛がある。学名には小さな花の意味が付けられています。
イヌトウバナ湯坂路191007

チカラシバ   (イネ科  チカラシバ属)
林縁に見られる多年草。総状花序は黒い棘毛に覆われて直立しています。小穂は棘毛のまま散布されます。以前、千条の滝近くの草原で緑色の棘毛のミドリチカラシバを見たことがあります。
チカラシバ湯坂路191007

ノガリヤス  (イネ科  ノガリヤス属)
湯坂路ではノガリヤスとヒメノガリヤスが観察できます。別名はサイトウガヤ。染料として利用されるカリヤスに似て野に生えるところから付けられた名前。葉は長さ30~60cmほどで線形、途中から葉が裏返っています。花序は長さ20~50cmの円錐状。
ノガリヤス湯坂路191007

フユノハナワラビの仲間  (ハナヤスリ科  ハナワラビ属)
昨年は見られなかったフユノハナワラビですが今年はウスイハナワラのようなものなど観察できました。冬緑性のシダ。栄養葉と胞子葉が地際から分かれて出ます。この仲間では以前、オオハナワラビやハナワラビ、アカハナワラビ、アカネハナワラビなどを観察していますが最近は少ない。
フユノハナワラビ湯坂路191007

ヤマハッカ   (シゾ科  ヤマハッカ属)
林縁などに見られる多年草。葉の柄には翼があります。茎は木質化した地下茎から出ている。シソ科は茎が四角。枝先に細長い花穂を出して青紫色の小さな唇形です。
ヤマハッカ湯坂路191007

ノコンギク   (キク科  シオン属)
一号線の縁石に並んで咲いておりこの植物の逞しさを感じます。葉裏に短毛が生えておりざらつきます。頭花を散房状につける。舌状花は白~白紫色。名前のノコンギクは野に咲く紫色の菊の意味のようです。
ノコンギク湯坂路191007

マルバフジバカマ  (キク科  フジバカマ属)
明治時代に箱根で発見されたと言われています。北米原産の帰化植物です。湯坂路に向かう道路わきには真っ白な花が盛りでした。参加者の集合場所周辺にも沢山見られ、湯坂路入り口周近くにも沢山咲いていて繁殖力に脅威を感じます。
マルバフジバカマ湯坂路191007


《本日ののトップ10》
①シロヨメナ
②ヤマトリカブト
③ハコネキミズヒキ
④キントキヒゴタイ
⑤アキノキリンソウ
⑥シラヤマギク
⑦センチコガネ
⑧イヌトウバナ
⑨ハナワラビ類
⑩サラシナショウマ

箱根PV  山本

湯坂路自然情報コース 2019年9月2日

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湯坂路自然情報コース 2019年8月5日

箱根といえども朝から照りつける日差しが眩しい。日陰を探したいところですが尾根道には木陰がありません。尾根道から千条の滝へ下る道は風の通りがなく蒸し暑い日になりましたが、水分補給を心がけながら歩きました。思いのほか出会う花が多く、昆虫類も多く観察できました。

アリノトウグサ  (アリノトウグサ科 アリノトウグサ属)
茎は4稜形で赤褐色を帯びています。茎の下部で枝分かれをして地面を這っています。小さな花を蟻に見たて、茎に沢山つく様子を蟻の塔に見立てたようです。
アリノトウグサ湯坂路190805

コバギボウシ  (キジカクシ属 ギボウシ属)
 湯坂路ではコバギボウシとオオバギボウシが観察できます。オオバギボウシよりやや湿り気のある所に生えています。葉は狭楕円形で基部は茎に流れるように見られます。花は濃紫色を帯びています。
コバギボウシ湯坂路190805

オオバギボウシ  (キジカクシ科 ギボウシ属)
 草地に見られました。コバギボウシに比べると大型です。葉は卵円形で基部は心形。花冠の内側に紫色の筋がないので花が白く見えます。トウギボウシとも言います。
オオバギボウシ湯坂路190805

オカトラノオ  (サクラソウ科 オカトラノオ属)
 葉は互生。茎の上部に白い総状花序につけ、花序の上部が垂れ下がる。花は片方につきます。湯坂路にはオカトラノオとヌマトラノオの雑種の雑種のイヌヌマトラノオも見られます。
オカトラノオ湯坂路190805

ヌマトラノオ (サクラソウ科 オカトラノオ属)
 湿地に見られるサワトラノオが湯坂路の一部に観察できます。 花序は直立して咲きます。花穂はオカトラノオに比べて細いです。
ヌマトラノオ湯坂路190805

ハナハマセンブリ (リンドウ科 シマセンブリ属)
 地中海沿岸原産の帰化植物です。湯坂路では初めて見る植物です。1年生または2年生草本です。茎は4稜で中空のようですが、しっかり観察できませんでした。
ハナハマセンブリ湯坂路190805

ヒメノガリヤス  (イネ科ノガリヤス属)
 尾根道に群生しています。丁度、円錐花序に小穂をつけます。葉をよく見るとウラハグサと同じで葉裏が表側に、葉表が裏側になっています。
ヒメノガリヤス湯坂路190805

ヒメヤブラン  (キジカクシ科 ヤブラン属)
 旧分類ではユリ科でしたが新しくキジカクシ科になりました。ヤブラン属では小型の多年草。葉より短い花茎出して穂状に花序をつけ小さな花をまばらに上向きにつけます。今回この花を沢山見れました。
ヒメヤブラン湯坂路190805

ウバユリ   (ユリ科 ウバユリ属)
 茎が長く伸び花が咲くころには葉が枯れて、ないところから歯(葉)にない姥になぞらえてつけられた名前です。茎の上部に3~6個の花を横向きにつけます。今回は沢山の花が観察できました。
ウバユリ湯坂路190805

コミスジ  (タテハチョウ科)
 色々な昆虫がシシウドの花に集まっていました。コミスジも観察できました。飛び方に特徴があり見分けやすい蝶です。幼虫はマメ科が食草のようです。
コミスジ湯坂路190805

シオデ  (シオデ科 シオデ属)
 昨年観察した場所の草むらに咲き始めたばかりの花を見つけました。茎は枝分かれして巻きひげがあり他に絡まって伸びています。葉腋から散形花序に雌雄異株の花を付けます。
シオデ湯坂路190805

オオカモメヅル  (キョウチクトウ科 オオカモメヅル属)
 蔓性の多年草。小さな目立たないこの花を仲間が見つけてくれました。樹林下に見られる花です。葉は無毛のようです。
オオカモメヅル湯坂路190805

ナガエオオカモメヅル  (キョウチクトウ科オオカモメヅル属)
 今回、木の葉にも出会えました。葉柄よりも長い花茎からオオカモメヅルと区別できます。やや薄暗く目立たない場所に見かけました。
ナガエカモメヅル湯坂路190805

タテヤマギク  ( キク科 シオン属)
 芦ノ湖西岸にある立山にちなんでつけられたと言われています。多年草。茎は細く白い舌状花はまばらについています。
タテヤマギク湯坂路190805

ヤマジオウ  (シソ科 オドリコソウ属)
 なかなかよい花時期に出会えない花の一つですが何とか出会えました。よく猪に荒らされる場所ですが無事に咲いていました。
ヤマジオウ湯坂路190805

《本日のトップ10》
①オオカモメヅル
②ジャコウアゲハ幼虫
③タテヤマギク
④ウバユリ
⑤シシウド
⑥ヒメヤブラン
⑦ツチアケビ
⑧シロバナイナモリソウ
⑨イヌヌマトラノオ
⑩ヤマジオウ

箱根PV 山本