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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

金時山自然情報 2019年6月13日

 梅雨の晴れ間で今日は絶好の観察日でした。植物は水を得て生き生きしており、野鳥はこの日ばかりと囀っていおり、昆虫は吸蜜していました。春の花から初夏の花への端境期でしょうか、サンショウバラ、ニシキウツギ、ヤマツツジは花びらを落とし始めていました。ヤマアジサイ、シモツケは今にも咲きそうでした。今日の一番の花はタンナサワフタギです。白い花が沢山咲いていました。金時山でこんなに咲いているのを見たのは初めてでした。甘い香りを誘われてトビイロカミキリ等の虫が吸蜜していました。鳥はミソサザイ、コルリ、ヤブサメが登山道脇で盛んに囀っていました。長い雨の後の久しぶりの縄張り宣言だったのでしょうか。
 花、鳥、虫を生き生きと感じた観察会でした。

タンナサワフタギ    (ハイノキ科)
乙女峠からの下りの登山道で谷筋川に見られました。落葉低木または小高木でよく枝分かれしている。この状態を沢をおおうようになるのでサワフタギとした。タンナは、発見地の済州島の古い呼び名。
タンナサワフタギ金時190613

トビイロカミキリ   (カミキリムシ科)
タンナサワフタギにいました。箱根ではよく見るカミキリムシと言われていますが、箱根で始めて見ました。
トビイロカミキリ金時190613

ヤマツツジ    (ツツジ科)
初夏の箱根の山を飾る代表的なツツジです。分岐点、金時山周辺の日照の強い尾根筋咲いていました。花びらは落ちており満開は過ぎ終わりに近づいていましたが、綺麗な色で沢山咲いていました。雌雄同株、両性花です。
ヤマツツジ金時190613


ニガナ      (キク科)
金時山から長尾山にかけての鞍部で沢山咲いていました。根生葉は長い柄、茎葉は柄がなく茎を抱くています。葉や茎に苦味のある白い乳液を含む為、苦菜(ニガナ)の名前があります。菜と付いているからには食べられるはずであるが、余り食べない。
ニガナ金時190613


コゴメウツギ    (バラ科)
分岐点周辺で咲いていました。たくさんの小さな白い花をつけている木です。 蕾は、ちょうど米つぶのように見えます。小さな花はなかなかに繊細です。
コゴメウツギ金時190613

シモツケ     (バラ科)
金時山頂上周辺に沢山ありました。もうじき咲いて可憐なピンク色の花を見せるでしょう。名前の由来は下野(しもつけ)の国(現在の栃木県)で(染料用に)栽培していたことによる。
シモツケ金時190613

ヤマアジサイ  (ユキノシタ科)
公時神社周辺にありました。もうじき咲きそうです。葉は長楕円形~卵状楕円形です。名前の由来は山に生えるアジサイ。
ヤマアジサイ金時190613

フタリシズカ     (センリョウ科)
麓で咲いていました。名前の由来は花を静御前の亡霊二人の優美な舞姿にたとえたとか。
フタリシズカ金時190613

ヤマビル
金時山から長尾山に向かう登山道で見かけました。カタツムリに絡みついているように見えます。シカが連れてきたのでしょうか。
ヤマビル金時190613

林道の工事
仙石原から南足柄に向かう林道の工事が急ピッチで進んでいました。
工事中金時190613

本日のトップ10
1.タンナサワフタギ   満開
2.ヤマツツジ       花
3.ニガナ         花
4.コアジサイ       花
5.ニシキウツギ     花
6.ヤマアジサイ     花
7.シモツケ        もうじき開花
8.ホトトギス       野鳥、囀り
9.コルリ         野鳥、囀り
10.ヤブサメ      野鳥、囀り

箱根PV 原田育生


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金時山自然情報 2019年5月9日

元号令和初めての情報収集です。5月初旬ですが気温は低く風も強く、肌寒く感じました。この寒さのためかスミレが沢山見られました。タチツボスミレは麓から金時山頂上まで沢山咲いていました。しかし花は何と言ってコイワザクラでしょう。可憐なピンク色は何とも言えません。キビタキが社務所前に番でいました。虫は温度が低く風があったためか少なかったですが、ヒラズネヒゲボソゾウムシが乙女口の檜林にいました。

コイワザクラ  サクラソウ科
金時山周辺の岩場に沢山咲いていました。この花の色のピンク色は可憐に見えます。限られた範囲に自生するフォッサマグナ要素の植物のひとつです。
コイワザクラ2金時190509


ギンリョウソウ  (ツツジ科ギンリョウソウ属)
最近、科がイチヤクソウ科からツツジ科に変わったようです。どう見てもツツジの様には見えません、腐生植物で葉緑体を持たないのですから。名は姿形を竜に見立てた銀竜草。別名はユウレイタケ、幽霊のように見えるからでしょうか。小学生をガイドした時、ウエディングドレスに見えると言った女の子いました。子供らしい素直な見え方でしょう。
ギンリョウソウ金時190509

ホソバテンナンショウ   (サトイモ科)
公時神社周辺に咲いていました。テンナンショウを漢字で書くと天南星で、名前は美しいですが、トリカブトと同じくらい強力な毒を持っています。
ホソバテンナンショウ金時190509

オトコヨウゾメ   (スイカズラ科)
明神岳と金時山の分岐点周辺で咲いていました。日本の固有種です。ヨウゾメはカマズミの地方名で果実は苦くて食べられないので「男」をつけたようです。
オトコヨウゾメ金時190509

タチツボスミレ   (スミレ科)
普通に見られるスミレですが麓から金時山頂上まで広範囲に咲いていました。生命力のあるスミレでしょうか。
タチツボスミレ金時190509

オトメスミレ  (スミレ科)
4月は乙女峠周辺で咲いていましたが、今月は金時山周辺で咲いていました。箱根乙女峠が基準産地です。タチツボスミレの変種で、花弁は白色又はかすかに紫色で距だけが紫色です。
オトメスミレ金時190509

マルバスミレ (スミレ科)
金時山周辺で咲いていました。花も葉も丸い可愛いスミレです。下の写真の茎に毛が見えます。毛があるのをケマルバスミレ、毛がないのをマルバスミレと呼んでいたようですが、最近はマルバスミレに統一されたようです。
マルバスミレ金時190509

ジロボウエンゴサク  (ケシ科)
金時宿り石付近で咲いていました。同じピンク色のコイワザクラに較べてこの花は渋く感じます。ジロウボウエンゴサクとは面白い名前です。ジロボウ(次郎坊)をこの花、タロウボウ(太郎坊)をスミレと呼んだ地方があるようです。
ジロボウエンゴサク金時190509

キビタキ   (ヒタキ科)
公時神社社務所前で最初に雌が現れ次に雄が現れました。雄は綺麗な姿を暫く披露してくれました。番を形成しているのでしょう、家族を増やし無事に南の国に戻ってもらいたいものです。
キビタキ金時190509


本日のトップ10
1.コイワザクラ         (満開)
2.ギンリョウソウ        (花)
3.ホソバテンナンショウ    (花)
4.オトコヨウゾメ         (花)
5.タチツボスミレ        (花)
6.オトメスミレ          (花)
7.マルバスミレ         (花)
8.ジロウボウエンゴサク   (花)
9.キビタキ           (野鳥)
10.ツツドリ           (野鳥、囀り)

箱根PV 原田育生

金時山自然情報 2019年3月14日

 3月になり春の兆しがしましたが、寒かったです。今年の箱根は雪が少なく乾燥していて、駐車場横の谷川には水は流れていません。昨年から公時神社の社務所は氏子さんが詰め開いています。今日の朝方にシカが現れたとか。エサ台近くにはヤマガラがいました。 V字型となった登山道両脇の霜柱を踏みしめ登り、分岐を過ぎたところでサルオガセが青々としていました。山頂から見る富士山は雪煙が上がり一部見えませんでした。一昨日の雪で、丹沢の檜洞丸・蛭ヶ岳、御正体山は冠雪していました。山頂から長尾山の間は、雪は無いが霜柱が長さ約10cm成長していました。この間、赤味がかった岩が多く確認されました。乙女峠から乙女口間は相変わらず石がゴロゴロとしており下るのに苦労しました。

ミツマタ   (チンチョウゲ科)
公時神社、乙女口の周りで咲いていました。新葉が芽吹く前の枝先に花だけ開花します。名前の由来は枝が三つに分かれるから。和紙の原料として中国から日本に持ち込まれ野生化した。
ミツマタ金時1 (2)190314


タチツボスミレ  (スミレ科)
この寒い中、分岐点手前で一輪咲いていました。これから暖かくなると沢山咲くでしょう。
タチツボスミレ金時190314

ヤドリギ  (ヤドリギ科)
半寄生で、他の植物から栄養分を吸収し、光合成もします。赤い実が付いていました。アカミヤドリギと思われます。今年はレンジャクの飛来がありません。レンジャクの好物ですがヒヨドリ、ムクドリもよく食べます。
ヤドリギ金時190314

ニワトコ  (スイカズラ科)
漢字で「接骨木」で、枝や葉が骨折や捻挫に効くことから。この木は魔法の木で、映画ハリーポッターの魔法使いの杖として登場しています。新芽はブロッコリの様に見えます。
ニワトコ金時190314

キヨスミイトゴケ   (ハイヒモゴケ科)
ウツギ、ササに付着していました。湿度の高い山地の沢沿いに生え樹枝から垂れ下がるコケ類。名前の由来は千葉県の清澄山で多く見られるから。
サルオガセ金時190314

オトメアオイ  (ウマノスズクサ科)
乙女峠の下りでよく見ます。箱根や天城山系に特産する多年草。名前の通り、発見地は乙女峠。
オトメアオイ金時190314

ツルシキミ   (ミカン科)
乙女口周辺で見かけました。毒があるのでシカは食べないようです。名前の由来は悪しき実の意味のアがとれて「シキミ」となったとか。
ツルシキミ金時190314

ヤマガラ  (野鳥)
昨年から公時神社の社務所が開かれて、庭に餌台が設置されています。ヤマガラ、シジュウカラ等の野鳥がよく訪れます。
ヤマガラ金時190314

本日のトップ10
1.霜柱
2.ミツマタ (開花)
3.タチボスミレ(開花)
4.ヤドリギ (果実)
5.ニワトコ (蕾)
6.ツルシキミ (蕾)
7.ツルアジサイ (ドライフラワー)
8.キヨスミイトゴケ
9.ヤマガラ (採食)
10.ウソ (地鳴き)

箱根PV 原田育生

金時山自然情報 2019年2月14日

 落葉広葉樹はすっかり葉を落とし、公時神社から見る金時山は全体がよく見えます。その中で常緑広葉樹のイヌツゲ、アセビは今が盛りと誇らしげに見えました。公時神社周辺ではアオキ、カンスゲ、ミヤマカンスゲ、クマザサが目立ちました。アオキ、クマザサはシカが食べた痕がはっきり分かります。最近はアオキの食痕が増え、またクマザサも食べている様です。クマザサは地上からシカが食べられる高さの葉までが食べ尽くされ、境目は線を引いたように見えました。
 登りはじめは雪がぱらつく程度でしたが頂上に近くになると激しく降ってきました。頂上でカヤクグリが出て来て、寒さで凍える我々を癒やしてくれました。フレンドリーで我々に近づいてきました。どうも餌をねだっているようです。小屋の残飯、登山者が落とした食べ物で餌のない冬場をしのいでいるのかも知れません。

新しくなった標識
標識が新しくなっていました。柱が地面と接する部分には銅が巻いてありました。また、金時山にはトイレがあることが表示されていました。
標識金時190214ブ

分岐点で見えた大涌谷方面
曇りでガスがかかって芦ノ湖が見えませんでした。
芦ノ湖方面金時190214ブ

薄く積雪した登山道
登りはじめは時々粉雪が舞っていましたが、頂上では雪が激しく降ってきました。
雪の登山道金時190214ブ

イヌツゲ
落葉樹は葉を落としているので常緑樹のイヌツゲは目立ちます。
イヌツゲ金時190214ブ

イワカガミの葉
葉は地面にはって、寒さから身を守っているように見えます。
イワカガミ金時190214ブ

キッコウハグマの葉
落ち葉の布団で寒さをしのいでいるように見えます。
キッコウハグマ金時190214ブ

シロヤシオ
冬芽もありましたが、果実も残っていました。
シロヤシオ金時190214ブ

カヤクグリ
頂上で出会いました。人に対しての警戒感がなくフレンドリーで近づいて来ました。小屋の残飯、登山者が落とした食べ物を食べているのでしょうか。
カヤクグリ金時190214ブ

シカの食痕
アオキをよく食べますが、ササも食べます。地上からシカが食べられる高さの葉が食べ尽くされていました。境目は線を引いたように見えるのでディアラインと言います。
ディアライン金時190214ブ

本日のトップ10
1.薄く積雪した登山道
2. ツルシキミ
3. ヤドリギ
4. ミツマタ
5. シロヤシオ
6. イヌツゲ
7. キッコウハグマ
8. カヤクグリ
9. エナガ
10. シカの食痕

箱根PV 原田



金時山自然情報 2018年12月13日

駐車場に着くと12月とは思えないほど車が沢山ありました。今日は12月13日、そうです金時山の日でした。標高が1213Mで金時山の日ですが、正確な測定が実施され現在は1212Mとなっています。天気予報では晴れでしたが、怪しい雲が頂上を覆い被さっていました。頂上の小屋で昼食を取り、乙女峠に向かいました。乙女峠で休んで出発しようとした時、霰が落ちて登山道は白く染まりました。本日の観察で目立ったのはツチグリでした。登山道脇で沢山見ることが出来ました。今日は環境省のアクティブレンジャー、箱根ビジターセンターの職員も参加し、パークボランティア3名を含め5名で賑やかな観察会でした。

霰の落ちた登山道
急に黒い雲が空を覆い、霰が落ちてきました。
霰金時181213

雫のコケ
コケ(同定できず)の上に雫が出来ていました。霰が降って暫くしてからです。
コケ金時181213

ツチグリ   (ツチグリ科)
登山道脇で沢山見かけました。星みたいに見えるものは外皮です。玉みたいな袋の中に胞子が充満しており、袋を指でつまむと上の穴から飛散します。
ツチグリ金時181213

ヤドリギ   (ヤドリギ科)
ケヤキ、ブナ、ミズナラ等の落葉高木に寄生するが、光合成を行う半寄生植物。果実はレンジャク類がよく食べる。
ヤドリギ金時181213

フジイバラ   (バラ科)
頂上手前の分岐点付近に沢山ありました。太平洋側の山地に生え、山頂に多い。名前の由来は富士山麓に多いことから。
フジイバラ金時181213

メギ   (メギ科)
乙女峠付近で見かけました。果実は液果で真っ赤に熟す。洗眼薬にしたところからメギ(目木)。刺が多いので別名、コトリトマラズ。
メギ金時181213

ツルウメモドキ   (ニシキギ科)   
乙女峠付近で見かけました。果実はさく果、球形で黄色に熟す。熟すと3つに割れ、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出す。
ツルウメモドキ金時181213

ヒメノキシノブとノキシノブ   (ウラボシ科)
胞子を作る器官の集まりである「胞子のう群」は葉の中心の軸と葉縁の間に並んでついている。名前の由来は軒下などにも生え、忍のように着生することから。ヒメノキシノブは小さくて葉の先端が丸い、ノキシノブは尖っている。
ヒメノキシノブ金時181213

アブラチャン   (クスノキ科)
分岐点付近にありました。冬芽の状態です。ボクシングのファイティングポーズの様に見えます。真ん中の葉芽が頭で両側の花芽がグローブを付けた手です。クロモジの冬芽に似ているがアブラチャンの花芽は球形。
アブラチャン金時181213


コゲラ   (野鳥)
餌を探しているのか、幹を突きながら次の木に移動していました。ヤマガラ、シジュウカラと混群を形成していました。
コゲラ金時181213

本日のトップ10
1.霰が落ちた登山道
2.ツチグリ
3.ヤドリギ
4.フジイバラ
5.リョウブ
6.メギ
7.ツルウメモドキ
8.ヒメノキシノブ
9.アブラチャン
10.コゲラ

箱根PV 原田

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