箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

金時山自然情報 2018年6月14日

 今にも雨が降り出しそうな空模様でしたが、実施可否の判断基準より低い降水確率により観察会は実施しました。ヤマボウシが目立ちました。登山道脇にも沢山咲いていましたが、外輪山の白く見える山肌はヤマボウシです。分近点ではシモツケが可憐なピンク色を付けていました。今日は小屋で昼食を取らず、長尾山で取りました。その時、曇り空から太陽が現れると、エゾハルゼミが一斉に鳴き始めました。ホトトギス、ツツドリ、カッコウの声を聞きました。カッコウの声は遠く仙石原から聞こえていました。
 花、鳥、虫を楽しんだ観察会でした。

ヤマボウシ
登山道脇に沢山見られましたが、外輪山の山肌が白く染まる程咲いていました。白く見えるのは花弁ではなく、総苞片です。箱根を代表する樹です。
ヤマボウシ金時180614

シモツケ
分近点周辺で咲いていました。名前の由来は下野(しもつけ)の国(現在の栃木県)で(染料用に)栽培にしたことによる。
シモツケ金時180614

コアジサイ
頂上付近で咲いていました。装飾花を持たないアジサイはこの花だけです。ほのかな香りがします。装飾花がないので香りで虫を引きつけているのかも知れません。
コアジサイ金時180614

ヤマアジサイ
麓で咲いていました。湿気のある所を好むようです。葉は長楕円形~卵状楕円形名前の由来は山に生えるアジサイ。
ヤマアジサイ金時180615

ウツギ
ヤマボウシに負けじとこの花も咲いていました。 別名はウノハナ(卯の花)。名前の由来は、茎を折ると中が中空(空洞)になっていることによる。
ウツギ金時180614

アカショウマ
公時神社の周辺で咲いていました。名の由来は漢方薬になるショウマ(升麻)に似ていて、茎の下部や葉柄の基部が赤いことによる。
アカショウマ金時180614

コナスビ
登山道を外れた所でひっそり黄色い花を付けていました。名前の由来は果実がナスビに似ていることによる。
コナスビ金時180614

ナンキンナナカマド
頂上付近で実を付けていました。果実の色は何とも言えません。これから赤くなります。鳥の好物でヒヨドリ、ムクドリ等がよく食べます。
ナンキンナナナカマド金時180614

マユミ
長尾山周辺で沢山咲いていました。地味な色の花ですが、虫を結構引きつけます。名前の由来は、材質が強くて、ゆがみなく、良くしなえるので、弓の材料に使用されたことによる。和紙、印鑑、櫛の材料にもなっている。
マユミ金時180614

エゾハルゼミ
箱根では山地のブナ林などの落葉広葉樹林に生息しています。長尾山で休んでいると、曇り空から晴れに変わると一斉に鳴き始めました。「ミョーキン・ミョーキン・ケケケケ…」と特徴的な声です。
エゾハルゼミ金時

本日のトップ10
1.ヤマボウシ(花)
2.シモツケ(花)
3.コアジサイ(花)
4.ヤマジサイ(花)
5.アカショウマ(花)
6.ホトトギス(野鳥、囀り)
7.カッコウ(野鳥、囀り)
8.ツツドリ(野鳥、囀り)
9.アオバト(野鳥、囀り)
10.エゾハルゼミ(昆虫、鳴き声)

箱根PV 原田


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金時山自然情報 2018年5月10日

 今日の観察会は今までに経験したことのない大変なものでした。金時山の頂上あとわずかなところでシロヤシオを観察していると雷が鳴り始めました。山の雷は怖いので引き返すことにしました。雨が降ってきて、アラレも混じった雨が強烈に体に当たりました。我慢できずカッパを着ました。そのうちアラレだけになり、登山道は真っ白になりました。登山道脇の谷は滝のように水が流れていました。頂上に立たず、引き返すことはなかなか出来ないことです。安全第一のこの行動は間違ってないと思います。
 その様なわけで、普段の観察コースより短いですが、それなりに観察することは出来ました。植物は白い花です。ツリバナ、シロヤシオ、ヒメウツギ、オトコヨウゾメ、ズミ、ツボスミレでしょうか。春から初夏に移る時には白い花は金時山によく似合います。その中でツリバナは一番です。緑がかった白色ですが、太い枝から細い花柄が下に垂れた花を付けている姿は何とも言えません。麓から分岐点でヤブサメが盛んに囀っていました。また、頂上付近からコルリが綺麗な声で囀っていました。その他はムカデみたいなキシャヤスデです。登山道の石についていました。
 今日は大変な観察会でしたが、下山したときは普段では経験できない良い経験をしたと感じた次第です。

アラレの降った登山道
登山道金時180510

新しくなった鳥居
ゴールデンウィークにお披露目して賑わったことでしょう。
鳥居金時180510

サルトリイバラ
分岐点の手前で咲いていました。名の由来は茎にとげが有り、それに猿がひっかかるとか。関西以西ではこの葉を用いて餅を作った。お餅を2枚の葉で挟んでいます。私は関西以西の生まれで、子供の頃はこの餅を柏餅と思っていました。
サルトリイバラ金時180510

ツリバナ
公時神社から歩き始めるとこのツリバナの花に気が付きました。花の色は白っぽい黄緑色で五弁です。名の由来は花や実が長い柄に下垂し、下向きに付くためです。可愛い花です。
ツリバナ金時180510

ヒメウツギ
公時宿り石の上に生えていました。川沿いの岩の上など日当たりのよい所に生えるようです。名の由来はウツギより葉や花が小型なためです。漢字は姫空木。
ヒメウツギ金時180510

オトコヨウゾメ
分岐点付近で咲いていました。日本固有種です。名の由来は色々あるようです。ヨウゾメはカマズミの地方名。果実は苦くて食べられないので「男」をつけたとか。食べられないのが何故「男」なのでしょうか?
オトコヨウゾメ金時180510

ズミ
分岐から少し登った所に咲いていました。コナシ、コリンゴとも呼ばれています。日本では昔からリンゴの接木用台木に使われていたようですが、現在では使われてないようです。
ズミ金時180510

シロヤシオ
この花を観察中に雷が鳴り出したので下山しました。金時山から長尾山の稜線上は沢山咲いていると思います。葉が開くと同時に純白の花を1~3個つけます。枝先に5枚の葉が輪生状に付くことから、別名ゴヨウツツジ。
シロヤシオ金時180510

ホソバテンナンショウ
マムシグサの仲間は性転換します。雄花の時に虫が上から入り花粉を体に付けて花の下にある出口からでます。雌花の時には出口がなくなります。虫が入った場合は下の方からは出られません。また上にも行けない構造になっています。
ホソバテンナンショウ金時180510

ヒラズネヒゲボソゾウムシ
この時期に公時神社周辺でよく見かけるゾウムシです。体全体が金緑色の光沢のある粉に覆われています。スギ・ヒノキなど
の針葉樹の新芽を食べる害虫です。
ヒラズネヒゲボソゾウムシ金時180510

キシャヤスデ
登山道の石についていました。名前の「キシャ」は「汽車」です。大量発生して線路上を覆い汽車をとめることでついた名前です。八ヶ岳の小海線でのキシャヤスデの大量発生は新聞を賑やかせました。
キシャヤスデ金時180510

本日のトップ10
1.サルトリイバラ(花)
2.ツリバナ(花)
3.ホソバテンナンショウ(花)
4.シロヤシオ(花)
5.ヒメウツギ(花)
6.オトコヨウゾメ(花)
7.ズミ(花)
8.ウワバミソウ(花)
9.ヤブサメ(野鳥、囀り)
10.キシャヤスデ(節足動物)

箱根PV 原田


金時山自然情報 2018年4月12日

2月、3月が天気の不順で実施できず、3ヶ月振りの金時山でした。いつもは数名の参加者ですが、今回はビジター2名とVC参加者1名を含め9名で大盛況でした。公時神社の鳥居を新しくする工事中でした。いつもの通り安全祈願してスタートしました。
植物の見頃はスミレでした。ナガバノスミレサイシンは麓の登山道脇に沢山咲いていました。エイザンスミレも所々見られました。しかし金時山の一番はオトメスミレです。タチツボスミレの変種で、花弁が白かかすかに紫色で距だけが紫色のこのスミレは金時山によく似合います。名前の通り乙女峠の下りで沢山見ることが出来ました。夏鳥が沢山来ていました。コマドリ、センダイムシクイ、ヤブサメ、クロツグミ等です。南の方から渡って来て直ぐに囀っているのでしょう。本日の囀りの一番はコマドリです。馬のいななきに似て高い澄んだ鳴き声は遠くに良く透ります。長尾山に向かう鞍部のササの中で囀っていました。ビロードツリアブが沢山見られましたが、本日の虫の一番はベニヒラタムシです。全体につやのある黒で翅だけが鮮やかな紅色です。体がつぶれたように平らな姿は滑稽に見えます。樹皮に潜るために平らになったのでしょう。
スミレに堪能し、夏鳥の囀りに感動し、平らな体の紅い虫に驚き、金時山の春を楽しんだ観察会でした。

金時山からの富士山
春霞のためか北岳などの南アルプスはよく見えませんでした。
富士山展望金時180412

オトメスミレ
乙女峠から乙女口の下りで沢山見ました。タチツボスミレの変種で、箱根乙女峠が基準産地です。
オトメアオイ金時180412

ナガバノスミレサイシン
公時神社から林道までの登山道脇で沢山見ました。
ナガバノスミレサイシン金時180412

エイザンスミレ
オトメスミレ、ナガバノスミレサイシンとは異なり特定の場所ではなく、登山道脇で沢山見ました。
エイザンスミレ金時180412

シュンラン
一輪が登山道脇で咲いていました。金時山では余り見かけません。
シュンラン金時180412

アセビ
今が満開です。金時山から長尾山までの稜線が見頃です。
アセビ金時180412

ミツバツチグリ
黄色い花は登山道脇ではよく目につきます。
ミツバツチグリ金時180412

マメザクラ
サクラ類は余り見かけませんでしたが、このマメザクラは良く咲いていました。麓は終わり花で頂上付近は満開でした。
マメザクラ金時180412

ニワトコ
金時山から長尾山の稜線で見かけました。ブロッコリンによく似た蕾です。食べるとお腹を壊します。
ニワトコ金時180412

アブラチャン
この花の色はミツバツチグリの黄色と違い渋い黄色です。
アブラチャン金時180412


本日のトップ10
1.ナガバノスミレサイシン(花)
2.オトメスミレ(花)
3.エイザンスミレ(花)
4.シュンラン(花)
5.ミツバツチグリ(花)
6.アセビ(花)
7.ミツバツツジ(花)
8.コマドリ(野鳥、囀り)
9.ゴジュウカラ(野鳥)
10.ベニヒラタムシ(昆虫)

箱根PV 原田

金時山自然情報 2018年1月11日

 今年初めの金時山自然情報は風もない快晴でしたが、寒かったです。登山道の両側には霜柱があり、金時宿り石のしめ縄には氷柱が垂れ下がっていました。人工林を抜けて自然林になった所に2年前に風で倒れたイヌツゲがあります。倒木から新しい枝(崩芽枝)が出ていました。子孫を残そうとする生命力には驚きです。山頂に着くと雪を抱いた富士山と甲斐駒ヶ岳などの南アルプスが見えました。この時期は空気が澄んでいた遠くまで眺望出来ます。登山者も少なく静か山行が出来ます。のんびり冬の金時山に登ってみては如何でしょうか。冬期だけに見られる情景があり、新しい発見があるかも知れません。念のため、アイゼン、スパッツの持参を勧めます。

霜柱
登山道脇にありました。昼を過ぎても溶けずに残っていました。
霜柱金時180111

氷柱
宿り石のしめ縄に垂れ下がっていました。
氷柱金時180111

イヌツゲの崩芽枝(ほうがし)
2年前に風で倒れたものです。新しい枝が出ていました。生命力には驚きです。
イヌツゲ金時180111

ツルリンドウ
実はもうありませんが、緑の葉は目立ちます。
ツルリンドウ金時180111

ツルシキミ
赤い実は目立ちます。毒があると言うのに実が少しありません。誰が持って行ったのでしょうか?
ツルシキミ金時180111

オニシバリ
蕾がありました。もうじき咲きそうです。
オニシバリ金時180111

ウラハグサ
頂上付近にあります。日本特産です。学名のHakonechloa は「箱根産の草」です。箱根で見られることによります。写真の葉は冬のため枯れた状態ですが、普段は緑色です。
ウラハグサ金時180111

ブナの冬芽
登山道近くに低く張り出していたのでよく見ることが出来ました。披針形で、先は鋭くとがり、本年枝と2年枝の境にはっきりし
た輪状の芽鱗痕があります。
ブナ冬芽金時180111

キヨスミミツバツツジの冬芽
金時山から長尾山までの稜線で見ることが出来ます。キヨスミは千葉県の清澄山による。ミツバツツジの冬芽より赤く鮮やかに見えます。
キヨスミミツバツツジ金時180111

ゴジュウカラ
箱根ではあまり見れなくなった野鳥です。ブナの木を逆さまになったりして歩いて、何かを啄んでいました。何を啄んでいるか遠くでしたので分かりませんでした。
ゴジュウカラ金時180111

本日のトップ10
1.登山道脇の霜柱
2.イヌツゲ              崩芽枝
3.ウラハグサ
4.ヤドリギ               果実
5.ツルシキミ             果実
6.ツルリンドウ           緑の葉
7.オニシバリ            蕾
8.ブナの冬芽
9.キヨスミミツバツツジの冬芽

箱根PV 原田

金時山自然情報 2017年12月14日

 箱根山は冬支度でした。天気は雲一つない上天気、しかし寒さの方も真冬並みの温度でした。いつもの通り公時神社へ参詣しスタートです。早速、カシラダカ、赤い実のツルリンドウが迎えてくれました。この時期赤い実となるとツルシキミ、ノイバラもありました。 分岐からの急な上り坂の左側に新しい道ができていました。階段にして約100段あり、土嚢も敷き詰めた素晴らしい登山道にとなっていました。ありがとうございます。山頂からの富士山は雲一つなく、右肩に国内第2峰の雪を被った北岳を従え何とも言えない絶景でした。山頂手前でブナの実が見つけました。また、長尾山手前で実を付けたブナを見ましたが、実はすでに弾けているようでした。
 今日はいつものメンバー3名にPV2名、ビジター1名が加わり6名でした。見るものは少なくなりましたが展望が素晴らしく、和気あいあいの観察会でした。

金時山からの富士山
雲一つ無く、雪を頂いた富士山は見頃でした。
富士山金時171214

新しい登山道
約100の階段で作られていました。分岐から少し登ったところにあります。
登山道金時171214

ブナ
長尾山手前で実を付けたブナを見ましたが、実はすでに弾けているようでした。実はカロリーが高く、山の動物たちの格好の食料になります。誰が食べたのでしょうか。
ブナ金時山171214

ブナ金時山1712141

ツルウメモドキ
乙女峠のベンチ周辺にありました。さく果は3つに割れ、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔をだしています。
ツルウメモドキ金時171214

ヤドリギ
わずかに果実がありました。レンジャク類の大好物です。今シーズンは沢山来て欲しいです。
ヤドリギ金時171214

ツルリンドウ
淡い緑色のコケ(シダ?)の中でのツルリンドウの赤い果実は際立っています。
ツルリンドウ金時171214

オニシバリ
夏に落葉し、冬に葉が茂る珍しい冬緑樹。これから寒くなると言うのにもう蕾がついていました。
オニシバリ金時171214

アカハナワラビ
乙女峠の登山口にありました。アカハナワラビ分かりますか。手前に小さく写っています。後ろにあるのはオオハナワラビと思われます。ツーショットです。
アカハナワラビ金時171214

コガラ
山地に棲むカラ類で留鳥。箱根では普通に生息するが他のカラ類より少ない。何かを食べているようです。木についている虫、木についているコケ?
コガラ金時171214

本日のトップ10
1.金時山からの眺望
2.ブナ           果実
3.ツルウメモドキ     果実
4.ヤドリギ         果実
5.ツルシキミ        果実
6.ツルリンドウ       果実
7.オニシバリ        蕾
8.アカハナワラビ     胞子葉
9.コガラ           野鳥
10.カシラダカ       野鳥

箱根PV 原田

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