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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

【芦ノ湖西岸】 9月14日の自然情報

久しぶりに大勢で。と言ってもビジター1名、パークボランティア5名の計6名で自然情報収集をしました。出発点の箱根町港から箱根森林事務所へ付くまでに41種もの生きものを記録。まだ10分しか経過していません。駐車場にある1本の木には少なくとも7匹のミスジマイマイが幹や枝、葉に付いていました。ミスジマイマイは木登りカタツムリとも言われています。

箱根森林事務所の少し先にある広場に黄色い花と可愛らしいウリの実。初めて見ました。調べるとオキナワスズメウリ。熱帯原産で沖縄地方では自生しているそうです。ここで栽培しているようには見えませんでした。
オキナワスズメウリ ウリ科 オキナワスズメウリ属
オキナワスズメウリ

同じ広場には別の黄色い花も咲いていました。実も有ります。マメ科の花で捩じれています。ヤブツルアズキのようです。でも少しゴツイ感じ。
ヤブツルアズキ マメ科 ササゲ属
ヤブツルアズキ?1

駒形神社西側の広場でウスバキトンボの群れがユスリカの蚊柱を襲っていました。動きが早くその様子は記録できませんでした。写真には5頭(矢印)が写っています。
ウスバキトンボ トンボ科
ウスバキトンボ

駒形神社を過ぎて藪になった所にノコンギクが咲き始めていました。秋を感じます。
ノコンギク キク科 シオン属
ノコンギク1

足元には青色が鮮やかなツユクサ。花季が長~い。
ツユクサ ツユクサ科 ツユクサ属
ツユクサ

目を上げると笹の奥の方に子グモ(左)を見守る母グモ(右)がいました。クサグモです。念のため母グモを棒で突いてみました。逃げません。でも生きていました。
クサグモ タナグモ科
クサグモの母グモと子グモ

網の中心に鮮やかなクモ。イシサワオニグモです。写真に撮ってメンバーに見てもらいましたが良く分からないとのこと。シャーレに入れて確認しました。感想は「困ったおじさん顔」。
イシサワオニグモ コガネグモ科
イシサワオニグモ

あちこちの花で腹部の長いハチが吸蜜しています。キンケハラナガツチバチ。漢字で金毛腹長土蜂。生えている毛が金色で腹部が長く土に潜る蜂。土に潜って中にいるコガネムシの幼虫を針で麻酔させ卵を産みます。孵化した幼虫はコガネムシを食べて育つ。寄生蜂です。
キンケハラナガツチバチ ツチバチ科
キンケハラナガツチバチ

三ツ石が近くです。所々でツルニンジンの花が咲いています。花の中を覗くと色と形の組み合わせが見事で、万華鏡のよう。
ツルニンジン キキョウ科 ツルニンジン属
ツルニンジン

ツルニンジンの花にキイロスズメバチが潜って行きます。あっちの花こっちの花と。頭部の後ろが花粉で白い。働いています。
キイロスズメバチ スズメバチ科
キイロスズメバチ

晴天で日向は暑いけれど心地良い風が吹いて気持ちが良い。風に揺れるマツカゼソウ。匂いが強いのでシカは食べません。
マツカゼソウ ミカン科 マツカゼソウ属
マツカゼソウ

白浜が近くなってきました。ここまででも各所でゲンノショウコの花が見られましたが、この辺りはベニバナゲンノショウコが目立ちます。
ベニバナゲンノショウコ フウロソウ科 フウロソウ属
ベニバナゲンノショウコ2

白浜を望める岬で若いカケスがヤマボウシの果実を美味しそうに幾つも食べていました。
カケス カラス科 カケス属
カケス1
カケス2

白浜に出ました。ここで昼食です。砂浜ではヒメシロネガ花盛りでした。
ヒメシロネ シソ科 シロネ属
ヒメシロネ

昼食を食べ終わった時点で13時を過ぎていました。まだ行程の4分の1も超えていません。この後、ペースを上げてもビジターセンター到着は17時を過ぎてしまいそうです。この先少し行ってから来た道を戻ることにしました。ネコヤナギの枯れ枝の先にナツアカネが停まっていました。
ナツアカネ トンボ科
ナツアカネ

白浜トイレ近くに巨大なウバユリが有りました。果実を7個も付けています。
ウバユリ ユリ科 ウバユリ属
ウバユリ実

三ツ石付近で幹の高いところから樹液が流れ出ているモミジの木がありました。クワガタムシが樹液を吸っていますが高いので種を確認できません。望遠で撮影してコクワガタと判明しました。
コクワガタ クワガタムシ科
コクワガタ

箱根町港駐車場に戻ったのは15時30分でした。距離は短かったのですが密度の濃い自然情報収集でした。

本日のトップ10
①カケス ②ツルニンジン ③コクワガタ ④ミスジマイマイ ⑤イシサワオニグモ ⑥ウスバキトンボ・ナツアカネ ⑦クサグモ ⑧キンミズヒキ・ヒメキンミズヒキ ⑨ヒメシロネ  ⑩ベニバナゲンノショウコ

鈴木
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【芦ノ湖西岸】 8月9日の自然情報

天気予報では晴天。暑さを警戒しました。しかし出発点の箱根町港では雲が低く西風が強い。結局、終日曇り空で心地よい風が吹く歩きやすい一日でした。

芦ノ湖への川の流れ込み西側にヒメガマの穂が目に付きました。ボート桟橋の途切れた西奥を望むとヒメガマの群落。開発の進んでいない昔は箱根町港全体がヒメガマに覆われていたのかなと想像しました。
ヒメガマ ガマ科 ガマ属
ヒメガマ群落

芦川入口付近にある空き家の塀にある小さな棚。ここにコバギボウシが咲いていました。まるで「御覧下さい」と植えたみたいです。
コバギボウシ クサスギカズラ科 ギボウシ属
コバギボウシ

ツルニガクサの花が所々に咲いているな、と思っていたら群落がありました。ご褒美を頂いたようです。
ツルニガクサ シソ科 ニガクサ属
ツルニガクサ

足元には2枚の葉の間に1つの赤い実がポツリぽつりと。コバノフユイチゴです。別名マルバフユイチゴ。
コバノフユイチゴ バラ科 キイチゴ属
コバノフユイチゴ(マルバフユイチゴ)実

先月、花だったエビガライチゴも結実していました。実が取れた後の総苞のオレンジ色が鮮やか。残っている実よりも多い。 誰かが摘んでいるのかな。
エビガライチゴ バラ科 キイチゴ属
エビガライチゴ実

葉の上に小さなカタツムリ。でも殻の形が変わっています。表側が平らで体の出入り口が下側に膨れています。調べると貝が幼い頃はこのような形状になるらしいです。ウスカワマイマイのようです。
ウスカワマイマイ ナンバンマイマイ科 上:幼貝 下:成貝
ウスカワマイマイの幼貝?
ウスカワマイマイ

ヒメキマダラセセリがチヂミザサの葉に止まって腹部を曲げていました。さては産卵? 念の為、葉の裏側を見てみました。有った-‼  母蝶の写真は産卵後に別の葉に止まったものです。
ヒメキマダラセセリ セセリチョウ科
ヒメキマダラセセリ卵
ヒメキマダラセセリ♀

深良水門の水路の向う岸を見るとウバユリの花が水路に沿って並んで咲いています。背の高いもの、低いもの、多層構造になっています。
ウバユリ ユリ科 ウバユリ属
ウバユリ2

湖尻峠登山口付近で地表近くを小さな蝶が行ったり来たり。暗くてよく分かりませんが緑色と橙色の組み合わせからアオバセセリと推察。やっと地面に止まったので双眼鏡で確認。正解でした。フラッシュを点灯したので複眼が光っています。この幼虫に会いたいな。
アオバセセリ セセリチョウ科
アオバセセリ

急いで歩いてきたけど湖尻水門直前でまたストップ。アカガシの樹液に昆虫が集まっています。オオスズメバチの他に珍しいスズメバチが混じっています。頭・胸が濃い褐色で腹部が黒色。チャイロスズメバチです。配色だけでなく習性も興味深い。この女王は他のスズメバチの巣に入り込み、家主の女王を殺して巣を乗っ取る。そこの働きバチをそのまま使い最終的にはチャイロスズメバチだけで生活します。
チャイロスズメバチ スズメバチ科
チャイロスズメバチ


芦ノ湖キャンプ村には16時15分に到着しました。

本日のトップ10
① アオバセセリ
② ツルニガクサ
③ ヒメキマダラセセリ産卵
④ エビガライチゴ
⑤ ヒメガマ
⑥ コバノフユイチゴ
⑦ アサギマダラ
⑧ カタツムリの仲間
⑨ チャイロスズメバチ
⑩ ウバユリ

鈴木

【芦ノ湖西岸】 7月13日の自然情報

しばらく前までは猛暑が続いていましたが今日は雨上がりの曇り空。長い距離を歩くには好都合の天候でした。駒形神社を通過したところにある湿原ではコバギボウシ、オカトラノオ、ヌマトラノオ、チダケサシなどの花々が見られました。

チダケサシ ユキノシタ科 チダケサシ属
チダケサシ


湿原の先の藪に絡んでいるスイカズラに毛の長い毛虫が見えました。写真を撮ろうと近寄ると威嚇のポーズ。オビガの幼虫。これでもカイコの仲間です。

オビガ幼虫 カイコガ科
オビガ幼虫


白浜までの道沿いにはニガイチゴの艶やかな果実が所々に。エビガライチゴは咲き始めでした。

ニガイチゴ バラ科 キイチゴ属
ニガイチゴ実


エビガライチゴ近くに黒色の腹部にオレンジ色の紋があるオシャレなクモが居ました。

アシナガサラグモ サラグモ科
アシナガサラグモ1


ヤマアジサイは遊歩道全般にわたって見られて花盛り。同じようにスジコガネ、オバボタルもあちらこちらで顔を出してくれました。オオルリの美しい囀りは全域で耳にすることが出来ました。

ヤマアジサイ アジサイ科 アジサイ属
ヤマアジサイ


スジコガネ コガネムシ科
スジコガネ


三ツ石付近のウツボグサの花にはトラマルハナバチとヒメキマダラセセリが来て盛んに蜜を吸っていました。

ウツボグサ シソ科 ウツボグサ属
トラマルハナバチ ミツバチ科
ウツボグサ・トラマルハナバチ1


白浜トイレを過ぎたところで咲き始めたナガエオオカモメヅル。傍らにはムネアカサルハムシ。形と色の対比がかわいらしい。

ナガエオオカモメヅル キョウチクトウ科 カモメヅル属
ムネアカサルハムシ ハムシ科
コバノカモメヅル・ムネアカサルハムシ


白浜にはイヌゴマの花。平地の物に比べ茎の紫色が濃いので違って見えます。遊歩道に戻ってミズタマソウ似のタニタデ。ヤマカガシも出て来ました。

タニタデ アカバナ科 ミズタマソウ属
タニタデ


その後、真田浜まで花は少ないもののアズマヒキガエルの幼体、サワガニなどが姿を見せてくれました。亀ヶ崎付近で発酵臭がします。アカガシがカシノナガキクイムシに開けられた穴から樹液を出しているのです。耐えて生き抜きました。生命力を感じます。遠目にも分かる樹皮の剝がされたエゴノキ。ニホンジカのしわざの様です。食料が豊富なこの季節になぜ? 薬用?

樹皮剝ぎ・エゴノキ


湖尻水門、下流側のヨシ原にツバメが集まっています。現在は10羽位(写真は3羽です)。もっと暗くなれば増えるかな? ここがねぐらの様です。

DSCN4888ツバメのねぐら


ゴールのキャンプ村には16時36分に到着しました。

本日のトップ10
① シカの樹皮剝ぎ(エゴノキ)
② スジコガネ
③ ナガエオオカモメヅル
④ ナラ枯れに耐えたアカガシ
⑤ ツバメのねぐら
⑥ オバボタル
⑦ ウツボグサ
⑧ ヤマアジサイ
⑨ ノリウツギ
⑩ オオルリ

鈴木

芦ノ湖西岸自然情報2022年5月7日

 2か月ぶりの自然情報収集です。箱根町港駐車場から白浜あたりまでは時々小雨が降る天候でしたが、それ以降は時折青空が広がり暑くもなく快適に歩くことが出来ました。
 白浜まではイチゴの仲間が多くみられました。オヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴ、ニガイチゴが花、モミジイチゴは実になっていました。

ニガイチゴ バラ科
ニガイチゴ 20220507西岸


クマイチゴはまだ蕾でしたが葉の上には小さなタマムシが何匹も見られました。シロオビナガボソタマムシでした。

シロオビナガボソタマムシ タマムシ科
シロオビナガボソタマムシ 20220507西岸


足元の草の葉の上に上翅が赤色で頭と胸が黒色の小さな昆虫が居ました。ニホンベニコメツキです。コメツキムシの仲間は地味な色合いが多いのですがこの昆虫は目立ちます。毒を持つベニボタルに擬態している、と考えられています。

ニホンベニコメツキ コメツキムシ科
ニホンベニコメツキ 20220507西岸


タニギキョウ、ニガイチゴ、ホソバテンナンショウそれにトウゴクミツバツツジは遊歩道先般にわたって見られ正に花盛りです。

トウゴクミツバツツジ ツツジ科
トウゴクミツバツツジ 20220507西岸


白浜では身体の色がまだ不明瞭な羽化したばかりのアオサナエが翅を乾かしていました。

アオサナエ サナエトンボ科
アオサナエ 20220507西岸


白浜から真田浜までの沢筋ではコチャルメルソウが実を付け始めていました。実の形は名前の由来となったチャルメラに似ているのかな?

コチャルメルソウ ユキノシタ科
コチャメルソウ 20220507 西岸

 ナラ枯れで枯れた枝が多数落下した所に黒い毛玉の様な物がありました。何だが判明しませんがナラの枝に乗っていた鳥の巣材かも知れません。

黒い毛玉
毛玉 20220507 西岸


小杉ノ鼻近くの沢筋では例年通り多くのハコネシロカネソウが咲いているのを確認しました。

ハコネシロカネソウ キンポウゲ科
ハコネシロカネソウ 20220507西岸


深良水門の路上に木屑が多数散乱していました。見上げるとちょうどコゲラが巣穴から顔を出した時で、すぐに飛び去って行きました。驚かせたようでゴメン。

コゲラの巣穴
コゲラの巣 20220507西岸


ゴールのキャンプ村には15時37分に到着。例年に比べ多くのキャンパーで賑わっていました。

本日のトップ10
①ハコネシロカネソウ 花盛り
②タニギキョウ     花盛り
③ニガイチゴ      花盛り
④ツルカノコソウ    開花
⑤カヤラン        開花
⑥ホソバテンナンショウ花盛り
⑦トウゴクミツバツツジ花盛り
⑧フモトスミレ     開花
⑨コゲラの巣      巣作り中で木屑散乱
⑩ニホンベニコメツキ 葉上に居た

箱根PV 鈴木教正 代筆 段

2022年3月23日 芦ノ湖西岸自然情報

2022年3月23日、まん延防止措置が解除されたため、自然情報収集を再開しました。

気温は-1℃(8時30分)箱根町港、参加PV2名です。
3月末とはいえ、箱根は雪が残っていました。
白い富士山も久々に見た気がします。

芦ノ湖 西岸 20220323

8時30分に箱根町港を出発し、久々のフルコースを歩く予定ではありますが、積雪次第では無理をせずに戻るという選択肢を用意していきました。

観察コースはアセビが花盛り。
雪をかぶった姿もきれいです。

アセビ 西岸 20220323

アセビ ツツジ科
英名はJapanese Andromeda ギリシア神話のアンドロメダ姫が由来です。
日本の固有種で英名は美しいですが、毒性が強く、漢字では馬酔木と馬が酔う木と書きます。

積雪が多く、下から生えている植物は全く見られず、白浜まで行くと、その名の通り、まさに真っ白な浜が広がっていました。
白浜 西岸 20220323

白浜で見られるネコヤナギはシカに食べられてはいましたが、雪をかぶった状態で盛りを迎えていました。

ネコヤナギ ヤナギ科

ネコヤナギ 西岸 20220323


この先どのようになるかと思い進むと、案の定積雪で先へ進むには危険と判断し、戻りました。

途中電線に挟まったつららがあり、危ないなーなんて思い、船で桃源台へ移動。

つらら1 西岸 20220323

久々に海賊船を利用しましたが、値段が高くなったなぁ~なんて思いました。
船も減便ダイヤで、1時間20分間隔でした。

桃源台からは亀ヶ崎の先の安全な部分の自然情報収集をしました。

咲き始めのタチツボスミレやダンコウバイ、ミツマタ、シキミといったあたりが目立っていました。

タチツボスミレ スミレ科
ごく一般的によく見られるスミレで、早いものは1月ごろから咲き始める個体もあります。
ハート形の葉っぱが特徴的で、近似種も多数存在します。
この花が見られると、春なんだと思います。

タチツボスミレ 西岸 20220323

ダンコウバイ クスノキ科
雌雄異株で香りが強いため、漢字では檀香梅と書きます。
ダンコウバイ 西岸 20220323

ミツマタ ジンチョウゲ科
三つ叉に分かれた枝の先に黄色い花を咲かせ、一年枝の樹皮は和紙や紙幣の原料として用いられます。
ミツマタ 西岸 20220323

シキミ マツブサ科
日本の植物で唯一劇物に指定されています。
果実がハッカクににているため、誤食して中毒になる報告例も上がっています。
最悪死に至ります。

シキミ 西岸 20220323

また北側でも立派なつららがありました。

つらら 西岸 20220323

寒いながらもウグイスのさえずりが聞こえたり春は確実に来ていると感じた自然情報収集でした。

本日のトップ10
①雪景色・つらら 景色
②アセビ 花盛り
③ネコヤナギ 花盛り
④シキミ 花盛り
⑤ミツマタ 咲き始め
⑥ダンコウバイ 花盛り
⑦ウグイス さえずり
⑧オニシバリ 花盛り
⑨タチツボスミレ 咲き始め
⑩オオカサゴケ コケ

箱根PV 段

4月はメンバーの体調不良により中止、5月も実施できるか微妙です。