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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2022年9月23日

台風15号が接近中、暴風雨にならないか心配していましたが、幸いにも雨に降られずにミニ観察会を開催することができました。このような天候にもかかわらず、子供さん1名も参加され、ビジターさん8名、パークボランティア4名、合計12名の観察会となりました。
季節は初秋を迎え、ビジターセンター周辺にある様々な果実や、見頃を迎えた秋の植物・昆虫などを観察しました。

ヤブマメ マメ科 ヤブマメ属
ヤブマメ VC20220923
県保全センターへの道端に、ヤブマメが咲いていました。ヤブマメはツルマメと同じつる性の1年草です。花の先が蝶のような、淡紫色の蝶形花です。白っぽい花びらのふちは濃い紫色をしています。葉はひし形(広卵形)の3小葉です。藪の中でも、木に巻きついて成長する、強い野草の一つです。

ツルニンジン キキョウ科 ツルニンジン属
ツルニンジン VC20220923
同じ道端に、ひっそりと咲いているツルニンジンを見つけました。花は広鐘形の白緑色で、花冠の先は浅く5裂して反り返っています。 花の内側には赤紫褐色の筋や斑点が多いです。この斑点をソバカスにたとえ、「ソブ」と言う長野県木曽地方の方言から、別名ジイソブとも呼ばれています。

マツムシソウ スイカズラ科 マツムシソウ属
マツムシソウ VC20220923
県保全センターの横庭にマツムシソウが群生して見頃です。花は上を向いて咲くので、昆虫が止まりやすく、色々な虫に人気があります。アカタテハやキタテハなどが花の蜜を吸っていました。

コアオハナムグリも花の蜜を吸いに来ていました。
マツムシソウにコアオハナムグリ VC20220923

コブナグサ イネ科 コブナグサ属
コブナグサ VC20220923
別の横庭一面にコブナグサが群生していました。葉の形が鮒に似ていることから「小鮒草」と名づけられました。葉の基部は茎を抱いて、葉の縁は大きく波打っています。同じイネ科のカリヤスとともに、古くから黄色染料として使われてきました。八丈島の黄八丈はこの草から染められています。

ゴマギ ガマズミ科 ガマズミ属
ゴマギ VC20220923
自然学習路では、ゴマギが、赤い実と、熟した黒い実を、たわわに付けていました。ゴマギは、ガマズミやヤブデマリと同じガマズミ科の仲間なので、赤い実のころはそっくりですが、実をつけている茎が赤いのでゴマギとわかります。遠目からも人目を惹くような色合いです。

ウド ウコギ科 タラノキ属
ウド VC20220923
ウドが、花から実になったばかりの若い果実を付けていました。シシウドは小さい花がたくさん集まった大きなお皿のような花のつきかたですが、ウドは、球形がバラバラに配置されたような形の花のつきかたです。

モミジガサ キク科 コウモリソウ属
モミジガサ VC20220923
ビジターセンター周辺では、モミジガサの開花がいたるところで見られます。1個の頭花は、ほぼ5つの筒状花からなります。よく見ると、雌しべの先が2つに割れてくるっと巻いています。独特の香り、ほろ苦み、シャキッとした歯触りで、秋田ではシドケと呼ばれ人気ナンバーワンの山菜です。

ミツバアケビ アケビ科 アケビ属
ミツバアケビ3 VC20220923
野鳥の森で、ミツバアケビが豊かに実っていました。まさに秋の実りです。紫色に熟した実は、やがて裂開して、甘い香りを出します。

ガマズミ ガマズミ科 ガマズミ属
ガマズミ VC20220923
箱根の秋の果実といえば、やはりガマズミです。ビジターセンター入り口近くのガマズミが、雨に濡れて、それは美しく輝いていました。

本日のトップ10
1.  マツムシソウ  満開
2.  ミツバアケビ  豊かに実る果実
3.  ツルニンジン  開花
4.  コブナグサ  群生
5.  ゴマギ  たわわに実る果実
6.  サルナシ  果実
7.  シロヨメナ  満開
8.  モミジガサ 開花
9.  ヒナバッタ  飛翔
10. エナガ  群れで果実をついばみ

箱根PV  高橋




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ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2022年9月9日

ビジターセンター周辺は、日に日に秋らしくなってきています。薄曇りで気温22℃、風が心地よく気持ちの良い初秋の観察会です。ビジターさん12名(初めての参加者7名)に参加いただき、パークボランティア6名、VCスタッフ1名、合計19名のミニ観察会です。

本日のテーマは「クモの巣(網)その3」、巣(網)を見ればクモの種類がわかるの3回目です。巣が違えば生き方が違うのがクモです。季節が違えば見られる巣も違います。今回はどんな巣に出会えるでしょうか。ビジターさんには、水の入った小さな霧吹きスプレーをお渡しし、クモの巣にスプレーをかけて、実際のクモの網を観察していただきました。

ヒメグモ ヒメグモ科
ヒメグモ1 VC20220909

ヒメグモ VC20220909
クモそれぞれによって網の張り方が違います。ヒメグモは、下側にシート状の網、上部に不規則な網を張ります。不規則な網の中に枯葉を付けているのが特徴です。クモはその中に隠れて居て獲物が不規則な網に当たって、シート状の網に落ちたところを襲います。

ギンメッキグモ コガネグモ科
ギンメッキグモ VC20220909
ギンメッキグモは、垂直の目の細かい円形の網を張ります。多くのクモは頭部を下に向けて網に留まりますが、このクモは頭部を上に向けます。多くの円形の網は、下方の面積が広いのですが、このクモの網は上方が広いです。腹部が銀色に輝いているのでこの名前になったようです。

チュウガタシロカネグモ アシナガサラグモ科
チュウガタシロカネグモ VC20220909
チュウガタシロカネグモは、草地で水平または斜めの円形の網を張ります。

コガネヒメグモ ヒメグモ科
コガネヒメグモとその子供たち VC20220909
コガネヒメグモは、広葉樹の葉裏とその下側にある葉との間に、縦型の不規則網を張ります。下方の粘着性のある糸に触れた獲物を捕らえます。母グモは子グモに口からミルク状のものを与えます。

エリマキツチグリ ヒメツチグリ科 ヒメツチグリ属
エリマキツチグリ VC20220909
ビジターセンター駐車場横では、落ち葉の間からエリマキツチグリが出ていました。外皮がミカンの皮をむいたように割れて、中の袋状の部分を襟巻き様に囲んでいます。

ゲンノショウコ フウロソウ科 フウロソウ属
ゲンノショウコ VC20220909
ビジターセンター周辺のあちらこちらで、今、ゲンノショウコの花が咲いています。ゲンノショウコは、茎が分枝して地を這って広がります。東日本では白色、西日本では赤紫色の頻度が高いと言われています。昔から知られた薬草で、全草を陰干ししたものを、下痢止めの薬として利用します。

ハイメドハギ マメ科 ハギ属
ハイメドハギ VC20220909
子供の広場では、沢山のハイメドハギが花盛りです。茎は基部から倒れて、地面を這って広がります。草丈は10~15cm、花は葉腋に長さ6~7mmの蝶形花を数個付けます。箱根に秋の到来を感じさせる花です。

キンミズヒキ バラ科 キンミズヒキ属
キンミズヒキ VC20220909
キンミズヒキは、7月~10月頃、高さ50cmほどの茎や枝の先に、黄色の5弁花を穂状にたくさん付けます。キンミズヒキは、細長い花の枝をタデ科のミズヒキと対比させた名前です。キンミズヒキも、ダイコンソウと同じく、バラ科のひっつきむしです。

シロヨメナ キク科 シオン属
シロヨメナ VC20220909
シロヨメナも咲き始めました。箱根では、ノコンギクに次いでよく見られる野菊です。ノコンギクが日当たりの良い所に咲くのに対して、シロヨメナは日陰に咲きます。花は、黄色の小さな花が集まった筒状花と、それを取り巻く白色の舌状花が8枚~13枚つきます。葉は3脈が目立ちます。

ウリハダカエデ ムクロジ科 カエデ属
ウリハダカエデ VC20220909
花の広場のウリハダカエデは、果実をつけて所々紅葉した姿が静寂で美しく、まさに箱根の秋が始まる風景です。

ガマズミ ガマズミ科 ガマズミ属
ガマズミ VC20220909
ビジターセンター入り口近くの庭にあるガマズミの実は、今年もまた赤い果実を沢山つけています。これも箱根の秋の風景です。

季節はあっという間に秋に変わりつつあります。この自然の素晴らしさを、思いっきり五感で感じましょう。

本日のトップ10
1.  ヒメグモ 巣内の枯葉に隠れていた
2.  コガネヒメグモ  子グモが葉裏に群れていた
3.  チュウガタシロカネグモ  巣中央にいた
4.  ギンメッキグモ 巣中央で頭部を上に向けていた
5.  ツルボ  子供の広場で咲き始め
6.  ゲンノショウコ  各所で花盛り
7.  ハイメドハギ  子供の広場で花盛り
8.  ミズタマソウ  結実したばかり
9.  エリマキツチグリ  成熟
10. ヒメギス  子供の広場草地でジャンプ

箱根PV  高橋


ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2022年8月26日

ミニ観察会開始時の気温25℃、箱根はやや涼しく感じられました。本日は久々に子供さん1名も参加され、ビジターさん8名、パークボランティア6名、ビジターセンタースタッフ1名、合計15名のミニ観察会でした。本日のテーマは「晩夏、初秋を五感で感じてみましょう」です。マツカゼソウ、ツルボ、オミナエシなど、秋を感じさせる花が見頃を迎えていました。

オトギリソウ オトギリソウ科 オトギリソウ属
オトギリソウ1 VC20220826
漢字名は「弟切草」です。兄が弟を切った時の血しぶきが、葉や花びらに黒点として残ったと言われるように、葉の全体に黒点が見られます。特に葉の辺縁では密になっています。萼や花弁の辺縁にも黒点が見られます。葉は対生で向かい合ってつき、茎を抱きます。

ネコハギ マメ科 ハギ属
ネコハギ VC20220826
ネコハギが、白い蝶形花を付けていました。旗を立てたような形の花びら中央に紫の斑紋があります。ネコハギはつる植物で、茎が地上を這って広がります。全体に軟毛が多く、葉を触るとネコの耳のような感触から、イヌハギに対してネコハギと名がついたとも言われています。

ホツツジ ツツジ科 ホツツジ属
ホツツジ2 VC20220826
自然学習路でホツツジが満開でした。ホツツジの開花を観察したのは初めてです。名前の由来は、花が穂状につくことから、「穂躑躅」と書きます。名前の通り、淡紅白色の花が穂状に付いていました。花びらの先がくるりと反り返り、太い雌しべの花柱は外にまっすぐ長く突き出していました。。

淡紅白色の隣では、白いホツツジも咲いていました。ホツツジは、全木が毒で花蜜にも毒があります。秋には赤く紅葉します。
ホツツジ1 VC20220826

マツカゼソウ ミカン科 マツカゼソウ属
マツカゼソウ VC20220826
マツカゼソウの花期は長く、夏から秋まで花をつけます。ミカン科植物は、木本が主ですが、マツカゼソウ属はミカン科唯一の草本です。葉の全面に油点があり、少しの風でも揺れて、ミカン科の葉の匂いがします。毒草ではありませんが、シカが嫌うため食害を免れています。

アズマヒキガエル ヒキガエル科 ヒキガエル属
タゴガエル VC20220826
本日参加された子供さんが、「ヤマアカガエルを見てみたい」と言われて、林の中の道をヤマアカガエルを探しながら歩きました。途中でヤマアカガエルが、ピョンと飛び出してきましたが、ジャンプ力があり捕獲に失敗しました。代わりに、アズマヒキガエルをシャーレに捕まえることができ、観察しました。子供さんは大満足でした。捕獲したアズマヒキガエルは、観察した後、元の場所に放ちました。

キイロスズメバチ ハチ目 スズメバチ科
キイロスズメバチとカブトムシ VC20220826
7月にアオカナブンやカブトムシが樹液を吸いに来ていたバッコヤナギに、キイロスズメバチが来ていました。カブトムシも樹液を吸いに来ていました。

オミナエシ スイカズラ科 オミナエシ属
オミナエシ VC20220826
ススキ草原の中では、秋の七草オミナエシが凛として咲いていました。名前の由来は諸説ありますが、オミナエシの黄色い花を粟飯に、オトコエシの白い花を白飯に見立てた説や、オミナエシの「オミナ」が「美しい女性」の意味で、同属のオトコエシに比べて弱々しいからという説があります。

ツルボ クサスギカズラ科 ツルボ属
ツルボ VC20220826
ビジターセンター周辺では、今、ツルボがあちらこちらで満開です。箱根に秋が来たことを感じさせてくれる野草のひとつです。地下に球根があり、ピンク色の花を密生した細長い穂を出します。花は下から上に向かって順番に咲いていきます。ツルボの名前の由来は、蔓のような花穂をつけること、穂が連なるという意味でツラホが転じた、球根の皮を剥ぐとつるりとした坊主に見え、ツルツル坊主からツルボになったなど、諸説あります。

ウツボグサ シソ科 ウツボグサ属
ウツボグサ VC20220826
ウツボグサは、別名夏枯草(カコソウ)とも言われるように、花が終わると花穂は褐色に変わって枯れたように見えます。シソ科の特徴である、断面が四角い茎をしています。花穂の形が弓矢を入れる「靭」に似るのが名前の由来です。

アオツヅラフジ ツヅラフジ科 アオツヅラフジ属
アオツヅラフジ1 VC20220826
自然学習路では、アオツヅラフジが沢山の青い実をつけています。アオツヅラフジは、ツル性の落葉樹で、ヤブに絡まって生長します。秋に、約6~8mmの球状の果実が房状に結実し、晩秋のころには、ブドウのような果実が鮮やかな藍色に熟し、とても目立つます。果実は、アルカロイドを含み、有毒です。

ヘクソカズラ アカネ科 ヤイトバナ属 
ヘクソカズラ VC20220826
ヘクソカズラも園地のあちらこちらで満開です。可愛らしい花からは想像できないような、かわいそうな名前のトップグループの一つです。全草に悪臭があるので、この名前がつきました。日本には古くから自生して、最古の和歌集の万葉集の「クソカズラ」の名前で登場しています。花冠は浅く5裂し、中心部が紅紫色です。

本日のトップ10
1.  ホツツジ  満開
2.  ヘクソカズラ  満開
3.  マツカゼソウ  満開
4.  ツルボ  満開
5.  ゴマギ  赤い果実
6.  アオツヅラフジ  青い果実
7.  ヤマアカガエル 林の中移動
8.  アズマヒキガエル  林の中移動
9.  ウスバキトンボ  飛翔
10. オオシオカラトンボ  飛翔

箱根PV  高橋



ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2022年8月12日

連日猛暑が続いていましたが、本日は台風の影響で、朝から雨が降り続いています。本日は、ビジターさん1名、パークボランティア2名、計3名でピークを迎えた夏の花々と、咲き始めた秋の花を観察しました。

ミズタマソウ アカバナ科 ミズタマソウ属
ミズタマソウ VC20220812
ミズタマソウが雨に濡れて、まるで水玉のように輝いていました。果実の表面に白い毛が密生し、露を帯びた水玉を思わせるのが名前の由来です。毛に覆われた子房の上に萼片が二つあり、その上に2裂した花弁が2枚つきます。花弁、萼、雄しべが2個というミズタマソウ属の2数性を持つます。

イヌトウバナ シソ科 トウバナ属
イヌトウバナ VC20220812
ミズタマソウのすぐ側でイヌトウバナが咲き始めていました。筒状の花が数段まばらに輪生します。花弁の先は唇のような形です。花穂の軸には密に毛が生えています。段々に重なった花序が塔のような形に見えることから付いた名です。秋に咲く花の一つです。

コバギボウシ クサスギカズラ科 ギボウシ属
コバギボウシ VC20220812
コバギボウシは園地のあちらこちらで満開です。淡紫色〜濃紫色の花を横向きに開き、内側の脈は濃紫色で鮮やかです。下の小花から順に咲いてゆき、小花は一日花です。十日余りに渡って次々と咲き続けてくれます。

サワヒヨドリ キク科 フジバカマ属
サワヒヨドリ VC20220812
秋の野草、サワヒヨドリも蕾が出てきました。葉は主に3輪生で、細く3行脈が目立ちます。花は蕾の時はピンクで、花が開くと白くなります。サワヒヨドリによく似たヒヨドリバナは、花のかたまりが大きく、背も高くなります。

ダイコンソウ バラ科 ダイコンソウ属
ダイコンソウ VC20220812
ダイコンソウが花と実をつけていました。花柱の先がS字状にカギのように曲がり、これが動物の毛などに引っ付き種子が運ばれます。

ツルリンドウ リンドウ科 ツルリンドウ属
ツルリンドウ VC20220812
ツルリンドウが蕾を付けていました。もうすぐ、園地のいろいろな所で、多くのツルリンドウの花が見られることでしょう。秋に花を見つけるのが楽しみな植物の一つです。

トンボソウ ラン科 ツレサギソウ属
トンボソウ VC20220812
トンボソウが咲いていました。花期は7~8月で夏緑性です。葉は長楕円形で株に2枚つけ、上部に少数の鱗片葉があります。花は小さく、多数が花茎に付き淡緑色です。背萼片は卵形、側萼片は長楕円形、側花弁は狭卵形で背萼片とかぶと状に重なります。

オオバノトンボソウ ラン科 ツレサギソウ属
オオバノトンボソウ1 VC20220812
トンボソウより花期が早いオオバノトンボソウは、花は終わり、もう果実になっていました。葉は互生し下方の2~3枚が大きいです。

クサギ シソ科 クサギ属
クサギ VC20220812
子供の広場近くの林では、クサギが咲いていました。クサギの花期は7月~8月頃です。芳香があり美しく、蛾やアゲハが訪れます。性転換する花で、雄性期は花粉がチョウやガに付きやすい様に雄しべが前に突き出て、雌性期は雄しべはカールして後退し、雌しべが突き出て受粉しやすいようになります。

ゴマギ ガマズミ科 ガマズミ属
ゴマギ VC20220812
自然学習路では、ゴマギの赤い果実がたわわに実り、とても美しく目立っています。楕円形の果実は、最初赤くなり、完全に熟すと黒くなります。

バライチゴ バラ科 キイチゴ属
バライチゴ VC20220812
自然学習路では、バライチゴの赤い実がよく目立ちます。ほかの木イチゴに比べて葉に特徴があります。細長くて小さい葉(小葉)が5~7対羽状につき、さらに先端に小葉が1枚ついた奇数羽状複葉です。小葉の葉先は鋭く尖り、葉の縁には細かい鋸歯があります。

ボタンヅル キンポウゲ科 センニンソウ属
ボタンヅル VC20220812
自然学習路や花の広場では、ボタンヅル、コボタンヅルが満開です。ボタンヅルとコボタンヅルは1回3出葉(ボタンヅル)か2回3出葉(コボタンヅル)で見分けられますが、その中間種も多く見受けられます。

「マント群落」
コボタンヅル VC20220812
ボタンヅル、コボタンヅル、センニンソウなどは、ツルが分枝して他の植物の間を抜け、おおいかぶさり、四方に伸びます。
このような植物群を「マント群落」といい、マントのように森の中の乾燥を防ぎ、一定の温度を保ちます。

雨の中で森の中は涼しく静まり返っていました。そして植物の世界は、そろそろ夏から秋に向かっていました。

本日のトップ10
1.  コバギボウシ 淡紫色の花が満開
2.  ミズタマソウ  露を帯びた水玉状の果実多数
3.  トンボソウ  淡緑色の花が満開
4.  クサギ  薄紅色の萼に白い花が満開
5.  アキノタムラソウ  輪生状に青紫色の花が満開
6.  ボタンヅル  満開・つるがマント状に伸びる
7.  コボタンヅル  満開・つるがマント状に伸びる
8.  ダイコンソウ  黄色い花と鍵状柱頭の果実
9.  ゴマギ  鮮やかな赤色の果実多数
10. サワヒヨドリ  ピンクや白色の蕾が目立つ

箱根PV  高橋



ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2022年7月22日

本日は、雨予報から一転、気温23℃、暑いぐらいの日差しとなりました。ビジターさん4名、パークボランティア8名、ビジターセンター職員1名、計13名のミニ観察会です。本日のテーマは「7月の木の実」です。樹木が花を咲かせた後、どのように実っていくのかを観察します。

ここ箱根ビジターセンター園地は、高さ634mの東京スカイツリーよりさらに100m以上登ったところ、標高770mにあります。箱根では、ミズナラやタンナサワフタギが出てくれば700m以上、コナラ、アオキ、ウラジロガシの芽生えが出てくれば700m以下の所を歩いていることになります。ここ箱根ビジターセンター園地は、ちょうどその境目になります。

ミズナラ ブナ科 コナラ属
ミズナラ VC20220722
ミズナラのドングリが出始めています。ミズナラのドングリは、帽子(殻斗)がおわん形で、短い突起(でっぱり)が数多くついています。栄養豊富なドングリの実は、リスやネズミなどが冬季の食料として埋めて貯蔵し、その一部が食べ残されて芽を出します。これを貯蔵型散布と言います。

タマアジサイ アジサイ科 アジサイ属
タマアジサイ VC20220722
ビジターセンター園地のいろいろな場所で、タマアジサイの開花が始まっています。タマアジサイの花に蜜はなく、花粉を食べにヨツスジハナカミキリ、マルハナバチ等の昆虫が集ります。タマアジサイの葉は、両面とも硬い毛があり、ざらつきます。霧などの時にでも葉から水分が吸収できるようにするためです。

スノキ ツツジ科 スノキ属
スノキ1 VC20220722
スノキは、「酢の木」の名前のとおり、葉を食べると酸味を感じます。子供の広場手間では、スノキが紫黒色の球形の果実をつけています。ブルーベリーに似た熟した果実は酸味があります。果実の先端には萼片の跡が輪状に残っています。

オオバノトンボソウ ラン科 ツレサギソウ属
オオバノトンボソウ2
自然学習路で、これまで見たことのないような大きく立派な、オオバノトンボソウの花を観察しました。花は黄緑色で、背萼片と側花弁はかぶと状に重なり、唇弁は反り返っています。花は20個ほどで、いろいろな向きに咲いていました。葉は互生し下方の2~3枚が大きいです。オオバノトンボソウの名は、花のかたちがまるでトンボの飛ぶ姿に見え、葉が大きいことから来ています。

サンカクヅル ブドウ科 ブドウ属
サンカクヅル1 VC20220722
自然学習路では多くのツル性の植物が実をつけています。サンカクヅルはブドウのような立派な果実をたくさん付けています。果実はまだ緑色ですが、黒く熟すと酸味と甘みのバランスがとれて美味しいです。

アオカナブン・カナブン コウチュウ目 コガネムシ科
アオカナブンとヒカゲチョウ VC20220722
バッコヤナギに多くの昆虫が樹液を吸いに来ていました。アオカナブン(左)とカナブン(右)の2匹が頭を突っ込んで一心不乱に吸っています。人が近づいても全く動く気配はありません。ヒカゲチョウも飛来して一緒に樹液を吸っています。

カブトムシ コウチュウ目 コガネムシ科
カブトムシ VC20220722
さらに、カブトムシも6頭も、バッコヤナギのあちらこちらで樹液を吸っていました。全員が、しばらくの間、大興奮で、少年のように昆虫に見とれていました。

サルナシ マタタビ科 マタタビ属
サルナシ VC20220722
自然学習路では、2cmぐらいのサルナシの果実が豊作です。サルナシは、キウイに似て小粒で美味しいです。クマやサルがサルナシを大量に食べ、種子散布に貢献します。ただ食べ過ぎると、たんぱく質分解酵素で舌の味蕾がやられ、甘みを感じなくなってしまいます。大食いのサルが一度にたくさん食べないようにしています。

ヒグラシ カメムシ目 セミ科
ヒグラシ VC20220722
花の広場から、自然学習路へと散策していると、いたる所でヒグラシの合唱が聞こえてきます。箱根には、スギやヒノキが多いので、ヒグラシが多く、箱根でセミと言ったらヒグラシです。夜も一晩中鳴きつづけます。長い期間鳴きつづけ、箱根の最後のセミはツクツクボウシです。

チダケサシ ユキノシタ科 チダケサシ属
チダケサシ VC20220722
花の広場でチダケサシが咲いていました。花茎の先に、淡紅色の小さな円錐花序の花をたくさん付けています。小さな花が下から咲いていきます。食用になるキノコのチチタケ「乳茸」を茎にさして持ち帰ったところから付けられた名前と言われています。夏の花なので、園地のいろいろな所で見ることができます。

本日のトップ10
1.  オオバノトンボソウ  開花
2.  ミズナラ  果実
3.  サルナシ  果実
4.  イヌザンショウ  咲き始め
5.  タニタデ  開花
6.  チダケサシ  満開
7.  ガクアジサイ  満開
8.  ヒグラシ  園地の各所で大合唱
9.  アオカナブン  バッコヤナギに飛来、樹液を吸っていた
10. カブトムシ  バッコヤナギに飛来、樹液を吸っていた

箱根PV  高橋