箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2018年2月9日

この冬は記録的な寒さが続いています。ビジターセンター周辺にもかなりの残雪が見られ、観察路は所々で凍結しています。ビジターさん10名に参加いただき、パークボランティア17名、合計27名のミニ観察会を開催しました。

本日のテーマは「自然に関わる決まり事 その1」です。箱根で身近な自然がどうやってしっかり守られているかの決まり事である「自然公園法」を取り上げ、前半は館内でレクチャーをおこないました。
穏やかに晴れて観察会日和となったので、後半は安全なコースを選んで歩き厳しい寒さの中頑張っている生き物たちの様子を観察しました。

雪上に散らかっていたものは何でしょうか?そこから上を見上げるとヤマザクラの木がありました。ウソが桜の花芽を食べた食痕です。
ウソの食痕 VC180209

今年は雪があまりに多く、動物たちも移動できなくなり、雪上の足跡が多く見られません。
これはタヌキの足跡です。時間がたって分かりにくいですが4つの穴とツメの跡があります。
タヌキの足跡 VC180209

このタヌキの足跡はタヌキの巣穴に続いていました。
タヌキの巣穴 VC180209

どちらかは断定できませんが、リスか鳥の足跡がありました。
鳥かリスの足跡 VC180209

キジの足跡も見られます。
キジの足跡 VC180209

雪が溶けたところには植物が元気に顔を出しています。シロヨメナのロゼットです。
シロヨメナのロゼット VC180209

雪上のノウサギの足跡を追っていくと雪が溶けたところにフンがありました。ノウサギが活動している証拠です。
ノウサギのフン VC180209

スイカズラは別名「忍冬」とも呼ばれ、寒い冬にも葉を残し葉を縮めて冬を越します。
スイカズラ VC180209

箱根で春一番に咲くのはアセビやオニシバリですが、ケヤマハンノキも春先に最初に咲く植物です。
雄花がたくさん咲いていました。
ケヤマハンノキ VC180209

箱根の厳しい冬にも動物や植物たちはそれぞれに知恵を絞って越冬・活動をしています。本日はそんな様子の一端を観察しました。

本日のトップ10
1.  雪上の足跡(キジ・タヌキ・ノウサギ・など)
2.  雪上の食痕(ウソが食べた花芽など)
3.  スイカズラ、ノキシノブ、ヒメノキシノブ(葉を縮めて冬を越す様子)
4.  ケヤマハンノキ(雄花)
5.  タヌキの巣穴(雪上の足跡で判明)
6.  シロヨメナ(ロゼット)
7.  ウソ(採餌)
8.  ジョウビタキ(採餌)
9.  トラツグミ(採餌)
10. ルリビタキ(採餌)

箱根PV 高橋
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ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2018年1月26日

 マイナス4℃の寒さに、四日前の雪が残り、寒い寒い中、ビジターさん5名に参加いただき、パークボランティア8名、合計13名でスタートしました。本日のテーマは「VC周辺で見られる薬用植物と季節の鳥たち」です。
 VC周辺の主な薬用植物としてアセビ、シキミ、オニシバリ、クロモジあります。アセビは神経を麻痺する成分、シキミは果実が猛毒ですが、毒は毒をもって制すで、薬用になっています。現在猛流行のインフルエンザの治療薬タミフルの化学合成原料になっています。この時期の野鳥はウソです。ニシキウツギの実を啄んでいました。また、アセビの蕾を啄んでいました。ウソは食べても大丈夫なのでしょう。不思議です。不思議、分からないことが自然界に多いのです。この不思議、分からないことを見つけるのも観察会の楽しさでしょう。

雪景色
雪を踏みしめての観察でした。
雪景色VC周辺180126

アセビ
箱根山中に多く自生し、ほのかに香る白くて小さい壺型の花をつける。牛馬の皮膚病きせいちゅうの駆除、農作物の殺虫剤の原料になる。
アセビVC周辺180126

クロモジ
樹皮に芳香があるため皮付きのまま割って爪楊枝にする。根皮は急性胃腸カタルや脚気に効き目があるとされている。
クロモジ冬芽VC周辺180126

ヤドリギ
白百合台のヤドリギです。年々少なくなっているような気がします。
ヤドリギVC周辺180126

ウソ
鷽替え神事が太宰府天満宮では正月7日、亀戸天神社では1月24,25日に行われています。嘘替えは知らず知らずのうちについた全ての嘘を天神さまの誠心に替え、また、これまでの悪いことを嘘にして今年の吉に取り替えるという。
ウソVC周辺180126

アオキの食痕
ヒヨドリが食べようとしてつけた嘴の痕です。アオキの横を嘴で掴んでもぎ取り、上に放り投げて食べるとか。
アオキのヒヨドリ食痕VC周辺180126

アオキミフクレフシ(虫こぶ)
ぶつぶつがあるのが虫こぶです。果実全体を赤くならないようにしている様です。赤くなると鳥に食べられるのを防ぐ工夫でしょう。
アオキミフクレフシVC周辺180126

本日のトップ10
1.雪景色
2.アゼビ         蕾
3.クロモジ        冬芽
4.アオキ         果実
5.アオツヅラフジ    果実
6.アオキミフクレフシ  虫こぶ
7.イヌツゲメタマフシ  虫こぶ
8.ウソ           野鳥
9.アオジ         野鳥
10.ツグミ         野鳥

箱根PV 原田

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2018年1月12日

2018年最初のミニ観察会は、ビジターさん12名に参加いただき、パークボランティア12名、合計24名での開催です。快晴なのに温度-3℃、とても寒いです!本日のテーマは「冬芽を楽しもう」です。
冬芽は春に再び芽吹き活動を開始するため、厳しい冬を乗り切る「命のカプセル」です。

冬芽は寒さから身を守るためにいろいろな工夫をしています。
冬芽の典型的な形は芽鱗(鱗片)に覆われて寒さにも乾きにも耐えれるようになっています。

クロモジは長い水滴形の葉芽が3~4枚の芽鱗に包まれています。花芽は葉芽の横につきタマネギ形です。
クロモジ VC180112

春に紅紫色の花を咲かせるミツバツツジも、ツルツルしたコートのような何枚もの芽鱗に包まれ春を待っています。
ミツバツツジ VC180112

冬芽の中には芽鱗を持たないものがあり裸芽と言います。
アジサイの頂芽は裸芽で幼い葉がむき出しです。その葉脈が見えます。
サンタクロースのように見えませんか?
アジサイ VC180112

ムラサキシキブも裸芽で2枚の葉が向き合います。粉のようなたくさんの短毛で覆われています。
ムラサキシキブ VC180112

ノリウツギの冬芽は特徴あるとぼけた顔に見えます。顔に見えるところは葉痕(葉が落ちたあと)です。
ノリウツギ VC180112

キハダの側芽と葉痕はピエロの顔に見えませんか。
キハダ VC180112

とてもとても寒い中の観察会でしたが、冬の静かな園地の中、15種類以上のいろいろな冬芽の観察をじっくり楽しみました。
観察途中の花の広場で、キジのオス2羽がゆっくりと歩いていました。

本日のトップ10
1.  コブシ  冬芽
2.  トチノキ  冬芽
3.  ホオノキ  冬芽
4.  アブラチャン  冬芽
5.  アジサイ  冬芽
6.  エゴノキ  冬芽
7.  ケヤキ  冬芽
8.  クワコの繭
9.  キジ  野鳥
10. 霜柱

箱根PV 高橋

  

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2017年12月22日

本日は冬至、晴れて気持ちのいい冬の箱根です。ビジターさん16名、パークボランティア12名、合計28名のミニ観察会です。本日のテーマは「タネの不思議」です。
植物は動けないので、タネで移動して生きる場所を広げます。旅するタネです。今の季節に見られる様々なタネを観察しました。

タネの移動する方法はさまざまです。
代表的な飛ぶタネ(風散布)のひとつ、オオモミジのタネです。プロペラ状のタネの表面をルーペで観察するとトンボの羽根と同じようにスジが見えます。気流を整えて遠くに飛ばすための工夫です。
オオモミジ VC171222

ヤマノイモです。3枚の陵(翼)があり、外側はざらざら内側はつるつるになっていて、タネが滑り出しやすいようになっています。
ヤマノイモ VC171222

ヤマノイモの種はプロペラではなく丸い円盤状です。無風でも円盤がゆっくりと弧を描いてグライダーのように飛んでいきます。
ヤマノイモの種 VC171222

オニドコロは高い所までよじ登っているのでプロペラ状のタネで高速回転しながら風で運ばれていきます。
オニドコロ1

駐車場横のトイレ洗面所には鳥の糞が飛散していました。よく見るとツルウメモドキなどのタネ(被食散布)が見られます。寒さのためジョウビタキが建物に入ってきたようです。
ジョウビタキの糞 VC171222

ウツギの果実は湯呑み茶碗に箸3本です。茶碗の形の果皮が外側に広がって種を飛ばします。種は約1mmで両端に膜状の翼があります。
ウツギ VC171222

アオツヅラフジの実がまだ残っていました。中にはアンモナイトそっくりのタネが入っています。これも鳥に食べられて運ばれます。
アオツヅラフジ VC171222

イノコヅチは動物に付着するひっつきむし(付着散布)です。手袋で触ったらすぐにひっつきました。尖った形のヘヤピンが見えるでしょうか。
イノコヅチ VC171222

本日のトップ10
1.  ヤマノイモ  果実
2.  オニドコロ  果実
3.  ススキ  果実
4.  ウツギ  果実
5.  アオツヅラフジ  果実
6.  キハダ  果実、冬芽
7.  ツルウメモドキ  果実
8.  トチノキ  冬芽
9.  ジョウビタキ  野鳥
10. ジョウビタキの寝ぐら(トイレ)

箱根PV 高橋

ミニ観察会(ビジターセンター周辺 2017年12月8日

紅葉もすっかり終わり風が冷たくなってきたいつもの冬の箱根です。ビジターさん8名、パークボランティア16名、合計24名のミニ観察会です。本日のテーマは「芦ノ湖の水鳥たち」です。
芦ノ湖のカモは毎年減少しています。芦ノ湖で見られる水鳥たちの生態、採食行動を知り、彼らと彼らを取り巻く環境を考えながらの観察会です。

風が吹きとても冷たい芦ノ湖湖岸で水鳥の観察をスタートです。
芦ノ湖でよく見かけるのがオオバンです。オオバンは昭和60年代は芦ノ湖にはいませんでしたが、2006年ごろから増えてきています。水草の茎を切って根まで食べてしまうので、湖岸の水生植物が減ってしまいます。
オオバン VC171208

赤味のある茶色の頭のホシハジロです。ホシハジロは海ガモ類で、潜って貝やカニ、水草等を採食します(潜水採食)。
ホシハジロ VC171208

ヒドリガモの雄です。頭の中央線が明るいクリーム色です。水面に浮かぶ植物を採食します(水面採食)。
ヒドリガモ VC171208

黒白のツートンカラーと金色(黄色)の瞳が特徴のキンクロハジロです。ホシハジロと同じく海ガモ類で、潜水採食します。
キンクロハジロ VC171208

水鳥を観察している時に、上空でミサゴが飛翔していました。ミサゴは急降下して足で魚をつかみ捕獲します。
ミサゴ VC171208

芦ノ湖に向かう途中、花の広場にウスタビガの繭が数個残っていました。羽化したあとの繭で中は空っぽだと思います。
ウスタビガの繭 VC171208

観察会の最後に、白百合台園地でクロモジに付いた虫こぶを観察しました。花のように見えますが、クロモジメフクレフシという虫こぶです。
クロモジメフクフシ VC171208

とてもとても寒い芦ノ湖湖岸でしたが、たくさんの芦ノ湖の水鳥が観察できました。1980年代には1,500羽程度記録されていたカモ類がなぜ激減しているのかも考えながらの観察会でした。

本日のトップ10
1.  ミサゴ  野鳥
2.  ヒドリガモ  野鳥
3.  キンクロハジロ  野鳥
4.  ホシハジロ  野鳥
5.  ハジロカイツブリ  野鳥
6.  オオバン  野鳥
7.  カシラダカ  野鳥
8.  アオジ  野鳥
9.  ケヤマハンノキ  果実
10. ウスタビガの繭

箱根PV 高橋

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