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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2020年2月14日

暖冬のためか、9時半の気温が7℃と、暖かい2月の箱根です。ビジターさん7名に参加いただき、パークボランティア12名、合計19名のミニ観察会です。本日のテーマは「箱根のネズミとリスの仲間」です。観察会の前に20分ほど、箱根で生息しているネズミとリスの仲間について学びました。

箱根には、ニホンリス、ムササビ、カヤネズミなど、現在8種類の在来のネズミやリスの仲間が生息しています。その他に4種類の移入種が生息しています。VC周辺でもカヤネズミの巣が見つかったり、オオシマザクラの木の下にムササビの食痕が落ちていたり、雪の朝にはニホンリスの足跡が見つかったりしています。

箱根のネズミとリスの仲間について勉強した後は、春の兆しを見つけながら、動物たちのサインも探しながら観察会に出かけました。

シカの食痕 キヅタ ウコギ科
シカの食痕キヅタ VC200214
子供の広場にあるキヅタの木の枝にシカに食べられた痕がありました。

キヅタの果実と虫えい(虫こぶ)
キヅタ VC200214
キヅタの果実も観察しました。花柱が残っている小さいほうがキヅタの果実です。大きくふくらんで果実のように見えるのが、キヅタツボミフクレフシという虫えい(虫こぶ)です。中にはタマバエの幼虫が入っています。

ナガコガネグモの卵嚢
ナガコガネグモの卵嚢 VC200214
ススキ草原の中で、ススキにぶら下がっている小さな卵形の袋のようなものを見つけました。これはナガコガネグモの卵嚢で、ナガコガネグモが中に卵を産み、子グモが中で越冬しています。子グモは5月~6月頃に卵嚢から外へ出て来ます。

ムササビの食痕 オオシマザクラ
ムササビの食痕 VC200214
子供の広場、オオシマザクラの付近にはムササビが食べたと思われる枝が落ちていました。落ちた枝は鋭く噛み切られ、新芽はすべて食べられていました。

ヤマアカガエルの卵塊 アカガエル科
ヤマアカガエルの卵塊 VC200214
野鳥小屋の池にはヤマアカガエルが冬眠から起きて卵を産み付けていました。今年のヤマアカガエル産卵時期は記録的に早いようです。

オニシバリ ジンチョウゲ科
オニシバリ雄花 VC200214
箱根に春を告げる花、オニシバリの雄花が開花していました。ビジターセンター園地の他の場所では雌花もすでに開花しています。

ヤドリギ ビャクダン科
ヤドリギ VC200214
白百合台園地では、ヤドリギが黄色い実をつけていました。甘くて粘り気のあるこの実はレンジャク類の大好物です。
同じ木にオレンジ色に熟した実もついていました。こちらはアカミヤドリギと呼ばれます。
アカミヤドリギ VC200214

オオイヌノフグリ オオバコ科
オオイヌノフグリ VC200214
ビジターセンターすぐ近くでオオイヌノフグリがもう花を咲かせていました。花はパラポラアンテナのようなお椀型です。
春はそこまで来ています。

高原ホテルからビジターセンターへ行く道では、今日もウソとカシラダカの姿を見ることができました。ウソは相変わらずソメイヨシノの冬芽をひたすら食べていました。

本日のトップ10
1.  オニシバリ 花・蕾
2.  ヤドリギ・アカミヤドリギ 果実
3.  ヒイラギナンテン 花・蕾
4.  ウソ  野鳥 姿を観察
5.  カシラダカ  野鳥 姿を観察
6.  ヤマアカガエルの卵塊 
7.  ナガコガネグモの卵嚢
8.  ムササビの食痕 オオシマザクラの枝
9.  シカの食痕 アオキ、キヅタの枝
10. モグラ塚

箱根PV  高橋

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ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2020年1月24日

朝から曇り空で少し霧がかかっています。気温6℃と肌寒い中、ビジターさん3名に参加いただき、パークボランティア7名、合計10名のミニ観察会を開催しました。本日のテーマは「植物の越冬(氷点下の冬を植物はどうやって乗り越えるか)」です。

厳しい自然環境を生きる植物はさまざまな工夫をして冬を越しますが、本日はその中でも、ロゼットと冬芽を中心に観察しました。
ロゼットとは、冬越し用の葉が、バラの花弁のように放射状に広がってつき、地表に密着して越冬するものをいいます。

ヒメオドリコソウ シソ科
ヒメオドリコソウ VC200124
ヒメオドリコソウはしわの多い小さな葉を低く密生させています。地表に密着することで寒風を避けて温度低下を防いでいます。

ハルジオン キク科
ハルジオン3 VC200124
ハルジオンのロゼットはビジター周辺の多くの場所で観察できます。根生葉は中心に向かって徐々に細まり柄ははっきりしていません。葉が重ならず効率よく太陽光を全面で受けることができます。

ヒメジョオン キク科
ヒメジョオン VC200124
ヒメジョオンもビジター周辺の多くの場所で観察できます。根生葉は幅広く丸く、葉のふちに浅い切れ込みがあります。
柄は急に細くなっていてスプーンのような形状です。

ミチタネツケバナ アブラナ科
ミチタネツケバナ VC200124
ミチタネツケバナは、先端の小葉が丸く、全体にきれいな形のロゼットです。花期にも緑色の根生葉がロゼット状に残ります。

スイバ タデ科
スイバ VC200124
スイバのロゼットは、緑と真っ赤の根生葉が混じってとても鮮やかです。冬の間も太陽光を受けて光合成をし、糖分を蓄えて葉が赤くなっています。

セイヨウタンポポ キク科
セイヨウタンポポ VC200124
セイヨウタンポポは、ロゼットの真ん中からもう花が咲いていました。

アセビ ツツジ科
アセビ VC200124
アセビの白い花がひっそりと開花していました。雨粒に濡れた花は可憐でとても美しいです。

ノアザミ キク科
ノアザミ VC200124
白百合台園地では、昨年6月に群生して咲いていた、ノアザミのロゼットがたくさん観察できました。ノアザミは春になるとロゼットの中心から茎をのばします。

ウソ アトリ科
ウソ VC200124
高原ホテルからビジターセンターへ向かう道で、ウソの大群がソメイヨシノの冬芽を食べていました。傍に近づいても逃げる様子もなく、ひたすら食べ続けていました。

本日のトップ10
1.  ノアザミ  ロゼット
2.  ハルジオン  ロゼット
3.  ヒメジョオン  ロゼット
4.  ダイコンソウ  ロゼット
5.  ヒメオドリコソウ  ロゼット
6.  コクサギ  冬芽
7.  ムラサキシキブ  冬芽
8.  ヒサカキ  冬芽
9.  ウソ  野鳥
10. ジョウビタキ  野鳥

箱根PV  高橋



ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2020年1月10日

令和2年最初のミニ観察会、ビジターさん7名に参加いただき、パークボランティア10名、合計17名で開催しました。気温4℃快晴、少し寒いですがとても気持ちのよい観察会日和です。
本日のテーマは「冬芽」です。冬芽は春に再び芽吹き活動を開始するため、厳しい冬を乗り切る「命のカプセル」です。ビジターセンター周辺で見られるいろいろな冬芽を見つけましょう。

サンショウバラ バラ科
サンショウバラ5 VC200110
サンショウバラは両側の大きな扁平のトゲが目立ちます。子供が手を広げているようにも見えませんか。

オオバノキハダ ミカン科
オオバノキハダ VC200110
オオバノキハダの冬芽は半球形なのでとても見つけやすいです。葉痕と真ん中の側芽はピエロの顔に見えます。

リョウブ リョウブ科
リョウブ VC200110
リョウブは冬芽と果実の殻の両方をつけていました。芽鱗が剥がれかけた冬芽は陣笠のようにも見えます。陣笠は落ちやすく裸芽になっている冬芽も沢山ありました。

ゴンズイ ミツバウツギ科
ゴンズイ VC200110
ゴンズイの冬芽は、枝先に2個の太い水滴形の仮頂芽がついています。途中の枝に1個の側芽がついている冬芽もあります。赤く黒い枝はとても目立っていました。

ガクアジサイ アジサイ科
ガクアジサイ VC200110
アジサイの頂芽は裸芽で幼い葉がむき出し葉脈が見えます。葉痕はヒツジ顔にも見えます。途中の枝には側芽が付いていて薄い芽鱗があります。冬芽は冠を被った王様か法王のように見えませんか。

ミズキ ミズキ科
ミズキ1 VC200110
ミズキの冬芽は、長卵形または楕円形で、芽鱗は5~6枚です。冬芽は鮮やかな赤で光沢があります。
ミズキは、地方によっては正月行事の飾りに使ったり、枝にお餅をつけて、どんど焼きの時にお餅を焼く風習があるそうです。

ミズキの幹からの枝は放射状に広がり、横枝はシカの角状に分岐します。
ミズキ22VC200110

オオバヤシャブシ カバノキ科
オオバヤシャブシ VC200110
子供の広場では、オオバヤシャブシが沢山の雄花序、雌花序を付けています。枝の先から葉芽、雌花序または葉芽、雄花序の順に並びます。前年の果穂も茶色く木質化して残っています。

クロモジ クスノキ科
クロモジ VC200110
クロモジの冬芽もビジターセンター周辺のあちらこちらで見ることができました。

本日のトップ10
1.  サンショウバラ  冬芽
2.  オオバノキハダ  冬芽
3.  オオバヤシャブシ  冬芽
4.  リョウブ  冬芽
5.  ゴンズイ  冬芽
6.  ガクアジサイ  冬芽
7.  トチノキ  冬芽
8.  ミズキ  冬芽
9.  アセビ  花
10. ジョウビタキ  野鳥

箱根PV  高橋




ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年12月27日

天気予報は晴れの予定でしたが曇り空のやや肌寒い冬の箱根です。ビジターさん5名(内初めて参加の方3名)、パークボランティア9名、環境省職員1名、合計15名のミニ観察会を開催しました。本日のテーマは「冬の葉っぱの作戦」です。
冬の箱根は多くの木が葉を落としています。その中で冬でも緑色の葉をつけている常緑樹が目立ちます。葉を落として越冬する落葉樹とは違い、葉をつけたまま冬を越す常緑樹には違う作戦があります。緑の葉っぱの作戦を観察します。

ヤブツバキ ツバキ科 ツバキ属
ヤブツバキ1 VC191227
ヤブツバキ等常緑樹の葉の多くは、厚めで光沢があります。これは蝋などのような物質でできた厚いクチクラ層によるものです。クチクラ層は植物体内部からの水分の蒸発を防いだり、葉の内部を保護する等の役割があります。髪の毛の表面を覆っている薄い細胞の層を指すキューティクルは、クチクラ(ラテン語)の英語読みです。

アセビ ツツジ科 アセビ属
アセビ1 VC191227
アセビの葉は、細い倒卵形の明るい緑色で、厚めで光沢があります。葉は枝先に集まって放射状につきます。幹はねじれながら曲がりくねって、全部の葉に日があたるようになっています。

アセビは、こんもりとした樹形です。もう来年の紅い蕾がついていました。
アセビ2 VC191227

キヅタ ウコギ科 キヅタ属
キヅタ1 VC191227
キヅタは常緑つる性植物で、気根を出して樹木や岩をよじ登ります。葉は濃緑色で光沢があります。

これはキヅタの果実のように見えますが、キヅタツボミフクレフシという虫えい(虫こぶ)です。中にはタマバエの幼虫が入っています。自然の不思議な生態と生命力を感じます。
キヅタツボフクレフシ VC191227

シキミ シキミ科 シキミ属
シキミ VC191227
葉の形はアセビに似ています。葉を破ってみると芳香がします。葉の中に油点があり、その中から香り成分が出てきます。シキミはビジターセンター周辺で見られる最強の有毒植物です。株全体が有毒で、特に果実は猛毒です。

ヒノキ ヒノキ科 ヒノキ属
ヒノキ VC191227
ヒノキも常緑樹です。積雪多く環境が厳しい高緯度の地方に多く、競争相手が少ないのでより日光が当たりやすく丈夫な葉の形になっているとも考えられています。葉は鱗片葉で、葉裏の白い模様の部分は気孔の集まりでY字形に見えます。

アオキ ミズキ科 アオキ属
アオキ VC191227
ヒヨドリが食べたのでしょうか、果実に食痕が多くありました。この他、茎にはシカの食痕も数多くありました。

本日のトップ10
1.  アセビ  葉、蕾
2.  ヤブツバキ  葉
3.  シキミ  葉、蕾
4.  イヌツゲ  葉
5.  ヒノキ  葉、果実、蕾
6.  アオキ  葉、果実
7.  キヅタ  葉、果実
8.  アカガシ  葉
9.  ツグミ  野鳥
10. キヅタツボミフクレフシ 虫えい(虫こぶ) 

箱根PV  高橋

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年12月13日

紅葉が終わり木々の葉がすっかり落ちた冬の箱根です。静寂でゆっくり自然を楽しめるもこの季節です。ビジターさん4名(内初めて参加の方1名)、パークボランティア12名、合計16名のミニ観察会を開催しました。本日のテーマは「芦ノ湖の水鳥たち」です。

湖面の水鳥の様子
写真1:湖面の水鳥の様子
芦ノ湖キャンプ場から湖尻水門にいた水鳥の様子です。水面で採食している水鳥、潜水して採食している水鳥、休息している水鳥など、芦ノ湖に渡ってきた水鳥を観察することができます。

オオバン(ツル目クイナ科)
写真2:オオバン(ツル目クイナ科)
この水鳥は、芦ノ湖では夏にいないため漂鳥と考えられます。水面を泳いだり潜水して水草の葉・茎・種子を食べるほか、水辺の昆虫・貝、甲虫類も採食します。他の水鳥よりも警戒心が少ないのか、湖岸近くで泳ぐ姿も見られました。

キンクロハジロ(カモ目カモ科)
写真3:キンクロハジロ(カモ目カモ科)
この水鳥は冬鳥です。一般的に日中は休息して、夕暮れから活動することが多いといわれていますが、潜水して餌を探している個体も見られました。

ホシハジロ(カモ目カモ科)
写真4:ホシハジロ(カモ目カモ科)
この水鳥も冬鳥です。群れで行動することが多く、この日も数多く観察できた水鳥です。潜水して餌を探している個体もいましたが水上で休息している個体も見られました。

オカヨシガモ(カモ目カモ科)
写真5:オカヨシガモ(カモ目カモ科)
この水鳥も冬鳥です。過去2回のミニ観察会の水鳥観察では見られなかった水鳥ですが、今年は雄と雌が揃って、比較的数多く見られました。雄は嘴が黒く、下尾筒の黒色が特徴です。

カンムリカイツブリ(カイツブリ目カイツブリ科)
写真6:カンムリカイツブリ(カイツブリ目カイツブリ科)
この水鳥も冬鳥です。長い時間を潜水して餌を探すため、双眼鏡で見つけても追跡が難しい水鳥です。今回は湖岸近くを通過したため容易に観察できました。頭に冠をかぶっているような模様が特徴です。

ハジロカイツブリ(カイツブリ目カイツブリ科)
写真7:ハジロカイツブリ(カイツブリ目カイツブリ科)
この水鳥も冬鳥です。この水鳥も潜水が巧みで双眼鏡で見つけても追跡が難しい水鳥です。フィールドスコープで2羽を見つけましたが、潜水を繰り返して沖合に離れていきました。水上では黒っぽいが、飛びたつと羽の内側に白い部分が見えるのでこの名前が付いたようです。

水鳥観察の後、白百合台園地に移動して冬鳥を観察しました。

シロハラ(スズメ目ヒタキ科)
写真8:シロハラ(スズメ目ヒタキ科)
この山野の鳥も冬鳥です。おなかが白っぽいのが特徴です。おなかの色が白いからシロハラと名前がついたようです。イヌツゲの果実を夢中でついばんでいました。

コゲラ(キツツキ目キツツキ科)
写真9:コゲラ(キツツキ目キツツキ科)
この山野の鳥は留鳥で、箱根ではいつでも見られますが、野鳥観察会で出会うと時間を忘れて見入ってしまう山野の鳥です。キツツキの古名「けらつつき」からキツツキと変化し、コゲラは小さなキツツキから「こけらつつき」、「こけら」から濁音が入り「コゲラ」と呼ばれる様になったと聞いています。

ジョウビタキ(スズメ目ヒタキ科)
写真10:ジョウビタキ(スズメ目ヒタキ科)
この山野の鳥も冬鳥です。翼に白い斑があり、雄は胸からおなかが橙色なのが特徴です。開けた環境を好み1羽でいます。時々ピョコンとおじぎをして尾をふるわせている姿をよく見かけます。

ツルマサキ (ニシキギ科)
写真11:ツルマサキ(ニシキギ科)
常緑つる植物のツルマサキは、枝の各所から気根を出して絡みつき樹上によじ登ります。野鳥はこの実が大好きです。コゲラも最初ツルマサキの木にとまっていて、それからマユミの木に移動しました。

最後にビジターセンター前に戻り、本日観察した野鳥の種類を全員で確認しました。水鳥および山野の鳥、合計28種を観察しました。
観察場所は限られますが毎年継続して芦ノ湖で見られる水鳥たちの種類、生態、採食行動を観察し、彼らと彼らを取り巻く環境を考えていければと思います。

本日のトップ10
1.  オオバン
2.  オカヨシガモ
3.  ホシハジロ
4.  キンクロハジロ
5.  カンムリカイツブリ
6.  ハジロカイツブリ
7.  シロハラ
8.  コゲラ
9.  ツルマサキ 果実
10. ヤドリギ  果実

箱根PV  高橋