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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年8月9日

連日猛暑が続いています。朝は霧が立ち込めて涼しかったのですが、ミニ観察会の始まるころにはまた暑い日差しに戻っていました。ビジターさん10名(うち初めて参加のかた4名)、パークボランティア9名、合計19名のミニ観察会です。
本日のテーマは「いろいろな木の実(草の実)夏編」です。秋の花はまだこれからですが、多くの木々やつる性植物が沢山の実をつけています。

ヤブデマリ ガマズミ科
ヤブデマリ VC190809
ヤブデマリの赤い実が美しいです。短枝の葉腋に揃って花序を出すので、花や実は一列に並びます。

アブラチャン クスノキ科
アブラチャン1VC190809
アブラチャンも実を付けています。触ってみましたがまだ油っぽくありません。9月~10月頃には緑黄褐色に熟します。

サンショウ ミカン科
サンショウ VC190809
サンショウは青い実をつけています。このような未熟の実は佃煮に使われ、9月以降に完熟した赤い果皮は乾燥させて粉山椒に使われます。

イヌザンショウ ミカン科
イヌザンショウ1 VC190809
イヌザンショウの実は葉の先に付きます。葉の中に実が付くサンショウと比べて実が上に出ているので見分けられます。サンショウに比べて小葉が細長く鋸歯が細かいです。

コバギボウシ クサスギカズラ科
コバギボウシ VC190809
ビジターセンター園地のあちらこちらでコバギボウシが咲き始めています。花弁の内側に濃紫色の脈があるのが特徴です。

アキノタムラソウ シソ科
アキノタムラソウ VC190809
アキノタムラソウもあちらこちらで出始めました。

ツルニガクサ シソ科
ツルニガクサ VC190809
子供の広場近くではシソ科のツルニガクサが咲いていました。名前はツルニガクサですが、地上につるは見えず、地下に細長い走出枝を出します。

トンボソウ ラン科
トンボソウ VC190809
トンボソウがひっそりと咲いていました。気をつけて探さないと見落としてしまいそうです。花をトンボに見立ててつけられた名前のようです。花は5mmほどで小さく可憐です。葉は下部に2枚つけています。

シオカラトンボ
シオカラトンボ VC190809
花の広場でシオカラトンボのメスを見つけました。メスや未成熟のオスは、黄褐色の体に小な黒い斑紋が散在するので「ムギワラトンボ」とも呼ばれます。

今日はとても暑い観察会でした。日陰を見つけながら移動して観察しました。本日初めて参加されたビジターさんが、「箱根は観光地だけでなくこのような自然がいっぱいの所があるんですね、パワーをもらいました」と感想をおっしゃっていたのが嬉しかったです。

本日のトップ10
1.  ヤブデマリ  果実
2.  ゴマギ  果実
3.  アブラチャン  果実
4.  キブシ  果実
5.  トンボソウ  花
6.  コバギボウシ  花
7.  アキノタムラソウ  花
8.  ホオジロ  野鳥
9.  ゴマダラカミキリ  昆虫
10. シオカラトンボ  昆虫

箱根PV 高橋


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ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年7月26日

まだ梅雨は空けていませんが、朝から晴れて太陽が見えています。ビジターさん9名に参加いただき、パークボランティア8名、合計17名のミニ観察会です。本日のテーマは「リョウブ・ススキ草原の花々」です。
ここ箱根ビジターセンター園地は、高さ634mの東京スカイツリーよりさらに100m以上登ったところ、花々を揺らしている風が見えるのを感じてくださいとの当番ボランティアの解説からスタートしました。

ユウガギク キク科 シオン属
ユウガギク VC190726
気が付くと足元にユウガギクが静かに咲き始めていました。夏の初めから咲き始めて9月頃まで咲く野菊です。

オカトラノオ サクラソウ科 オカトラノオ属
オカトラノオ VC190726
花の広場草原には今いろいろな花が群生しています。ここ周辺園地は、仙石原湿原と同じような花が咲き、湿原の植物も多く観察できます。
オカトラノオは、一度垂れた穂先の先端が少し上を向く形状が虎の尻尾に見えます。花は下から咲き上がり、垂れる山の所に咲く花がちょうど受粉適期で花粉を出し虫を呼んでいます。

ヌマトラノオ サクラソウ科 オカトラノオ属
ヌマトラノオ VC190726
オカトラノオの群生の側で、同じサクラソウ科のヌマトラノオも群生しています。オカトラノオとよく似ていますが果穂を垂らさず直立しています。

クサレダマ サクラソウ科 オカトラノオ属
クサレダマ VC190726
クサレダマも同じ草原に群生していました。こちらもサクラソウ科です。葉は対生で茎に互い違いにつきます。

チダケサシ ユキノシタ科 チダケサシ属
チダケサシ VC190726
チダケサシの群生も見ごたえがあります。花茎の先に淡紅色の小さな円錐花序の花をたくさん付けています。

ヤマユリ ユリ科 ユリ属
ヤマユリ VC190726
ヤマユリが岩の隙間から花を出していました。最近はイノシシが増えてヤマユリの根が食べられてしまい、このように岩のところに残っていることが多いです。

リョウブ リョウブ科 
リョウブ VC190726
白百合台園地のリョウブの花が満開です。名前のリョウブ「令法」は官令により植栽を命じたことからが由来です。花の香がすごく、コガネムシ類や小型のカミキリムシ類、ハチ類など、多くの昆虫を引き寄せます。

ウツボグサ シソ科 ウツボグサ属
ウツボグサ VC190726
白百合台にウツボグサの群生がありましたが、残念ながら観察会の直前の草刈りですっかり刈られてしまいました。草刈りから外れた端にウツボグサがまだ残っていました。花には丸い苞があり、それが弓の矢を入れる靭(うつぼ)に似ています。

エゴノネコアシ 虫えい
エゴノネコアシ VC190726
花の広場のちょうど見やすい高さにエゴノネコアシがあり、皆でじっくりと観察しました。これはエゴノネコアシアブラムシがつくっている虫えい(虫こぶ)です。もともとはエゴノキの側芽なのですが、このアブラムシの刺激によって、“ネコの足先”のように形成されました。まるで花か実のように見えますね。


本日のトップ10
1.  リョウブ
2.  ウツボグサ
3.  クサレダマ
4.  オカトラノオ
5.  ヌマトラノオ
6.  チダケサシ
7.  ヤマユリ
8.  オオウラギンスジヒョウモン 昆虫
9.  ヒグラシ 昆虫
10. エゴノネコアシ  虫えい

箱根PV  高橋

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年7月12日

今年は梅雨の季節が長く、雨の観察会かと心配しましたが、幸い曇り空となりました。ビジターさん4名に参加いただき、パークボランティア12名、合計16名のミニ観察会です。本日のテーマは「アジサイ(紫陽花)の仲間と他の梅雨時の花」です。

ガクアジサイ アジサイ科 アジサイ属
梅雨空の景色でその美しさが映える花の一つにアジサイがあります。ガクアジサイは日本原種の種です。
アジサイは土壌のpH(酸性度)によって花の色が変わり、一般に「酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」になると言われています。
ガクアジサイ VC190712

ヨツスジハナカミキリ コウチュウ目 カミキリムシ科
ガクアジサイの葉にヨツスジハナカミキリが飛来していました。ハチの仲間によく似ていますが、花の花粉や蜜を餌にするハナカミキリの仲間です。
ヨツスジハナカマキリ VC190712

イワガラミ アジサイ科 イワガラミ属
花の広場ではイワガラミがノリウツギにしがみつくようにはい登っています。
イワガラミ VC190712

子供の広場のススキ草原の辺りでは、多くの夏の花が咲きだしています。

オカトラノオ サクラソウ科 オカトラノオ属
オカトラノオは、茎の先の総状花序に白い小さな花をいっぱいつけ、頭を垂れて昆虫たちを招待しているようでした。
オカトラノオ VC190712

クサレダマ サクラソウ科 オカトラノオ属
クサレダマは、マメ科のレダマ(連玉)常緑低木に似た草ということで草レダマと名付けられたといいいます。
クサレダマ VC190712

ノハナショウブ アヤメ科 アヤメ属
ススキ草原のなかで清楚に咲くノハナショウブは気品がありとても美しいです。
ノハナショウブ VC190712

カキラン ラン科 カキラン属
カキランは毎年この時期にひっそりと咲いて姿を見せてくれます。
カキラン VC190712

ムラサキシキブ シソ科 ムラサキシキブ属
野鳥小屋の近くではムラサキシキブが小さな花を付けています。秋にはきれいな紫色の果実となります。
ムラサキシキブ VC100712

バラハタマフシ 虫えい
自然学習路のノイバラについていた虫えい(虫こぶ)です。ビジターセンター周辺ではなかなか見つけることができませんでしたが、やっと見つけて観察できました。金平糖みたいに角状の突起があります。
バラハタマフシ VC190712

本日のトップ10
1.  ガクアジサイ
2.  ノリウツギ
3.  イワガラミ
4.  ネジバナ
5.  ムラサキシキブ
6.  カキラン
7.  ノハナショウブ
8.  アオバト  野鳥
9.  ヨツスジハナカミキリ 昆虫
10. バラハタマフシ 虫えい

箱根PV  高橋

ミニ観察会(ビジターセンター周辺)2019年6月28日

令和最初の台風3号通過直後のミニ観察会。朝から晴れて気温が上昇、9時30分時点で24℃と蒸し暑い。長期予報で大雨と予想された天気で参加者が気になったが一転しての好天となりほっとする。このように変化にとんだ天候でも熱心なビジター6名が参加され、パークボランティア8名とともに観察会をスタートする。今日のテーマは今回で7回目となる「虫えいを探そう」。一歩踏み込んで虫えいを観察するため館内で学習して現場に向かう。

アオキミフクレフシ(虫えい)
アオキミフクレフシと幼果
この虫えいは、アオキミタマバエが昨年のアオキの幼果に産卵して形成されました。もうすぐ虫えいからアオキミタマバエの成虫たちが羽化して交尾し、アオキの幼果に産卵して新しい虫えいの形成が始まります。(写真中央はアオキの幼果)

アケビハオレフシ(虫えい)
アケビハオレフシ
この虫えいは、ベニキジラミの幼虫がミツバアケビの葉を操作して形成されます。虫えいは小葉全体を葉表を中にして主脈から二つに折り畳まれ、虫えい内の幼虫は終齢幼虫になると虫えいから脱出して羽化します。

ベニキジラミ(キジラミ科)
ベニキジラミ
アケビハオレフシから脱出して羽化したベニキジラミの成虫が、ミツバアケビの蔓で休息していました。体長が1.5㎜程度で見づらくすぐ逃げてしまうため、顕微鏡カメラで撮影してみんなで観察しました。

ケヤキハフクロフシ(虫えい)
ケヤキハフクロフシ
この虫えいは、5月初旬にケヤキヒトスジワタムシの幹母がケヤキの葉を吸汁して形成が始まったものですが、よく観察すると虫えいの側方が裂開していました。虫えい内で幹母から産まれた第二世代は有翅型成虫となり、この孔からアズマネザサなどのササ類の根を目指して旅立ったようです。

サンショウバラハタマフシ(虫えい)
サンショウバラハタマフシ
この虫えいは、タマバチの一種によりサンショウバラの葉に形成された球形状の虫えいです。まだ成熟途中と思われ直径2mm程度でしたが、太陽の光を受け桃色に輝いていました。虫えいが成熟すると虫えい自らが葉からはがれて地面に落下し、タマバチの幼虫はその中で成長します。

タンポポハフクレフシ(虫えい)
タンポポハフクレフシ
この虫えいは、タマバエの一種によりタンポポの葉に形成された薄っぺらな虫えいです。未明に通過した台風の大雨で、かなりの虫えいに傷みが見られました。虫えいの中にいたタマバエの幼虫たちは、無事に虫えいから脱出して地中に潜っていると良いのですが。

イワガラミ(アジサイ科イワガラミ属)
イワガラミ
花の広場のノリウツギにしがみつくようにイワガラミがはい登っています。枝先の散房花序の花は開いてはいませんでしたが、真っ白い装飾花はみごとに開き始めていました。

シモツケ(バラ科シモツケ属)
シモツケ
同じく花の広場の日当たりの良い場所で、シモツケも開花し始めていました。枝先に半球形の複散房花序をだし、小さな花を多数つけ始めていました。

ハコネグミ(グミ科グミ属)
ハコネグミ
毎年ハコネグミの花は観察するのですが、なかなか結実せず果実を観察することができませんでした。しかし今年は赤い球形の果実が見つかり、参加者全員で観察することができました。当初3つしかないと思われた果実は、みんなで探すと新たに2つ発見できました。

イチモンジカメノコハムシ(ハムシ科)
イチモンジカメノコハムシ
ムラサキシキブの葉上で透明な葛で小豆餡を包んだ水饅頭のような昆虫を見つけました。この昆虫はイチモンジカメノコハムシといい、ムラサキシキブやヤブムラサキを食草にしているハムシの仲間であることがわかりました。

エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)
エサキモンキツノカメムシ
オオバノキハダの虫えい観察時にエサキモンキツノカメムシが見つかりました。このカメムシは図鑑によれば、ミズキで繁殖することが多いと記載されていますが、オオバノキハダの葉上で交尾しているペアや葉裏で卵を守っている雌など数多く観察できました。

ハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)
ハサミツノカメムシ
このカメムシもオオバノキハダで観察しました。雄の生殖節にハサミ状の一対の赤い突起があるのが特徴のようです。

トップ10
 1.アオキミフクレフシ
 2.ケヤキハフクレフシ
 3.サンショウバラハタマフシ
 4.タンポポハフクレフシ
 5.イワガラミ
 6.シモツケ
 7.ハコネグミ
 8.イチモンジカメノコハムシ
 9.エサキモンキツノカメムシ
10.ベニキジラミ

箱根PV 小川(治)・谷上

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年6月14日

梅雨に入り、雨の降る日が続いていましたが、今日は中休みでしょうか、温度20℃と気持ちの良い天気です。ビジターさん8名、パークボランティア10名、合計18名のミニ観察会です。
本日のテーマは「植物の化学防衛」です。植物は化学成分を蓄積することで、虫や動物に食べられないようにしたり、カビや細菌から身を守っています。

ドクダミ ドクダミ科 ドクダミ属
虫刺れや蓄膿症など十種の薬効があるため「十薬」とも呼ばれ昔から民間薬としても使われてきました。デカノイルアセトアルデヒドという化学成分を含み強力な殺菌作用(防カビ作用)があります。
ドクダミ VC190614

ホオノキ モクレン科 モクレン属
子供の広場方面への道路を渡ってすぐにあるホオノキは低いところに花が付いているので観察に最適です。開花して1日目に雌しべが熟し花粉を受け入れ、2日目に雌しべが閉じ雄しべが開き花粉を放出し、写真は3日目で雄しべがパラパラと散り始めています。
ホオノキ VC190614

オオバウマノスズクサ ウマノスズクサ科 ウマノスズクサ属
オオバウマノスズクサの葉の裏にジャコウアゲハの卵を2個産み付けていました。幼虫になるとこの毒の葉を食べて毒を体内に蓄積します。天敵の鳥などに食べられないために化学防衛していると言われています。
オオバウマノスズクサ VC190614

花は管楽器のサクソフォンのような形の花を葉腋に1個付けます。今ちょうど花を見ることができます。
オオバウマノスズクサの花 VC190614

エゴノキ エゴノキ科 エゴノキ属
ビジターセンター周辺の多くの場所でエゴノキが見頃です。枝先に白い釣り鐘のような花を沢山付けています。花が落ちているのも多いですがまだまだたくさん見られます。
エゴノキ VC190614

サルナシ マタタビ科 マタタビ属
自然学習路のサルナシにはたくさんの花が付いていました。可憐な白い花はとても美しいです。秋に実が付くのが楽しみです。
サルナシ VC190614

ノアザミ
白百合台園地ではノアザミの群生が見られます。アザミの仲間で春から初夏に花を付けるのはこのノアザミだけです。花から延び出ている雄しべを刺激してみてください。花粉がでてくるはずです。
ノアザミ VC190614

ドロハマキチョッキリの揺籃
花の広場ではイタドリのドロハマキチョッキリの揺籃(オトシブミ)がたくさん観察できました。オトシブミの仲間は卵を産み付けた葉を丸め「ゆりかご」を作ります。
ドロハマキチョッキリ VC190614

イタドリの葉を折り曲げて、カシルリオトシブミが揺籃を作っているのを見つけました。じっと観察していればオトシブミを作るのが見られると思います。
ドロハマキチョッキリ途中 VC190614

季節はあっという間に移り変わり、花や木の実・昆虫も日々様変わりしています。是非この時期しか見られない箱根の自然を存分に楽しんでください。

本日ののトップ10
1.  オオバウマノスズクサ  花
2.  ドクダミ  花
3.  ノアザミ  花
4.  サルナシ  花
5.  コアジサイ  花
6.  エゴノキ  花
7.  クマシデ  実
8.  イヌシデ  実
9.  ドロハマキチョッキリ 虫、揺籃
10. キビタキ  野鳥

箱根PV  高橋