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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年12月13日

紅葉が終わり木々の葉がすっかり落ちた冬の箱根です。静寂でゆっくり自然を楽しめるもこの季節です。ビジターさん4名(内初めて参加の方1名)、パークボランティア12名、合計16名のミニ観察会を開催しました。本日のテーマは「芦ノ湖の水鳥たち」です。

湖面の水鳥の様子
写真1:湖面の水鳥の様子
芦ノ湖キャンプ場から湖尻水門にいた水鳥の様子です。水面で採食している水鳥、潜水して採食している水鳥、休息している水鳥など、芦ノ湖に渡ってきた水鳥を観察することができます。

オオバン(ツル目クイナ科)
写真2:オオバン(ツル目クイナ科)
この水鳥は、芦ノ湖では夏にいないため漂鳥と考えられます。水面を泳いだり潜水して水草の葉・茎・種子を食べるほか、水辺の昆虫・貝、甲虫類も採食します。他の水鳥よりも警戒心が少ないのか、湖岸近くで泳ぐ姿も見られました。

キンクロハジロ(カモ目カモ科)
写真3:キンクロハジロ(カモ目カモ科)
この水鳥は冬鳥です。一般的に日中は休息して、夕暮れから活動することが多いといわれていますが、潜水して餌を探している個体も見られました。

ホシハジロ(カモ目カモ科)
写真4:ホシハジロ(カモ目カモ科)
この水鳥も冬鳥です。群れで行動することが多く、この日も数多く観察できた水鳥です。潜水して餌を探している個体もいましたが水上で休息している個体も見られました。

オカヨシガモ(カモ目カモ科)
写真5:オカヨシガモ(カモ目カモ科)
この水鳥も冬鳥です。過去2回のミニ観察会の水鳥観察では見られなかった水鳥ですが、今年は雄と雌が揃って、比較的数多く見られました。雄は嘴が黒く、下尾筒の黒色が特徴です。

カンムリカイツブリ(カイツブリ目カイツブリ科)
写真6:カンムリカイツブリ(カイツブリ目カイツブリ科)
この水鳥も冬鳥です。長い時間を潜水して餌を探すため、双眼鏡で見つけても追跡が難しい水鳥です。今回は湖岸近くを通過したため容易に観察できました。頭に冠をかぶっているような模様が特徴です。

ハジロカイツブリ(カイツブリ目カイツブリ科)
写真7:ハジロカイツブリ(カイツブリ目カイツブリ科)
この水鳥も冬鳥です。この水鳥も潜水が巧みで双眼鏡で見つけても追跡が難しい水鳥です。フィールドスコープで2羽を見つけましたが、潜水を繰り返して沖合に離れていきました。水上では黒っぽいが、飛びたつと羽の内側に白い部分が見えるのでこの名前が付いたようです。

水鳥観察の後、白百合台園地に移動して冬鳥を観察しました。

シロハラ(スズメ目ヒタキ科)
写真8:シロハラ(スズメ目ヒタキ科)
この山野の鳥も冬鳥です。おなかが白っぽいのが特徴です。おなかの色が白いからシロハラと名前がついたようです。イヌツゲの果実を夢中でついばんでいました。

コゲラ(キツツキ目キツツキ科)
写真9:コゲラ(キツツキ目キツツキ科)
この山野の鳥は留鳥で、箱根ではいつでも見られますが、野鳥観察会で出会うと時間を忘れて見入ってしまう山野の鳥です。キツツキの古名「けらつつき」からキツツキと変化し、コゲラは小さなキツツキから「こけらつつき」、「こけら」から濁音が入り「コゲラ」と呼ばれる様になったと聞いています。

ジョウビタキ(スズメ目ヒタキ科)
写真10:ジョウビタキ(スズメ目ヒタキ科)
この山野の鳥も冬鳥です。翼に白い斑があり、雄は胸からおなかが橙色なのが特徴です。開けた環境を好み1羽でいます。時々ピョコンとおじぎをして尾をふるわせている姿をよく見かけます。

ツルマサキ (ニシキギ科)
写真11:ツルマサキ(ニシキギ科)
常緑つる植物のツルマサキは、枝の各所から気根を出して絡みつき樹上によじ登ります。野鳥はこの実が大好きです。コゲラも最初ツルマサキの木にとまっていて、それからマユミの木に移動しました。

最後にビジターセンター前に戻り、本日観察した野鳥の種類を全員で確認しました。水鳥および山野の鳥、合計28種を観察しました。
観察場所は限られますが毎年継続して芦ノ湖で見られる水鳥たちの種類、生態、採食行動を観察し、彼らと彼らを取り巻く環境を考えていければと思います。

本日のトップ10
1.  オオバン
2.  オカヨシガモ
3.  ホシハジロ
4.  キンクロハジロ
5.  カンムリカイツブリ
6.  ハジロカイツブリ
7.  シロハラ
8.  コゲラ
9.  ツルマサキ 果実
10. ヤドリギ  果実

箱根PV  高橋

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ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年11月22日

ここ数日で箱根の山々の木々が一斉に色づき紅葉の真っ盛りです。朝からあいにくの雨です。とても寒いですが、ビジターさん2名に参加いただき、パークボランティア12名、合計14名のミニ観察会を開催しました。本日のテーマは「晩秋の紅葉を探しに出かけましょう」です。

イロハモミジ ムクロジ科
イロハモミジ 1 VC191122

イロハモイジVC191122
ビジターセンター駐車場のイロハモミジが今年も真っ赤に色づきました。

ウリハダカエデ ムクロジ科
ウリハダカエデ1 VC191122
花の広場のウリハダカエデはすでに落葉しています。葉が地面に落ちた姿はこれもまた美しいです。
よく似たホソエカエデとの違いを観察しました。

オオモミジ ムクロジ科
オオモミジVC191122
オオモミジの紅葉が盛りです。ビジターセンター周辺では一番よく見られる紅葉・黄葉です。

ミズナラ ブナ科
ミズナラ1 VC191122
県事務所駐車場付近のミズナラは、黄葉に緑色や褐色が混じりあい今年は特に美しいです。

リンドウ リンドウ科
リンドウ VC191122
雨なので花は閉じていますが、リンドウがビジターセンター周辺のいろいろな所で見られました。

オニシバリ ジンチョウゲ科
クロモジとオニシバリVC191122
夏に葉を落としたオニシバリが葉を付き始めていました。毎年2月にはビジターセンター周辺で一番先に花を咲かせます。
隣に冬芽を付けたクロモジが黄葉しています。

ジャノヒゲ クサスギカズラ科
ジャノヒゲ VC1122
オニシバリのすぐ傍にジャノヒゲが果実をつけています。これから鮮やかなコバルトブルーになります。

サルトリイバラ サルトリイバラ科
サルトリイバラ VC191122
今年はあまり見られなかったサルトリイバラの赤い果実を見つけました。雨に濡れて光り輝いていました。

ケヤキ ニレ科
ケヤキ3 VC191122
花の広場ではケヤキの最後の黄葉が見られます。扇形に枝を広げる樹形は雄大で品格があります。

オオハナワラビ ハナヤスリ科
オオハナワラビVC191122
オオハナワラビが落ち葉の中からあちらこちらで出ていました。葉は全体が五角形の形で、葉には鋸歯があり鋭く尖ります。

ガマズミ ガマズミ科
ガマズミ1 VC191122
ビジターセンター入り口付近では、ガマズミの黄葉の中に赤い果実が付いているのが見られます。

本日のトップ10
1.  イロハモミジ 紅葉
2.  オオモミジ  紅葉
3.  ウリハダカエデ 紅葉
4.  ウリカエデ 紅葉
5.  ミズナラ 紅葉(黄葉)
6.  クロモジ 紅葉(黄葉)
7.  ケヤキ 紅葉(黄葉)
8.  コシアブラ 紅葉(黄葉)
9.  リンドウ 花
10. サルトリイバラ 果実

箱根PV  高橋

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年11月8日

本日は立冬、やや寒いですが、晴れて気持ちのよい絶好の観察日和に恵まれました。ビジターさん8名に参加いただき、パークボランティア12名、合計20名のミニ観察会を開催しました。本日のテーマは「晩秋を楽しむ」です。晩秋の果実や花々、紅葉、落ち葉などを観察します。

ガマズミ ガマズミ科
ガマズミ2 VC191108
ビジターセンター入り口付近や自然学習路ではガマズミが赤い果実を沢山つけています。
ガマズミの由来は諸説ありますが、山の神からの授かり物として「神の実」と呼ばれたことが語源とされる説があります。マタギは獲物を求めて一日中雪山を歩き回りますが、山中で食べるものがなくなるとガマズミを探し出して口にし、身体を休めました。そのほか鎌の柄や輪かんじきの材料や加工食品、染料などに広く利用されています。

マツムシソウ スイカズラ科
マツムシソウ VC191108
ビジターセンターから道路を渡った右側にマツムシソウの花が咲いています。果実(種)もついています。 マツムシソウは2年草です。今年落とした種が来年(1年目に)発芽して葉のまま冬を越し、その次の年(2年目)に花が咲きます。

こちらは1年目の葉(ロゼット)です。
マツムシソウのロゼット VC191108

センブリ リンドウ科
センブリ VC191108
子どもの広場ススキ草原の端でセンブリが見頃です。2cmほどの小さな花ですが、上品で高貴さが感じられる花です。日が照ると花が開き、日が陰ると花は閉じます。

ウリハダカエデ ムクロジ科
ウリハダカエデ1 VC191108
自然学習路のウリハダカエデが、今ちょうど紅葉真っ盛りです。葉に光があたってとても美しいです。

ウリカエデ ムクロジ科
ウリカエデの葉 VC191108
ウリカエデのまだら模様の葉を観察しました。葉脈のところは緑色が残り、葉脈から離れたところは黄色に紅葉し始めています。葉を落とす前に、光合成した糖分やタンパク質・ミネラルなどを幹の方へ回収している段階と思われます。

ツルリンドウ リンドウ科
ツルリンドウ VC191108
ツルリンドウが赤い果実をつけていました。毎年この果実を見ると冬が近づいて来たと感じます。

リンドウ リンドウ科
リンドウVC191108
リンドウも今が見頃です。リンドウもセンブリと同じように苦い健胃消化薬です。これらに含まれる苦味成分が舌の味覚神経を刺激して唾液や胃液の分泌を促し消化を助けます。

アキノキリンソウ キク科
アキノキリンソウ VC191108
白百合台園地ではアキノキリンソウが咲いています。黄色の花がよく目立ちます。

リュウノウギク
リュウノウギク VC191108
箱根では一番遅く咲き始める晩秋の野菊リュウノウギクも咲き始めています。

本日のトップ10
1.  ガマズミ 果実
2.  センブリ 花
3.  リンドウ 花
4.  マツムシソウ 花
5.  ウリハダカエデ 紅葉
6.  ウリカエデ 紅葉
7.  スイカズラ 果実
8.  ツルリンドウ 果実
9.  ジョウビタキ 野鳥
10. タンザワフキバッタ 昆虫

箱根PV 高橋

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年10月11日

台風19号が接近していて暴風雨にならないか心配でしたが、幸い風がなく、雨の合間を見つけてミニ観察会を開催することができました。このような天候にもかかわらず、4名のビジターさんに参加いただき、パークボランティア7名、合計11名の観察会となりました。
本日のテーマは「クモの巣(網)その2」、巣(網)を見ればクモの種類がわかるの2回目です。

ジョロウグモ ジョロウグモ科
網は円形、切れ目あり、3層構造
ジョロウグモVC191011
ジョロウグモは秋に成熟、今の時期は自宅周辺でも多く見られます。網の上のほうに、小さな同居するオスのクモが見えます。交尾をする機会を狙っているのですが、オスはメスに食べられる可能性があるのでじっとしています。網の左半分は古くなり、網目が粗くなっています。

オオヒメグモ ヒメグモ科
網は不規則形、構造物の隅に網を作る
オオヒメグモ3 VC191011
日本で一番多く見られるクモです。建物の隅などに網を作ります。網の上の二つの大きな袋は卵を入れている袋(卵のう)です。袋の周りに、生まれたクモが沢山ついているのがわかるでしょうか。

ビジョオニグモ コガネグモ科
網は円形、切れ目あり
ビジョグモVC191011
小さな秋のクモです。樹間に網を作りますが、いつもは葉上の網袋の中に隠れています。ここから糸が網のほうに伸びていて、網に餌が引っかかったらその糸で伝わります。
こちらがクモが隠れている葉です。手前に入り口があります。
ビジョグモ網

ノコンギク キク科
ノコンギク VC191011
ノコンギクは箱根で最もよく見られる野菊です。この季節ビジターセンター周辺ではいろいろな所で見ることができます。多数の頭花は茎の上部に同じ高さに集まって咲きます。

マツムシソウ スイカズラ科
マツムシソウ VC191011
マツムシソウは、果実になりかけていますが、花もまだ残っていました。雨の中で美しく咲いています。

ガマズミ ガマズミ科
ガマズミ VC191011
ビジターセンター入り口近くの庭にあるガマズミの実が、今年も赤い綺麗な実を沢山つけています。

ケヤキ ニレ科
ケヤキ VC191011
ビジターセンターから道路を横断したところに大きなケヤキがあります。まだ紅葉し始めです。毎年この木の紅葉が楽しみです。

本日のトップ10
1.  ジョロウグモ  クモ、巣(網)
2.  オオヒメグモ  クモ、巣(網)
3.  ビジョオニグモ  クモ、巣(網)
4.  マツムシソウ  花、果実
5.  ノコンギク  花
6.  ガマズミ  果実
7.  イヌタデ  花
8.  ヤマゼリ  花
9.  カケス  野鳥
10. ヒヨドリの群れ 野鳥

箱根PV  高橋


ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年9月27日

秋晴れの観察会日和です。温度21℃、日なたでは暑いぐらいです。ビジターさん9名、パークボランティア9名、合計18名のミニ観察会です。本日のテーマは「タネの作戦」です。植物は動けないのでタネで移動して生きる場所を広げます。植物がどんな作戦で種や実を移動させるのかビジターさんと一緒に観察しました。

ミツバアケビ アケビ科 動物散布(被食散布)
ミツバアケビ VC190927
この季節ミツバアケビが大きく実っています。ミツバアケビは、熟した果肉をサルなどの動物が食べ、糞として出た後にさらにアリが種子を運んで分散します。

ヒノキ ヒノキ科 風散布
ヒノキ VC190927
ヒノキの果実はサッカーボールそっくりの球果です。10月~11月には丸い球果が裂け、風によって中の種を散らしていきます。

サンショウ ミカン科 動物散布
サンショウ VC190927
サンショウが赤い実をつけています。これから秋になると実が熟して二つに裂け、中から黒くつやのある種子があらわれます。果皮の赤と種子の黒が二色よく目立ち、鳥がこれを食べて種が移動します。

ゲンノショウコ フウロソウ科 自動散布
ゲンノショウコ VC190927
ビジターセンター周辺園地のあちらこちらでゲンノショウコの花が見られます。ロケット形の実の基部に種があり、乾燥した日に、乾いた実の皮が一片ずつくるんとめくり上がりタネが飛びます。自動散布といいます。

ナガコガネグモ コガネグモ科
ナガコガネグモ1
子供の広場のススキ草原で、腹部に黄色と黒のこまかい縞模様がある大きなクモを見つけました。ナガコガネグモというクモでした。頭を下にして網に捕獲した何かを食べようとしていました。

キントキヒゴタイ キク科
キントキヒゴタイ VC190927
前回の観察会ではまだ蕾だったキントキヒゴタイが開花していました。

ホトトギス ユリ科
ホトトギス VC190927
ホトトギスも今が盛りです。園地の多くの場所で観察できます。今年は特に多いような気がします。

イヌタデ タデ科
イヌタデ VC190927
イヌタデが朝露に濡れて、穂状に密についた淡紅色の花が光っていました。ヤナギタデに対し、葉に辛味がなくて役に立たないという意味で「イヌタデ」と名付けられたとか。

ツルニンジン キキョウ科
ツルニンジン VC190927
自然学習路でツルニンジンが一輪だけひっそりと咲いていました。

今日は、ビジターさんとパークボランティアが一緒にタネや実のある植物を見つけながら、観察した植物を双方向で勉強し合い、とても和気あいあいとした観察会となりました。熱心なビジターさんに感謝です!

本日のトップ10
1.  キントキヒゴタイ  花
2.  ゲンノショウコ  花・果実
3.  サンショウ  果実
4.  シュウブンソウ  花
5.  シロヨメナ  花
6.  ツルニンジン  花
7.  ツルリンドウ  花
8.  ホトトギス  花
9.  ホオジロ  野鳥
10. ナガコガネグモ  クモ

箱根PV  高橋