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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺)2018年9月14日

秋雨前線が停滞して朝から雨模様、熱心なビジター3名とパークボランティア11名で観察会をスタートしました。今日のコースは、花の広場から芦ノ湖キャンプ場、白百合台園地を経由してビジターセンターに戻る長い道のりでしたが、カッパに傘で雨を防御して自然観察を堪能しました。

シキミ(マツブサ科シキミ属)
P9140222シキミ
雨の中でシキミの果実が輝いていました。葉身には油点があり、傷つけると抹香の香りがします。天気の良い日に試してみてください。

ツユクサ (ツユクサ科ツユクサ属)
P9140220ツユクサ
雨に映える青色の花弁をもつツユクサの中で、ピンクの花弁をもつツユクサもひっそりと咲いていました。皆さんも探してみてください。

タムラソウ(キク科タムラソウ属)とホシホウジャク(スズメガ科)
P9140256タムラソウとホシホウジャク
雨にも関わらずホシホウジャクがタムラソウの蜜を求めてやってきました。ホーバリングして器用に吸蜜しています。タムラソウに届く細長い口吻が見えるでしょうか。

キンモンガ (アゲハモドキガ科)
P9140274キンモンガ
雨の降る中、オオバコの葉上でキンモンガが休息していました。木陰などに身を隠せば良いのにと心配しながら、そっと観察しました。

ジガバチ(アナバチ科)
IMG_6886ミカドジガバチ
こちらの広場では、雨の中、顎で体を固定して昼寝をするジガバチの姿が見られました。雨を気にするのは人間だけなのでしょうか。

ツリフネソウ(ツリフネソウ科ツリフネソウ属)
P9140308ツリフネソウ
ツリフネソウが群生していましたが、ここではハナバチの仲間を見ることができませんでした。雨がやまないのでハナバチの仲間は、どこかで休息しているのでしょうか。

ツリフネソウハオレタマゴフシ (虫えい)
P9140309ツリフネソウハオレタマゴフシ
ツリフネソウの葉には、ツリフネソウコブアブラムシが桃赤色のきれいな虫えいを形成し、この中でアブラムシが成長していきます。この虫えいは、例年9月いっぱい見ることができます。

ツルニンジン(キキョウ科ツルニンジン属)
P9140281ツルニンジン
長いコースを散策していると思わぬところでツルニンジンを見つけることができます。花は側枝の先に下向きにつきますが、白緑色で内側に紫褐色の斑点があるのが判るでしょうか。

スズメウリ(ウリ科スズメウリ属)
P9140292スズメウリ
名称は、カラスウリに対して果実が小さいのでスズメウリという説や、果実をスズメの卵にみたててスズメウリなどの諸説があります。本当に可愛い果実ですね。

ホトトギス(ユリ科ホトトギス属)
P9140338ホトギス
コースの終盤にホトトギスの花が疲れを癒してくれました。最後まで雨が降り続けましたが、雨の日特有の自然が観察でき、有意義な時間を過ごすことができました。

トップ10
1.シキミ(果実)
2.スズメウリ(果実)
3.タムラソウ(花)
4.ツユクサ(花)
5.ツリフネソウ(花)
6.ツルニンジン(花・蕾)
7.ホットギス(花)
8.キンモンガ(昆虫)
9.オナガグモ(クモ)
10.ハクセキレイ(野鳥)

PV 小川(治)
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ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2018年8月24日

 台風20号の影響で時々雨が落ちていました。そのためかビジターは2名、PVは4名でした。雨が落ちていたので室内で本日のテーマの「花の形と工夫」で花の形と昆虫の関係を学習しました。霧雨の様な状況になってきたので外で観察をすることにしました。上に向いて咲く花のマツムシソウ、横を向いて咲く花のツリフネソウ、下を向いて咲く花のツリガネニンジンを観察しました。皆で花の形(大きさ、長さ、雄しべ及び雌しべの位置、蜜の位置)と虫の関係で、如何にして虫によって受粉させるか、花の戦略を考えてみました。ミズタマソウに雨が降ったためか果実は水玉になっていました。これがまさに水玉草でした。秋の花が咲き始めていました。センニンソウは花盛りでユウガギク、シロヨメナ、ノコンギクの野菊が咲き始めていました。コボタンヅルは沢山咲いていました。ボタンヅルも観察できました。今日はあいにくの天気で鳥はあまり飛ばず、また鳴いてなく、虫もあまり出て来ませんでした。
 人数はいつもより少なく寂しかったですが、和気藹々と楽しい観察会でした。

マツムシソウ
花は上を向いて咲いています。そのため、止まりやすいので色々な虫に人気があります。イチモンジセセリが雄期の花で吸蜜していました。雌期の花に移れば受粉します。
雄期の花
マツムシソウVC180824
雌期の花
マツムシソウ雌期VC180824

ツリフネソウ
花は横を向いています。蜜は花の奥にあるので、こじ開けて潜り込むハナバチが吸蜜することが出来ます。その時にハナバチは雄しべに触れて背中に花粉が乗ります。別の花に移って雌しべに触れれば受粉します。
ツリフネソウVC180824

ツリガネニンジン
花は下を向いています。器用な脚を持つハナバチしか訪れません。この花にとってハナバチは最も効率よく花粉を運んでくれる相手です。
ツリガネニンジンVC180824

ミズタマソウ
雨が降ったためか水が果実に付いていました。まさに、これが水玉草です。
ミズタマソウVC180824

センニンソウ
ビジターセンターの周りに沢山咲いていました。ツル植物ですから他の植物にマントの様に覆い被さるように咲いています。マント植物とは良く言ったものです。
センニンソウVC180824

ユウガギク
夏の初めから咲き始める。「優雅菊」ではなく「柚香菊」。名の由来は葉をちぎれば、かすかに柚の香りがするだが、実際は殆どしない。
ユウガギクVC180824

ノコンギク
箱根で最もよく見られる野菊。「紺」と言う字のごとく、淡い紫色の花を咲かせるものが多いが、白い花もある。
ノコンギクVC180824

ボタンヅル
ビジターセンターの周りで見ました。コボタンヅルはよく見かけますがボタンヅルは余り見かけません。違いは葉にあります。ボタンヅルは1回3出複葉でコボタンヅルは2回3出複葉です。
ボタンヅルVC180824

オオミズアオ
翅の綺麗な大きな蛾です。じっとしていて近づいても逃げませんでした。夜に活動するので、お昼寝中だったのでしょう。
オオミズアオVC180824


本日のトップ10
1.マツムシソウ(満開)
2.ツリフネソウ(満開)
3.センニンソウ(満開)
4.ツリガネニンジン(花)
5.ミズタマソウ(花、果実)
6.ユウガギク(花)
7.シロヨメナ(咲き始め)
8.ワレモコウ(花)
9.イチモンジセセリ(蝶、吸蜜)
10.オオミズアオ(蛾、休息)

箱根PV  原田

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2018年8月10日

 温度24℃で、暑い今年の夏では涼しく感じました。ビジター9名、PV10名でスタートしました。今回のテーマは秋の七草です。VC周辺では秋の七草の一つであるナデシコの仲間のカワラナデシコが満開で見頃でした。風になびいたピンク色の花びらは、誇らしく目立って見えました。夏の花のコバギボウシ等がピークを終え、秋の花の野菊のユウガギク等が咲き始めていました。植物の世界は夏から秋に向かっていました。

カワラナデシコ
昔は河原に自生していたので「河原」で、子のように撫でたい草なので「撫子 」。万葉集にも歌が詠まれるほど古くから栽培されてきた草花で、秋の七草の一つに数えらています。
カワラナデシコVC180810

コバギボウシ
花も葉もスマートで紫色の花が目立ちます。
コバギボウシVC180810

コオニユリ
名前の由来は橙赤色の花が赤鬼に顔に見えるから。花びらが反り返った形と色で鬼に見えるのでしょう。花の派手さでアゲハチョウの仲間を誘う。雄しべは花より突き出ていて吸蜜するときに花粉が翅に付く。赤い花粉を翅につけたキアゲハをよく見かける。
コオニユリVC180810

ユウガギク
夏の初めから咲き始める。「優雅菊」ではなく「柚香菊」。葉を揉むと柚の香りがすると言われているが実際は殆どしない。
ユウガギクVC180810

ツリガネニンジン
根を朝鮮人参に花の形を釣鐘にたとえてこの名がついた。沢山の花をつり下げてハナバチやチョウの訪れを待っている。
ツリガネニンジンVC180810

ミズタマソウ
白い毛がある果実を露がかかった水玉に見立てて水玉草。逆光で見ると綺麗です。毛は鍵形になっており動物にくっついて散布する。
ミズタマソウVC180810

ツルボ
球根を昔は食べていた。この球根がつるりとした坊主に見え、ツル坊主でツルボになったようです。
ツルボVC180810

トンボソウ
今年は箱根のどこでもよく見かけます。当たり年かも知れません。名の由来は花の形がトンボに似ているから。
トンボソウVC180810

ツチアケビ
美味しそうなソーセージが沢山ぶら下がっています。昔の人はこの実をアケビに見立て、土から生えているのでツチアケビ。光合成を行う葉を持たず、養分のすべてを共生菌に依存している。
ツチアケビVC180810

アサギマダラ
旅をするチョウ。今は南に飛び立つために蜜を吸って休養している。飛ぶ時に空気抵抗を少なくして疲れないようにするため、鱗粉がなく体に比べて大きな翅を持つ。鱗粉がないためマーキングが出来、移動の状況が分ってきている。
アサギマダラVC180810

本日のトップ10
1.カワラナデシコ  満開
2.コバギボウシ   花
3.ツルボ        咲き始め
4.ユウガギク     咲き始め
5.ダイコンソウ     花
6.ツリガネニンジン  満開
7.ツチアケビ     赤い果実
8.キジ         親子で歩行
9.アサギマダラ    飛翔
10.ベニシジミ     飛翔

箱根PV 原田

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2018年7月27日

今まで経験のない暑さが続いていましたが、今日は21℃と過ごしやすい温度でした。ビジター13名、PV9名でした。夏休み入っての観察会のためか親子連れの参加がありました。お子さんは捕虫網、虫かごを持っての参加です。今日のテーマはタマアジサイとネムノキです。タマアジサイは咲き始めの状況で蕾も沢山あり、これから次々に咲き10月まで目を楽しませてくれるでしょう。ネムノキは咲き終わりの状況でした。オオシマザクラ、ヤマザクラ、コブシの冬芽が出ていました。夏に冬芽の観察とはこれ如何にですが、夏の間に栄養を蓄えて冬を越す準備は始まっているのでしょう。

タマアジサイ
ビジター周辺には沢山あります。アジサイの仲間ではもっとも花期が遅く、箱根では10月頃まで花が見られる。花には蜜はなく、花粉を食べにヨツスジハナカミキリ、マルハナバチ等の昆虫が集る。
タマアジサイVC180727

ネムノキ
VCでは花の広場、学習路などにあります。夜になると葉が垂れ下がり、小葉は閉じてしまう(就眠運動)ので合歓木。花は夕方から咲き、ほのかな香りを放ち、スズメガ等の昆虫を誘う。
ネムノキVC180727

小葉が閉じたネムノキ
ネムノキ就眠VC180727

ヒメヤブラン
VCの外のトイレ近くの芝生に群生していました。ランの名前があってもラン科ではなく、ユリ科です。花は淡い紫色で上向きに咲く。
ヒメヤブランVC180727

ヤマユリ
神奈川県の県花。日本特産のユリで、山中に自生することから「山ユリ」。強い香りを放ちアゲハチョウなどを誘う。蜜を吸う時に翅を開閉するタイミングで花粉が付く。雄しべは花粉がチョウの翅につきやすい構造になっている。
ヤマユリVC180727

コマツナギ
日本原産の植物。草のように見えるが、じつは木本。葉か奇数羽状。名前の由来は茎が馬をつなげるほど丈夫ということから。
コマツナギVC180727

ヌスビトハギ
一株ほど咲いていました。ヌスビトとは不名誉な名前を付けられたものです。実の形が盗人の足跡に似ていることから。実になったらよく見てください。メガネなど色々な形に見えます。
ヌスビトハギVC180727

ミツバアケビ
青い実がなっていました。これから熟してはち切れるのでしょう。テン等の動物がよく食べます。
ミツバアケビVC180727

リョウブ
花が満開です。官令により植栽を命じたことが名前の由来。別名「ハツモリ」は「旗積り」、「畑積り」、「旗積り」。「旗積り」は花の咲く景観を、百千万の旗が翻っているように見立てたことから。
リョウブVC180727

ヤブデマリ
実も赤いが花序の枝も赤くなっています。見事な色です。10月頃赤くなるがもう赤くなっています。完全に熟すと果実は黒くなる。
ヤブデマリVC180727

フクラスズメの幼虫
名前はスズメですが鳥ではなく蛾です。コアカソにいました。毒を持っているような色彩だが毒は持ってない。この幼虫は面白い習性を持っている。指などで刺激を与えると「頭突き」で反撃してくる。見つけたらやってみてください
フクラスズメ幼虫VC180727

本日のトップ10
1.タマアジサイ       開花
2.コマツナギ        開花
3.ヒメヤブラン       満開
4.ヤマユリ         満開
5.ヌスビトハギ       開花
6.ネムノキ          咲き終わり
7.ミツバアケビ       青い果実
8.ホオジロ          囀り
9.オオセンチコガネ    歩行
10.ツマグロヒョウモン   飛翔
    
箱根PV  原田

ミニ観察会(ビジターセンター周辺)2018年7月13日

今回のミニ観察会のテーマは、前回の「虫えいを探そう(タマバエ編)」に引き続き、「虫えいを探そう(アブラムシ・キジラミ編)」です。ビジターセンター周辺ではノリウツギを始め、オカトラノオやクサレダマなどが開花し、蝶や甲虫・ハチの仲間の元気な姿を見ることができます。その様な中で、同じ昆虫なのに普段はほとんど目にすることがないアブラムシやキジラミの仲間たちは、ユニークな形の虫えいを一所懸命に形成し始めています。今回は、そんな昆虫たちがつくる虫えいも探してビジターセンター周辺を散策してみました。

オカトラノオ(サクラソウ科オカトラノオ属)
オカトラノオ-3
子供の広場や花の広場では、サクラソウ科オカトラノオ属の花たちが開花しています。オカトラノオは、茎の先の総状花序に白い小さな花をいっぱいつけ、頭を垂れて昆虫たちを招待しているようでした。

クサレダマ(サクラソウ科オカトラノオ属)
クサレダマ
一所懸命きれいに咲いているのに「クサレダマ」? 漢字で「草連玉」との説明に、「クサレンダマの方がいいのに」とポツンと一言。

ヌマトラノオ(サクラソウ科オカトラノオ属)
ヌマトラノオ
オカトラノオの群生の側でヌマトラノオも群生しています。果穂を垂らさず直立し、オカトラノオとの差別化を主張しているようです。

ノリウツギ(ユキノシタ科アジサイ属)
ノリウツギ
ビジターセンター周辺を散策すると、満開のノリウツギにもすぐ出会うことができます。枝先の円錐花序にはアオハナムグリやハナカミキリなど訪花性昆虫が多く集まっています。

アケビハオレフシ(虫えい)
アケビハオレフシ
花だけでなく木本の葉にも目を向けてみましょう。ちょっと不思議?と思える虫えいを見つけることができます。この虫えいは、ベニキジラミがつくっています。ミツバアケビの小葉全体が葉表を中にして、主脈から二つに折り畳まれているので“ハオレフシ”といわれています。

ウコギハグキツトフシ(虫えい)
ウコギハグキツトフシ
この虫えいは、ウコギトガリキジラミがつくっています。ウコギの葉柄が藁苞のように形成されているので“ハグキツトフシ”です。

エゴノネコアシ(虫えい)
エゴノネコアシ
この虫えいは、エゴノネコアシアブラムシがつくっています。もともとはエゴノキの側芽なのですが、このアブラムシの刺激によって、“ネコの足先”のように形成されます。

ヌルデミミフシ(虫えい)
ヌルデミミフシ-2
この虫えいは、ヌルデシロアブラムシがまさにつくり始めたばかりで、双眼鏡で見つける必要があります。今は葉軸部に小さなふくらみしか見えませんが、秋には耳附子(みみふし)に恥じない大きさに肥大し、肉眼でも観察できるようになります。

ヒグラシ(カメムシ目セミ科)
ヒグラシ-2
自然学習路から子供の広場、そして花の広場へと散策していると、清々しいヒグラシの合唱が疲れを癒してくれます。鳴き声の方角の樹木に目を向けてみてください。きっと歌っているヒグラシの姿が見つかるはずです。


トップ10
1.オカトラノオ(花)
2.クサレダマ(花)
3.ヌマトラノオ(花)
4.ノリウツギ(花)
5.アケビハオレフシ(虫えい)
6.ウコギハグキツトフシ(虫えい)
7.エゴノネコアシ(虫えい)
8.ヌルデミミフシ(虫えい)
9.ヒグラシ(昆虫)
10.ウグイス(野鳥)

PV 小川(治)・谷上

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