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箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年6月14日

梅雨に入り、雨の降る日が続いていましたが、今日は中休みでしょうか、温度20℃と気持ちの良い天気です。ビジターさん8名、パークボランティア10名、合計18名のミニ観察会です。
本日のテーマは「植物の化学防衛」です。植物は化学成分を蓄積することで、虫や動物に食べられないようにしたり、カビや細菌から身を守っています。

ドクダミ ドクダミ科 ドクダミ属
虫刺れや蓄膿症など十種の薬効があるため「十薬」とも呼ばれ昔から民間薬としても使われてきました。デカノイルアセトアルデヒドという化学成分を含み強力な殺菌作用(防カビ作用)があります。
ドクダミ VC190614

ホオノキ モクレン科 モクレン属
子供の広場方面への道路を渡ってすぐにあるホオノキは低いところに花が付いているので観察に最適です。開花して1日目に雌しべが熟し花粉を受け入れ、2日目に雌しべが閉じ雄しべが開き花粉を放出し、写真は3日目で雄しべがパラパラと散り始めています。
ホオノキ VC190614

オオバウマノスズクサ ウマノスズクサ科 ウマノスズクサ属
オオバウマノスズクサの葉の裏にジャコウアゲハの卵を2個産み付けていました。幼虫になるとこの毒の葉を食べて毒を体内に蓄積します。天敵の鳥などに食べられないために化学防衛していると言われています。
オオバウマノスズクサ VC190614

花は管楽器のサクソフォンのような形の花を葉腋に1個付けます。今ちょうど花を見ることができます。
オオバウマノスズクサの花 VC190614

エゴノキ エゴノキ科 エゴノキ属
ビジターセンター周辺の多くの場所でエゴノキが見頃です。枝先に白い釣り鐘のような花を沢山付けています。花が落ちているのも多いですがまだまだたくさん見られます。
エゴノキ VC190614

サルナシ マタタビ科 マタタビ属
自然学習路のサルナシにはたくさんの花が付いていました。可憐な白い花はとても美しいです。秋に実が付くのが楽しみです。
サルナシ VC190614

ノアザミ
白百合台園地ではノアザミの群生が見られます。アザミの仲間で春から初夏に花を付けるのはこのノアザミだけです。花から延び出ている雄しべを刺激してみてください。花粉がでてくるはずです。
ノアザミ VC190614

ドロハマキチョッキリの揺籃
花の広場ではイタドリのドロハマキチョッキリの揺籃(オトシブミ)がたくさん観察できました。オトシブミの仲間は卵を産み付けた葉を丸め「ゆりかご」を作ります。
ドロハマキチョッキリ VC190614

イタドリの葉を折り曲げて、ドロハマキチョッキリの揺籃を作っているのを見つけました。じっと観察していればオトシブミを作るのが見られると思います。
ドロハマキチョッキリ途中 VC190614

季節はあっという間に移り変わり、花や木の実・昆虫も日々様変わりしています。是非この時期しか見られない箱根の自然を存分に楽しんでください。

本日ののトップ10
1.  オオバウマノスズクサ  花
2.  ドクダミ  花
3.  ノアザミ  花
4.  サルナシ  花
5.  コアジサイ  花
6.  エゴノキ  花
7.  クマシデ  実
8.  イヌシデ  実
9.  ドロハマキチョッキリ 虫、揺籃
10. キビタキ  野鳥

箱根PV  高橋
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ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年5月24日

9時30分気温22℃と初夏のような箱根です。ビジターセンター周辺も初夏の花に変わりつつあります。本日はビジターさん10名に参加いただき、パークボランティア7名、合計17名のミニ観察会です。本日のテーマは「白い花」です。

日本の野生種の花のうち、白い花は約32%を占めるそうです。白い花は人間の目には地味ですが、紫外線が見える虫の目で見ると派手に見える部分があるようです。受粉を昆虫に依存する植物は、昆虫が来てくれる確率の高い白い花を咲かせるよう進化してきたのだと思われます。

ヤブデマリ スイカズラ科 ガマズミ属
白い花で、ビジターセンター周辺の初夏を代表する花は、ヤブデマリです。ヤブデマリの咲き誇る姿には毎年感動します!
甲虫、ハチ、アブなどが蜜を吸いに来ますが、彼らは白い装飾花を椅子みたいに座って花の蜜を吸うそうです。
ヤブデマリ VC190524

サンショウバラ バラ科 バラ属
毎年、ヤブデマリとサンショウバラの二つの花を観ると、箱根が春から初夏に変わっていくのを感じます。本日は、サンショウバラはまだ蕾でした。でももうすぐにも咲きそうです!
サンショウバラ VC190524

ハルジオン キク科 アズマギク属
北アメリカ原産の帰化植物です。大正時代に観賞用に持ち込まれたものが野生化しました。牧野富三郎氏の命名で、春に咲く紫苑という意味です。花全体は上向きなので、飛行の下手な甲虫が止まりやすいです。
ハルジオン VC190524

ホオノキ モクレン科 モクレン属
大きな葉と大きな花で存在感が抜群の花です。ホオノキは1つの花に雄しべと雌しべがある両性花なので、自らの花粉によって受精しないような工夫を行っています。開花と同時に雌しべが熟し反りかえり花粉を受け入れます。2日目はめしべが閉じ、雄しべが開き花粉を放出します。3日目は雄しべがパラパラと散り始めます。花の命は短く数日で茶色く変色してしまいます。
ホオノキ VC190524

ナナカマド バラ科 ナナカマド属
自然学習路では、ナナカマドが見頃を迎えています。枝先に多数の白い花を付けて咲いています。
ナナカマド VC190524

サワフタギ ハイノキ科 ハイノキ属
箱根レイクホテル近くのサワフタギの花はまだ蕾でしたが、もうすぐ白い花を咲かせそうです。秋には美しい藍色の実をつけます。楽しみです!
サワフタギ VC190524

ケヤキハフクロフシ 
今年も花の広場のケヤキの葉に沢山のこぶが付いています。これはケヤキハフクロフシという虫えい(虫こぶ)です。アブラムシの一種(ケヤキヒトスジワタムシの幹母)がケヤキの葉にもぐりこんで作ったものです。虫えい内で幹母は翅が生える仔虫を産み、成長した有翅虫たちは初夏には虫えいから脱出してササ類に移住します。
ケヤキハフクロフシ VC190524

本日のトップ10
1.  ヤブデマリ  花
2.  ホオノキ  花
3.  ナナカマド  花
4.  サワフタギ  蕾
5.  ハルジオン  花
6.  サラサドウダン  花
7.  シロツメクサ  花
8.  ヒメアシナガコガネ  昆虫
9.  オナガ  野鳥
10. ケヤキハフクロフシ  虫えい

箱根PV  高橋

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年5月10日

令和最初の観察会は、幸先良く天気に恵まれました。ビジター16名、パークボランティア15名、総勢31名と沢山の参加でした。本日のテーマは「ツツジ」です。ツツジは漢字で「躑躅」(テキチョク)と書きます。2文字とも「足へん」です。何故「足へん」と言うことで観察会はスタートしました。

ヤマツツジ  (ツツジ科)
初夏の箱根を飾る代表的なツツジです。日照の強い尾根筋、酸性の土地によく生育する。雌雄同株、両性花。葉には春葉と夏葉がある。
ヤマツツジVC190510

トウゴクミツバツツジ  (ツツジ科)
箱根でよく見られるミツバツツジにトウゴクミツバツツジ、ミツバツツジ、キヨスミミツバツツジがあります。ミツバツツジの雄しべは5本でトウゴクミツバツツジとキヨスミミツバツツジは10本です。トウゴクミツバツツジとキヨスミミツバツツジの違いは外観では難しいです。花柱に腺毛の有無です。
トウゴクミツバツツジVC190510

ウマノアシガタ  (キンホウゲ科)
VC周辺の黄色い花の代表でしょうか、沢山咲いています。ウマノアシガタ(馬の足形)とは変な名前です。花を上から見ると花の輪郭が「馬わらじ」に似ているとか。葉の形が馬蹄形と言う説もあり。英名はジャパニーズバターカップ、花の色は黄色で光沢があり、形はカップに見えます。
ウマノアシガタVC190510

ズミ   (バラ科)
子供の広場周辺で咲いています。コナシ(小梨)、コリンゴ(小林檎),ミツバカイドウ(三葉海棠)などの別名があります。図鑑ではズミ(酢実)と表記されています。蕾の時は淡いピンク色で花が開くと白に変わります。このツートンカラーが何とも言えません。
ズミ VC190510

マルバアオダモ  (モクセイ科)
繊細な花をつけています。野球のバットの材料となるアオダモによく似ている。違いはアオダモに較べ鋸歯が不明瞭。
マルバアオダモ VC190510

オトコヨウゾメ  (ガマズミ科)
日本の固有種。ヨウゾメはガマズミの地方名で果実は苦くて食べられないので「男」を付けたようです。
オトコヨウゾメVC190510

ニョイスミレ  (スミレ科)
スミレの仲間では遅く咲くようです。沢山咲いていました。名前の由来は花柄が長く伸びて先端に花を付けた姿を、高僧が持つ「如意」に見立てたものです。別名のツボスミレの坪とは庭のことで、庭に生えるスミレのこと。
ツボスミレVC190510

キビタキ  (ヒタキ科)
VC周辺でよく囀っています。眉班、腰、喉、胸腹部が黄色の綺麗な夏鳥です。姿も綺麗だが、声も綺麗で楽器のピッコロの様に囀ります。
キビタキVC190510

イタヤハマキチョッキリ  (チョッキリ亜科)
揺籃を作っているところでしょうか、揺籃の上に乗っています。虫の大きさに較べて大きな揺籃を作る。多くの葉を重ねた形を葉巻(たばこ)に例えて、ハマキの名前がある。
イタヤハマキチョッキリVC190510

本日のトップ10
1.ヤマツツジ          花
2.トウゴクミツバツツジ   花
3.シロヤシオ        花
4.ズミ             花
5.マルバアオダモ      花
6.ウマノアシガタ      花
7.オトコヨウゾメ      花
8.キビタキ          野鳥
9.イカル           野鳥
10.イタヤハマキチョッキリ  昆虫

箱根PV 原田育生

ミニ観察会(ビジターセンター周辺)2019年4月26日

平成最後のミニ観察会。天気予報のとおり朝から雨で昨日までとは異なり、気温が12℃(9時30分)と少々寒さを感じます。このような中でも熱心なビジター3名が参加され、パークボランティア9名とともに雨の日ならではの自然を堪能する観察会をスタートしました。

エンコウカエデ(カエデ科カエデ属)
ビジターセンター周辺では、イロハモミジ、ウリハダカエデ、カジカエデなど多くの種類のカエデを見ることができます。雨の中、一段と新緑に燃えるカエデをよく見ると、淡い黄緑色をした可憐な花を見つけることができます。写真;エンコウカエデの新葉と花序
エンコウカエデ

オオシマザクラ(バラ科サクラ属)
伊豆諸島の大島などに多く産することから「オオシマザクラ」と呼ばれています。マメザクラの花も残り少なくなった花の広場で、オオシマザクラの白い花と淡い緑の新葉が雨の景色に調和しています。オオシマザクラは、今しばらく楽しめそうです。
オオシマザクラ

カキドオシ(シソ科カキドオシ属)
花のあと茎がつる状になり、垣根を通り抜けてのびることから「垣通し」。しかし今の時期は花の群落でまるでお花畑のようです。雨の中でも思わず立ち止まらずにはいられない、一面薄紫色のジュウタンでした。
カキドオシ

クロモジ(クスノキ科クロモジ属)
クロモジの小さな淡い黄色の花たちは、雨の滴の重さでちょっと下向き加減ですが、それでも今回の観察会ではひときわ輝いて見えました。これらの花は葉の展開とともに開花したものです。写真;雄株の雄花
クロモジ

チゴユリ(イヌサフラン科チゴユリ属)
小さく可憐な花を稚児行列の稚児にたとえて「稚児百合」。雨が止まぬ園地内の思わぬところで、チゴユリの群生に出会いました。毎年この時期に観察するのを楽しみにしている参加者も多く、雨でも歩いて良かったとの声も聞こえてきました。
チゴユリ

ニワトコ(スイカズラ科ニワトコ属)
芽鱗が開いて顔を出した花序と葉の赤ん坊(通称;ブロッコリー?)は愛らしく馴染みが深いですが、その後の黄白色の小さな花を多くつけた円錐花序や新たに成長した新梢の新葉は雨のなかでもより美しい情景を表現しているように感じられました。
ニワトコ

ハコネグミ(グミ科グミ属)
今年もハコネグミの花を観察することができました。ハコネグミはフォッサマグナ要素の植物で箱根に多いといわれています。この花は葉腋に1個ずつつき、萼筒の外面には銀色と淡黄褐色の鱗状毛と星状毛が密生するとのことですが、雨に濡れていて細かく観察は出来ませんでした。
ハコネグミ

ニワトコヒゲナガアブラムシ(アブラムシ亜科ヒゲナガアブラムシ族)
ニワトコの新梢にオレンジ色で光沢のあるきれいなアブラムシを見つけました。これらのアブラムシはニワトコヒゲナガアブラムシといい、無翅型の胎生雌虫とその幼虫たちです。春季に植物の成長部分の幼芽、幼茎、幼葉に好んで生活しますが、雨の滴にも負けずに産仔している生命力ある姿を観察することができました。
ニワトコヒゲナガアブラムシ

モミジニタイケアブラムシ(ケアブラムシ亜科ニタイケアブラムシ族)
いろいろなカエデの観察中、カジカエデの新葉にも産仔しているアブラムシとその幼虫を見つけました。このアブラムシはモミジニタイケアブラムシといい、背面の黒色班と長毛が特徴で窒素含有率が高い展開中の葉では普通型の幼虫を産仔し、逆に低い展開済みの葉では、越夏型を産仔するといわれています。
モミジニタイケアブラムシ

新梢の葉裏を数多く探していると、翅が生えたモミジニタイケアブラムシの成虫を見ることができました。この成虫は有翅型の胎生雌虫で、新鮮な新葉に飛んで移動し胎生雌虫を産仔して子孫を増やします。雨が止むのをまっているのか、じっとしていたので、そのまま静かに戻しておきました。
モミジニタイケアブラムシ(有翅虫)

トップ10
1.オオシマザクラ
2.カキドオシ
3.クロモジ
4.チゴユリ
5.ツルカノコソウ
6.ハコネグミ
7.マルバスミレ
8.キジ
9.キビタキ
10.ニワトコヒゲナガアブラムシ

箱根PV 小川(治)・谷上

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2019年4月12日

4月なのに季節はどうなっているのでしょう。ビジターセンター周辺は一面冬景色です。こんな雪の中でもビジターさん12名に参加いただき、パークボランティア9名、合計21名のミニ観察会を開催しました。本日のテーマは「植物が子孫を残す工夫」です。

朝9時半頃のビジターセンターから外を見た景色です。
冬景色 VC190412

動物は動き回れますが、植物は動きまわれません。植物はいろいろな知恵を絞って子孫を残していきます。そのひとつが、自家受粉を防ぐために、雄花と雌花が別々の木に咲く雌雄異株です。

アオキ ミズキ科 アオキ属
アオキは雌雄異株です。写真は雄株です。雄花が葉芽より先に咲いて、後から次々と側枝が伸び、葉が展開します。雪に隠れていますが、紫褐色の小さな花にある4枚の花弁と4本の雄しべが見えるでしょうか。
アオキ VC190412

アブラチャン クスノキ科 クロモジ属
アブラチャンも雌雄異株です。写真は雌株です。葉の展開前に淡黄色の花が3~5個集まって咲きます。緑色の球形の子房も見えます。春の箱根を彩る花です。
アブラチャン VC190412

マメザクラ バラ科 サクラ属
冬景色の中で園地の至る所でマメザクラが満開です。毎年この清楚な桜を見ると箱根にも春が来たなと感じます。
マメザクラ VC190412

ミツバツツジ ツツジ科 ツツジ属
園地のあちらこちらでミツバツツジが咲き始めました。輝くようにピンク色に咲いています。これも箱根の春を彩る風景です。
ミツバツツジ VC190412

ヤドリギ ヤドリギ科 ヤドリギ属
雌雄異株の半寄生植物です。白百合台園地のケヤキに寄生したヤドリギ雌株には、昨年の果実と今年の雌花がついていました。
ヤドリギ雌花 VC190412

こちらはヤドリギの雄花です。葉(二葉)が出て成長するようになるまで3年かかります。その後、一年で一節ずつ成長します。冬のヤドリギは葉に蓄えた水分を大事に使って生命活動を行っています。
ヤドリギ雄花 VC190412

ヒナスミレ スミレ科 スミレ属
子供の広場では「スミレのプリンセス」と言われるヒナスミレの最後の数株だけが残っていました。落ち葉に埋もれるように咲き、透明感のある淡紅紫色の花は楚々としています。
ヒナスミレ VC190412

春はそこまで来て一転冬に逆戻りですが、季節は確実に巡っています。自然の生命力がヒシヒシと春の息吹を感じさせてくれました。

本日のトップ10
1.  アオキ  雌花・雄花
2.  アブラチャン  雌花・雄花
3.  ヤドリギ  雌花・雄花
4.  カキドオシ
5.  マメザクラ
6.  ミツバツツジ
7.  ヒイラギナンテン
8.  タチツボスミレ
9.  イカル  野鳥
10. シメ  野鳥

箱根PV 高橋

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