箱根の四季

箱根パークボランティアによる箱根の最新自然情報をお届けします

芦ノ湖東岸自然情報コース 2017年9月23日

 9月下旬ともなると、芦の湖東岸はそろそろ秋いろに染まり始めます。
観察する花も少なくなりつつありますが、色づき始めた木の葉や
木の実を観察する楽しみが増えてきます。
 そんな中で、アザミ類、ツルニンジン、桃源台のツリガネニンジンや
坊が沢のツリフネソウの群落が目をひきました。
 ノギク類ではノコンギク、シロヨメナ、シラヤマギクが元気です。
リュウノウギクの蕾が膨らんでいます。




ツリフネソウ(ツリフネソウ科)
細い花柄の先に釣り下がって咲く花の姿を釣舟に見立てたのが名の
由来です。熟した果実に触ると果皮がパッと開いてはじけ飛ぶのは、
ホウセンカの仲間のしるしですね。
ツリフネソウ 東岸9月

ツルニンジン(キキョウ科)です。
別名ジイソブ(爺ソブ)はバアソブ(婆ソブ)に対しての呼び名です。
バアソブはジイソブにくらべ、やや小さく全体に白い毛が散生しています。
残念ながら、バアソブは箱根では見たことがありません。
ツルニンジン

ホトトギス(ユリ科)
花の斑点を鳥のホトトギスの胸の斑点に見立てています。
ホトトギス 東岸9月

ヤマトシリアゲ(シリアゲムシ科)
尾がひょこんとあがっているのが名前の由来です。
オスの腹部にハサミがあり、雌雄ともに腹を上に反らします。
シリアゲムシ類では交尾時にオスがメスにプレゼントする
「婚姻贈呈」が知られています。
ヤマトシリアゲ  東岸9月

レモンエゴマ(シソ科)
エゴマに似てレモンの香りがする事が名前の由来です。
花穂はシソに似ています。
レモンエゴマ 東岸9月

マルバフジバカマ(キク科)
外来種です。
昭和初期に箱根で見つかり現在では各地に拡大しています。
とても丈夫で、在来種への影響が心配されています。
マルバフジバカマ 東岸9月

フユノハナワラビ(ハナヤスリ科)
アカハナワラビ、ウスイハナワラビ、アカネワラビ、オオハナワラビ、
ナツノハナワラビ等のハナワラビの仲間が箱根で見られます。
雑種もできやすくて同定しにくい植物と言われます。
ハナワラビSP 東岸9月

テバコモミジガサ(キク科)
仲間のミジガサより全体に小ぶりです。
高知県の手箱山で最初に発見されたのが名の由来です。
テバコモミジガサ 東岸9月

«本日のトップ10»
 ツルニンジン
 ツリフネソウ
 ホトトギス
 シュウブンソウ
 ツリガネニンジン
 レモンエゴマ
 ヒメキンミズヒキ
 ミズヒキ
 ヒメドコロの果実
 ツリバナの果実

(箱根PV藤城)

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芦ノ湖水門と歴史を訪ねて(黒岳コース)2017年10月15日

秋の雨が続いています。
今日は、行事下見を兼ねた大事な観察会でしたので、風雨に負けずフルコースを歩きました。
    観察会のテーマは『箱根ジオパーク 芦ノ湖水門と歴史を訪ねて』

黒岳10151
さあ、出発です。「こどもの広場」方面から、本日の主テーマの芦ノ湖の湖尻水門、深良水門に向かいます。


黒岳10152
深良水門にて。神山・駒ケ岳は雲と霧に包まれて。


黒岳10153
深良用水の隧道入口。隧道の長さは約1300m、芦ノ湖の水は外輪山を貫いて、向こうの静岡県側に流れています。


黒岳10154
湖尻峠から、いよいよ黒岳の草付斜面に取り付きます。心強いメンバーです。12名が列を作って、黙々と着実に。


黒岳10155
黒岳の手前にて。雨の観察会のご褒美は、今が旬のリュウノウギク(キク科)です。



黒岳10156
それに、秋の黒岳になくてはならないマツムシソウ(マツムシソウ科)のお出迎え。



黒岳10157
雨に濡れた赤い実が、映えていました。ガマズミ(スイカズラ科)。
このほかにツルシキミ、ヤマボウシの赤い実も観察しました。

本日のトップ10
1.リュウノウギク(花)
2.マツムシソウ(花)
3.センブリ(花)
4.ヤマトリカブト(花)
5.アキノキリンソウ(花)
6.タイアザミ(花)
7.ナギナタコウジュ(花)
8.ガマズミ(実)
9.ヤマボウシ(実)
10.ツルシキミ(実)


行事観察会の本番は10月28日です。当日は晴れて外輪山から箱根火山と芦ノ湖が望まれることを期待します。
今日は、お疲れ様でした。

(箱根PV小川)

ミニ観察会(ビジターセンター周辺) 2017年10月13日

昨日までの夏のような暑さから一転、今日は雨の寒い一日です。1か月前に花を観察したつる性植物は、もう沢山の実をつけています。本日のテーマは「つる性植物を観察する(つづき)」です。ビジターさん2名、パークボランティア12名、合計14名のミニ観察会です。

つる性植物は自力では立てないので、いろいろな知恵を使い、さまざな手段を使って伸びていく植物です。
スイカズラは、つるで巻き付いて伸びていきます。緑色の実はやがて熟して黒くなります。
スイカズラ VC171013

コボタンヅルは葉柄で巻き付いて伸びていきます。花はもう果実になっていました。
コボタンヅル VC171013

ビジターセンターから道路を横断したところに大きなケヤキがあります。毎年この木の紅葉が楽しみです。
ケヤキ VC171013

自然学習路ではサンカクヅルの実が雨に濡れて黒く美しいです。
サンカクヅル2 VC171013

葉も緑の中に紅葉が目立ちとても美しいです!
サンカクヅル4 VC171013

イワガラミは付着根を出して他の木によじ登ります。
イワガラミ VC171013

サラシナショウマはまだ花をつけていました。
サラシナショウマ VC171013

ムラサキシキブが紫色の小さな実を付け始めています。
ムラサキシキブ VC171013

今年もヤマボウシの実が豊作です。葉も一部紅葉し始めています。
ヤマボウシ VC171013

本日のトップ10
1.  アカネ  果実
2.  ヤブマメ  果実
3.  スイカズラ  果実
4.  ヘクソカズラ  果実
5.  ツタウルシ 幼木の紅葉
6.  サンカクヅル  果実と紅葉
7.  サラシナショウマ  花
8.  ヤマボウシ  果実と紅葉
9.  キジ  家族(雄、雌、子)
10. アカネツボミフクレフシ  虫えい(虫こぶ)

箱根PV 高橋

湯坂路自然情報コース 2017年10月2日

 暑くなく寒くもない観察日和。メンバー3人は金時山の下見、体調が悪くなられた2人が参加できず残念でしたが秋草を堪能できました。特にキク科やイネ科の植物が多く観察できました。今日は朝から何故か鳥たちの鳴き声や姿が少なかったような気がしました。ヤマラッキョウ、キッコウハグマ、リンドウ、センブリは蕾ばかり花は次回のお楽しみのようです。

コブナグサ  イネ科 コブナグサ属
茎は分枝して地面を這って節から根を出します。葉の卵形で縁は波打っています。
基部は卵形で茎を抱き縁に毛が見られます。花序は掌状に広がって見えます。
八丈島の黄八丈はこの草から染められています。
コブナグサ湯坂路171002

キントキヒゴダイ  キク科 トウヒレン属
湯坂路では沢山のキントキヒゴダイが観察できます。最近は鹿の食害が気がかりです。
別名:センゴクヒゴダイ。
葉にはっきりとした湾入があったりなかったりしています。総苞は長さ13cm~15cm、幅8mm~10mmで蜘蛛毛があり、片の先は鋭く尖り先が反り返る。
キントキヒゴタイ湯坂路171002

イヌガンソク  コウヤワラビ科 コウヤワラビ属
 大型で夏緑性のシダ。湯坂路では数か所で見られます。葉は栄養葉と胞子葉があり胞子葉は夏以降に見られます。胞子葉ははじめは緑色ですが茶色になって栄養葉が枯れても残っています。しっかり冬でも目立っています。
イムガンソク湯坂路171002


ヤマハッカ  シソ科 ヤマハッカ属
 ハッカに似ている葉で山に生えているところから名付けられたとか?
茎は四角で葉は対生。集散花序の幅は狭く青紫色の小さな花をつけます。花冠は唇形で上弁に濃い紫色の斑点が見られます。
ヤマハッカ湯坂路171002


ミツバヒヨドリバナ  キク科 ヒヨドリバナ属
 9月にホシナシサワヒヨドリを観察しました。探しても見つからなかったミツバヒヨドリバナを今回見つけることが出来ました。
葉の三行脈や基部が三つに分かれているのを確認しました。
ミツバヒヨドリバナ湯坂路171002

ツルニンジン  キキヨウ科 ツルニンジン属
 つる性で根がチョウセンニンジンに似ているところからつけられた名前。
ジイソブとも言い、木曽地方の方言がソブはそばかすの事で御爺さんのソバカスのようです。葉が互生でも輪生に見えます。湯坂路では少なく今回花の終わったのが見られました。下向きに咲く花が終わると上を向いていました。
ツルニンジン湯坂路171002

サラシナショウマ  キンポウゲ科 サラシナショウマ属
 葉は2回3出複葉で小葉は卵形で不揃いな鋸歯がある。白い花が総状に付き
近づくとよい香りがします。
湯坂路には良く似たイヌショウマもありますが今年は花が見られませんでした。
サラシナショウマ湯坂路171002

マルバダケブキ  キク科 メタカラソウ属
 根生葉は長い葉柄があり葉は大きな腎円形で縁には鋸歯があります。
花茎につく葉は基部が膨らみ茎を抱いています。頭花は大きく8センチ内外もあります。茎の上部に散房状の黄色の花をつけ舌状花は10個内外。
マルバタケブキ湯坂路171002

キントキシロヨメナ  キク科 シオン属
別名:カミヤマシロヨメナ。 
茎に毛が多く見られます。シロヨメナに似ていますが花は少し小さく見えます。
痛んだ花もなく清々しく秋を彩っていました。
キントキシロヨメナ湯坂路171002

ミヤコアザミ  キク科 トウヒレン属
 湯坂路では尾根道の両側に椿が植栽されていますが以前はかなり沢山見られたミヤコアザミが激減したように思います。
草原に生える多年草、根生葉は花時期にも残っています。茎葉は長楕円形で深裂している。頭花は幅1cmほどで総苞片は鈍等頭。
ミヤコアザミ湯坂路171002

アキノキリンソウ  キク科 アキノキリンソウ属
 別名:アワダチソウ
葉は互生し柄には翼がある。葉は卵形~卵状狭楕円形で葉先が尖っている。散房状の花序は多数の頭花をつける。頭花は黄色で多数。
アキノキリンソウ湯坂路171002

マルバフジバカマ  キク科 ヒヨドリバナ属
北アメリカ原産の多年生草本。太い根茎から直立した茎がでる。高さ1mほどになり上部で枝分かれして直径5mm程の白い筒状花を多数つける。道路わきなどで繁茂し目立ちます。茎葉は
湯坂路でも見かけるようになり繁殖力が旺盛なので心配になります。
マルバヒヨドリバナ湯坂路171002

本日のトップ10
1、 ヤマハッカ
2、 キントキヒゴダイ
3、 ナギナタコウジュ
4、 ヤマトリカブト
5、 サラシナショウマ
6、 ツリガネニンジン
7、 ミヤコアザミ、
8、 キントキヒゴダイ
9、 アキノキリンソウ
10、 サラシナショウマ

報告者:箱根 PV  山本

金時山自然情報 2017年10月2日

 観察日は毎月第2木曜日ですが、今月は本日実施しました。箱根地域自然に親しむ運動「金時山自然探勝登山」が10月6日(金)に実施されます。主催者は箱根町ですが、ガイドを箱根パークボランティに依頼されました。その下見を兼ねて自然収集を行いました。我々PV4名に加えて箱根町役場の方2名の6名でスタートしました。
 公時神社に安全祈願して出発、間もなくアオキやタマアジサイにシカの食痕がありました。見るたびに食痕が多くなったような気がします。人工林を抜け、芦ノ湖とゴルフ場を見ながら登り、分岐手前からの登山道ではウメバチソウ、トリカブト、ホトトギスなどの花々が見ごろでした。金時山頂上からの富士山は雲がかかり山頂のみを見ることができました。御殿場の富士山展望台では前面の雑木林が伐採され展望がよくなり、裾野から雄大な展望が見られました。
 今日は箱根町の方と下見を兼ねての自然情報でしたが、和気藹々と楽しい観察会でした。

キントキシロヨメナ
名前に金時がついています。金時山の麓から稜線で見られました。シロヨメナの変種。小型で直立し、葉が茎の下に集まり、茎
に開出毛が多いのが特長とされています。
キントキシロヨメナ金時171003

アキノキリンソウ
登山道脇で沢山咲いていました。黄色で小さな花は可憐に感じます。別名はアワダチソウ、花が泡立つように
咲くというところからきている様です。
アキノキリンソウ金時171002

サラシナショウマ
麓で沢山咲いていました。瓶を掃除するブラシのように見えます。名前の由来は若い葉をゆで、水にさらして食用にしたことによると言われています。
サラシナショウマ金時171002

ウメバチソウ
分岐点周辺で満開でした。アリが吸蜜していました。蜜は雄しべの奥の方にあるので小さな虫に蜜を与えて花粉を運ばせると思われます。名前の由来は花の形が紋章のひとつの梅鉢に似ているからと言われています。
ウメバチソウ金時171002

トモエシオガマ
分岐点を過ぎた登山道脇で見かけました。巴の形の淡い紫色の花はなんとも言えないです。シオガマギクの変種。名前の由来は花の付き方が「巴」の形に見えるからと言われています。
トモエシオガマ金時171003

キントキヒゴタイ
長尾山からの下りで見かけました。アザミに似ていますが、総苞は鐘形で総苞片は先がとがり反り返っています。名前は産地の
金時山に由来しています。
キントキヒゴタイ金時171002

ヤマトリカブト
分岐点付近の登山道脇に1輪咲いていました。蕾みが沢山ありましたのでこれからが見頃です。関東地方の特産種です。名前の由来は花の形が舞楽の襲装束に用いる「鳥兜(とりかぶと)」に似ていることからと言われています。
ヤマトリカブト金時171002

ヤマボウシ
登山道脇に沢山ありました。実が赤くなり始めていました。もうじき、赤くなりテンなどの動物や野鳥の腹を満たすでしょう。
ヤマボウシ金時171002

ヒメオオクワガタ
金時山のブナが生えている近くの登山道を歩いていました。800m以上の山地性のクワガタです。ブナの立ち枯れに幼虫が入るので、ブナがある場所が好きです。メスであればしばしば道を歩いているのですが、オスは中々出会えません。ラッキーでした。
ヒメオオクワガタ金時171002

本日のトップ10
1..キントキヒゴタイ     満開
2.アキノキリンソウ     満開
3.サラシナショウマ    満開
4.ウメバチソウ       満開
5.ホトトギス         花
6..トモエシオガマ     花
7.キントキヒゴタイ 花
8.ノコンギク         花
9.ヤマトリカブト      花
10.ヤマボウシ       果実

箱根PV 原田





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